投稿元:
レビューを見る
本屋で立ち読みで済ませた。今のご時勢だからこそ、”生きる”ことの素晴らしさを説いたのだろう、野生動物の世界でCloseUpされることの多い”死”というドラマではなく、「死は生きてきたことを証明する一瞬の出来事にすぎない」と、生きてこその生命の尊さを、映像表現では伝えられない(伝えたとしても地味な)エピソードを筆者の感性を通して伝えている。
が、さほど感動的な話もなく、どちらかといえばありがちなストーリー、実話ゆえの展開の乏しさが目立ち、インパクトに欠ける全体感だった。象が、その巨体がゆえに、弱きものへの配慮を見せるクダリは、ちょっと心打たれたけど・・・ 「野生の王国」やBBC放送系の映像作品を見てきた身には、あまりにも地味な作品だった。
投稿元:
レビューを見る
アフリカでの野生生物を観察し続けている著者。
この本は、そんな中で見た「生」と「死」についてのエピソード。
他者の死を悼む象のはなし
母親を探してサイやコヨーテに近づいていく、はぐれた子ヌーのはなし
を読むと、著者は動物を「見ている」のではなく「感じている」のだろう、と思いました。動物に対する視点が違う。
絵は、ミロコマチコさんが描いています。
動物の発するエネルギーを感じさせてくれる絵は、この本にぴったりだと思います。
僕は、子どもの頃から動物が好きでした。
小学校に上がる前、お向かいの家で犬を飼っていました。その犬との交流が僕の動物好きの原点です。
幼稚園や保育園に通わず、バッタやトンボ取りをして遊んでいたことも、物言わぬ生き物たちへの興味につながりました。
羽仁さんの本を読みながら、いつの間にか自分を振り返ってしまいました。
投稿元:
レビューを見る
羽仁進&ミロコマチコ(絵)「サバンナの動物親子に学ぶ」、2011.8発行です。この本からは、多くのことを教えていただき、そして感動をいたしました。大人は大人なりの感動を、子供は子供なりの感動を覚えると思います。人間だけが「死」を認識してるとはとんでもない思い上がりだったようです。捨てられた兄と妹のライオンの短いけど輝いた「生」。迷子のヌーと子どものいないヌーの母親の出会い。子を殺された母ライオンの怒りと悲しみ。強いが故に弱者に気を遣う象など。読後、「生」と「死」、そして「大自然」を見つめ直してみたいと!
投稿元:
レビューを見る
アフリカで野生動物の撮影をしている羽仁進さんは「生」と交錯する「死」を見つめ続けている。
そのエピソードは感動的で「生きる」意味を考えさせられる。
ミロコマチコさんの挿し絵は「重く恐ろしい死と共に、それを圧倒していく生の喜びが鮮やかに描かれている」と羽仁進さんが評している。
描かれる動物たちは、生の歓喜を全身で表しながら、顔は決して笑っていない。目が真剣なのだ。生きることに真剣な動物たちの姿がそこにある。