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一般的に考えられているのは、脳が考えた結果として心の動きや感情がうみだされる。しかし著者は逆だという。身体の動き(静止している身体ではない)が感情を生み出し、身体の動きが心の動きをつくりだすという。それを生物の進化史、各種心理実験から導きだしている。また、そのような視点が古来からあったことを言葉の使われ方(身に沁みてわかる、息を凝らすなど)をに指摘する。呼吸や歩行や住環境を整えれば心身のコントロールが可能というか、相互依存の関係である。
よく読みこめば面白いがいかんせん読みづらい。著者に限ったことではないが、大学教授は一般人への説明が上手ではないと感じる。
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書いてあることは、結局題名通りのこと。
動きから心が生まれるという説の紹介→レスペラント反応(筆者の造語)と生理理・心理との関係に関する実験結果の提示→身と心の相互作用(気感(気分/感覚)の次元で収斂)に関する筆者の自説の展開(心身統一ワークを含む)、という構成。実験結果には科学的に裏付けがあるので、期待するが、内容の大半を占める筆者の自説には特にエビデンスが示されない。そういう考え方も面白いと思うけれど、絶対に正しいとも思えない、という感想。心身統一ワークをして、実践することで納得してほしい、というのが筆者の主張なのかもしれないが、ワークを実行するだけのモチベーションが得られなかったというのが正直なところ。
前頭葉が障害され、感情の平坦な患者は、知的能力に問題がなくても、意志決定の場面では困惑を示す。これは、意志決定に必要な直感、すなわち、なんとなくこれがよいという気分・感情が失われているからである。というのは、興味深かった。直感の本質が、気分・感情である、ということが示された。筆者の説通り、気分≒身体感覚(体性感覚)であるとすると、直感とは身体感覚であるということになる。身体の重要性を改めて考えさせられる。
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「心は身体の動きから生まれた」という身体心理学の立場から、身体と心の動きについて紹介されています。
興味深く、なるほど、と思いながら読みました。
身体と心のつながりに関心のある私にとって、参考になる一冊でした。
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解説内容は丁寧でごもっともだと思うのですが、後半のワークがちょっと尻すぼみな感じで期待と違っていて残念。どう動きと心がつながっているのか、その気付きを与える、とまではいきませんでした。
自分の思ってることの裏付けを確認できた、という程度で終わってしまいました。
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動いて心を整える。
なんだかどこかでみんな納得できそうですよね。
それを学問として、どのように取り扱っているのか?
この本では、エッセンスのみ
簡単に述べられてはいるが、その先が面白そう。
それだけでなく、
どういう体の動きがよいのか、実践的な体操まで
掲載されているのです。
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レスポンデント行動、オペラント行動に次ぐ第三の行動単位であるレスポンデラント行動について説明する。
新書でありながら、今後の身体化認知やその他の身体化学問領域を探索していく上で、よい指針になる。
ただし、そもそもレスポンデラント行動自体にコンセンサスは得られていないし、身体化学問領域は、「振る舞い」だけではない。
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大変興味深い本であった。頭脳中心主義といった空気感が強い中で、こういった書籍は貴重なように思われる。
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心が動きに影響を与えるのではなく、動きが心をつくる可能性について述べられた本。新書ということもあり、概要だけだが発想の転換という意味で興味深い。
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身体心理学,聞きなれない言葉だと思います。本書での説明を引用しますと,身体心理学とは,「身体の動きやそこから生ずる感覚や気分・感情という心の根元に立ち戻り,単なる観念ではなく,現実に密着したリアルな心の動きを明らかにしようとするもの」です。本書では,従来の身体心理学の研究に触れつつ,人の心は身体の動きから生まれてきた,という筆者の考えが論じられています。筆者の春木豊氏は,この領域の第一人者です。本書は,春木氏の著書の中でも比較的新しく,新書として簡潔にまとめられているため,非常に読みやすくなっています。身体心理学の初学者に勧めたい一冊です。また,後半には,「生活を豊かにする心身統一ワーク」として,筋弛緩法や呼吸法などの実践的なやり方が図解つきで紹介されています。身体を通して行う心身の健康増進に興味がある方にも勧めたい一冊です。
(ラーニング・アドバイザー/心理 KANAI)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1574994
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著者は早大教授。この道の権威、野口晴哉や高岡英夫の名前も出てきて期待したが、ー体系的ではあるがー内容はよく言われていること(背筋を伸長や微笑みの効能等)に終始。ナンパと身体を考察をされている高石さん(@lesyeuxx)の方がいいものを書けるのでは。
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行動が心に与える影響等についての概要が述べられている
呼吸、姿勢などヨガとかでもよく取り上げられる行動についての考察は面白い
あとその考察に基づく実践法は試してみたくなった
呼吸、筋反応、表情、発声、姿勢、歩行、対人空間、対人接触は無意識の行動でもあり意識的な行動でもある
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著者がなぜ、このような身体心理学を研究したかというと、身体心理学で得られた結果を参考に、呼吸法や筋弛緩運動などで心や体をよい状態に----体に生気をみなぎらせ、心は気力に満ちさせる、そのことによって、健康でいようよっていうのが大目標なのです。本書のまとめに近い章では、「気」の概念まででてきて、東洋思想を取り入れているなあという印象を受けます。人によっては、それって非科学的なものだと感じるかもしれません。しかし、きっとそこには、ヨーガや禅や指圧など、いろいろな東洋的なものを試してきた経験がある著者だからこその、見抜きがあるような気がしています。ただ、東洋思想的な東洋科学が受け入れない人でも、レスペラント行動についての論説はおもしろく読めることでしょう。
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embodied cognitionに関連する日本語の本。非言語コミュニケーションの解説にもちょっと使えるかも(表情とか姿勢とかの話のあたり)。後半は著者の考える大理論て感じで,ヨガとか太極拳とか,社会的認知のガチな実験云々という話とはだいぶ違ってくる。わかってて読む分にはいいのだけど,後半も含めて心理学界で王道として広く認められている話だと,学生さんに誤解されやしないかとちょっと(いらん)心配。
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これは面白い。著者の造語ではあるが、「レスペラント反応」というのが独創的かつ画期的な定義であり、これは柔術、いや身体に直接携わる人にとってはぜひとも読んでおいて損はない内容です。
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よく嬉しいから笑うのではなく、笑うから嬉しいのだ、つまり、感情より表情が先に来る、とか聞くことがある。本書はそれをもっともっと掘り下げて、ひとつひとつ検証した本。
まずは、もともとの動きとは何かから始まる。下等生物では動きはなんのためにあるのか、走性とか反射とか。それから中枢神経のある動物ではどうか、とか。で、じゃあ人間ではどうかとか。
次に、反射や不随意運動・随意運動と呼吸などの関係について記載する。呼吸は反射である側面もあるし、随意運動である側面もあって、これを制御することにより、動きからメンタルに影響をおよぼすことができる。
簡単に読めて、この分野のまるっと全体像がつかめる本。