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登場人物の一人ひとりがそれぞれ「女」の成長段階を現しているようで、まさにトリコ節全開!
もしも3回くらい生まれ変われるとしたらその中の一回は町屋織子でお願いしたい、ぜひ。
女としても妻としても母としても、てんでダメダメかもしれないけど、それでも全力で娘の恋を応援するような、そんな織子に私もなってみたい(限定一度なら)。
「永遠の少女」織子にぞっこんなり!
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三人姉妹、そして少女小説家の彼女たちの奔放な母親による連作短編。
それぞれが、様々な形で「少女病」を患っている。
最初はテンポがゆっくりでなかなか読み進められなかったけど、長女、都の話しが動き始めてからはさくさく読めた。
まだ!一番年の近い紫の話しがやっぱり読みやすかった。
4編読んだあとにこの家族の全体像が見えて、それが面白かった。
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最初はどうなることかと思ったけど、二編目くらいからは気持ちも持ち直して、楽しめました。
でも、現実逃避するために読んだのに、現実とちゃんと向き合う様な終わり方で、もう、そんなのがんはるしかないじゃんね。
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「ずっと前に、年を取るのをやめた」とうそぶく「母親」の織子。長女はそんな彼女を天女だといい、次女は魔女呼ばわりし、三女は石だと思っている。異父三姉妹と母親の物語。少女の本質とは?夕日が燃えているようだと泣き、前髪を切りすぎたと云って泣く。そんな死にそうな気持ちを抱えた少女が、死ぬ気がしない生き物に変化するのはいつからなのだろう?母親の章でまとめるのは、窪美澄『ふがいない僕は空を見上げた』に共通するところ。物語の世界に生きるのが、少女と、みた。 浮田町juen deli cafeにて読了
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ユニバーサルミュージアムのシンポ、2日目は朝からみっちりみっちり日が暮れてしまうまで。朝は万博の自然文化園がまだ開いてない時間に、脇から入れてもらった。さまざまな発表があり、質疑があり、廊下にはあれこれの「さわって"みる"」資料が並び、どれもけっこうおもしろかった。ただ、さすがにくたびれた。
帰って晩ご飯を食べたあと、さらさらと吉川トリコの『少女病』を読む。「長女 都(みやこ)」にはじまり、「次女 司(つかさ)」「三女 紫(むらさき)」「母 織子(おるこ)」の各章からなる小説。
三姉妹か~と思って、たしか借りてきたのだった。吉川トリコは『C級フルーツパフェ』ほか、何冊か読んだことがあった。
冒頭の「少女病」チェックリストは私にはほとんどあてはまらなかったけど、「長女 都」の言動には、なんとも身につまされるところがあった。三姉妹の母・織子は現実離れした人のようで、ときに「私たち、四人姉妹なのよ」と好んで冗談に言う。50代の織子がやたら若く見えることもあり、実際の"母親的役割"を長女・都がこなしていることもあって、この「母」からは、娘たちを産んだ以上の母らしさは感じられない。けれど、娘たちを、どこかで思い通りにしたい「母」の存在感はあるのだ。
少女小説家の母・織子と、父の違う娘たち。やはりこれは、吉川トリコ流の"若草物語"なのだろうか。ペンネームだという母の名・織子は「オルコット」からきてるらしいし、三姉妹のキャラクターにもジョーやエイミーの雰囲気を感じるし。
「文芸あねもね」という電子書籍で、この『少女病』のスピンオフ作品が出ているらしい(そういえば、吉川トリコは、女による女のためのR-18文学賞をとった人だった)。
前に読んだ本、『「処女同盟」第三号』や『グッモーエビアン!』も、また読んでみたくなった。
(10/30了)
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ふわふわでじとじとで冷たくて強かで苦しいくらい切ない、おんなを描いた作品。連作短編形式なので読みやすい。
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なんだか恥ずかしい題名の本を読んでしまいました。夢を見続け現実逃避している乙女が少女病。この本を読んでいる人も少女病なんでしょうね。
夢見る人=少女っていう前提って、ちょっと悲しいです。
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4人姉妹みんなが、どちらかというと閉塞的な世界で生きていて、繋がるのは錆びれた白亜のお城。そこに住むのを嫌がっている。
「少女」たちへのエールのような、皮肉のような、作品かなと思った。もう現代には大っぴらに、吉屋信子らの時代の「少女」が生息することはできないのかも。いまは有川浩さんの小説が、この分類ではないかという気がする。
続編が連載中ということで、都に少女病を認定した遊び人風情の医師がどうなってるのか気になる(笑)
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三姉妹プラス母親の物語。
三姉妹はみなそれぞれ父親が違う。
おっとりしてるけどしっかりものの長女、都。
定職に就かずふらふらしてる次女、司。
容姿端麗だがどこか生意気な三女、紫。
そして母親らしくないが三姉妹の母親、織子。(本名:房子)
みんなどこかぶっとんでるんだけど、織子は異常。
娘のお見合いに内緒で行ったり、娘宛ての手紙を隠したり。
でもまあ、一見子どもに見えるけど、しっかり女として生きてるなっては思いました。
映像化とかしても面白いんじゃないかな。
でもありきたりすぎるかな。
タイトルの少女病とは夢見がちで空想癖があり、いい歳をして白馬の王子様を待っていたりする、大人になりきれない、特に都市部に住む女性に多く見られる症状である。
この一家みんなこの症状にどこかしら当てはまるわけなんだけど、これって女ならある程度誰にでも見られるものなんじゃないかな。
私も少女漫画的な恋愛にいまだに憧れますし。
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長女の話が私のことかと思った(いろんな意味で)
でも中身ベースだと三女が一番近いと思う。
そしてこの話は引きずる感じでよいと思います。
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わたしもきっと、少女病だ。
高校で「独自の世界観を持ってる」
と言われたのも
あの人が「君は違う星の住人だから」
と言うのも
わたしがずっと、フィクションに浸って生きてきた証なのかもしれない。
小説を読んだ後しばらくは、
心の中の独白が、主人公と同じ口調になったりして、その世界に生きているような気分になったものである。
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煽り文句に惹かれて読んでみたが、あまり参考にならんかった…
話も描写もあまり惹かれるところはなかった。
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長女・次女・三女・母親と順番に、心の内や家族への思いが語られる。
自分のことを筆名で呼ばせ「お母さん」と呼んだ娘の頬を引っぱたく小説家の母親。それぞれ父親が違う三人の娘。少女病なんて可愛らしい表現で片付けるのはどうかと思うぐらいに、この三姉妹には母親の愛情が欠けていて、それ故に自分に自信が持ない姿が痛々しい。 けれど長女の見合いを機に四人は精神的に成長し、それと共に最初は不快でしかなかったこの家族に愛おしさを感じる。最後には「やっぱり家族だね」とほんのりと暖かい形で胸にストンと落ちる。悪くない読後感。
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この家には男はいない。ぶっ飛んでいる母と三人の娘たち。夢見る女たちの葛藤を描く、リアル「若草物語」
少なからぬ女性が持っている少女病。夢が朽ちた洋館で繰り広げられる女たちの生活がほどよくリアルでほどよくファンタジーで起伏はないけれどおもしろかったです。
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感想を書くのが難しい。アンソロジー、「文芸あねもね」でこの作品のスピンオフを読み、こちらにも手を出した。「あねもね」の短編は、舞台設定がよくわからず、文体が少々雑なように感じたのだが、こちらと合せて読むと「ああ、そういう話だったのか」ということはわかった。こなれていないように感じてしまう所は、きっと彼女の味なのだろうと思う。違和感を感じたひとつの原因は「少女病」というタイトルで、おそらく三人姉妹+母の四人それぞれの「少女病」を描いているのではないかと思って読んでしまうのだが、お母さんのそれが強烈すぎて、他がよくわからなくなってしまう。