紙の本
美少女に振り回される悪魔たち
2015/08/21 14:11
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルネサンス期に18歳という異例の若さで悪魔になった元・人間のバルサザーは、地獄でも一目置かれる存在だ。一説には、17世紀の日本で生類憐みの令を主導して混乱を巻き起こしたなどという噂もある悪魔なのだ。
ところが、同じ様に有能さで知られる大悪魔のマルドゥクが、犬に召喚されるという失態を笑っていたのも束の間、バルサザー自身も、似たような罠にはまってしまう。
彼を召喚したというのは蜜という子どもだというのだが、実際にはその隣の仁緒という子どもが蜜をそそのかして召喚させたらしい。だが蜜の魂はエンジェルという天国行きの魂で、悪魔には何の魅力もない。けれども仁緒の魂は、黄金という一世紀分の全人類の魂に匹敵するほどの垂涎の魂なのだ。それは何とかして手に入れたい。
バルサザーは誰もが認める才能ある悪魔。たかが人間の少女くらいどうとでもなると思っていたところ、逆にやり込められてしまって魔力を一時的に失い、逆にハウスキーパーとして仁緒のお世話をすることになってしまうのだった。
これまで悪さを極めて来た有能な悪魔が、わずか14、5の少女にやり込められてしまうところに滑稽さがあるわけだが、きちんと最後まで読み進めれば、なぜそんなことになってしまったのかには、それなりの理由があることが分かる。
スコピオ・シナモンという大王なのにちっこい悪魔がコミカルに虫っぽくやられたり、魔法を使える悪魔がクリスやマダム、白クジラといった人間に手も足もでなかったり、前半は基本的にコメディタッチで進む。その転換が唐突で慌ただしい所は、まるで何者かの手が加えられているかのようだ。
後半は前半に張られた伏線の謎解きへ。ロジックパズルの様な要素をからめつつ、そもそもの発端と黒幕が誰なのかが明らかになって行く。強大な力を持つ悪魔が振り回されるのには、更に強大な力が関わっているという訳だ。
でも、人間が無力かというと、そういうわけでもない。仁緒は悪魔にチャンスをもらったわけだが、それを生かして悪魔を出し抜くほどの知恵を手に入れたのだから。
マクベス、神曲、ファウストなど、古典の要素を所々に散りばめつつ、細々と散らばるエピソードを、ある力によって一つにまとめた物語だ。ゆえに、ちょっとバラバラ感や唐突感を受ける作品でもある。特に前半は。あと、15世紀くらいの欧州の人物であるはずのバルサザーが、なぜカレーを作れるのかは疑問に思った。
ちなみに、ググったら、このラノの第一回にも応募されていた作品であることが分かった。タイトルは違うけど。
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もう少し知恵比べ的な内容を予想していたんですが、ひたすらに主人公である悪魔が翻弄され続ける展開でした。あと、設定がぶっ飛びすぎてるのと、結構シーンがぽんぽん飛ぶので、読んでいてつらいところもありました。
終盤ストーリーが収束してきてからは割と普通に読めましたが、そこに至るまではかなり難しい本です。
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自分大絶賛ナルシスト悪魔が美少女に陥落される話。…そら萌えるでしょう。
脇キャラもいちいちツボ、展開も捻ねてて非常に好み。伏線がまたお上手!もっと読みたい。
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キレ者の悪魔VS悪知恵の働く美少女って帯が気になって購入。
聖水をかけられて魔力が一時的に失われた悪魔と、自分の魂は危険にさらさず悪魔を呼び出し願いを叶える小賢しい少女との頭脳合戦?
もう少しやり合うようなシーンがあっても良かったかな。
どちらかというと悪魔の情けないシーンの方が幅を利かせている気がする。
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予想していたより面白くてテンポもよく一気に読んじゃった。
悪魔がやられっぱなしでちょっと不満。笑 もっと互角なかんじを予想してたからなあ…
でもただの知恵比べじゃなくて後半で色々と明らかになるのがすごく面白かった!ああ!そういう繋がりだったんだ!て伏線が活きてて面白かった!
あと魔力取り戻すところがすごく印象的^^バルサザーかっこよかった(*ノ∀`*)笑
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楽しかったです。
悪魔が小悪魔に良いように使われている感じが、思わず「ふっ・・・」と笑ってしまうお話でした!
個人的にはバルサザーの気持ち良いほどのナルシストっぷりが、読んでいて面白かったです。
完全に自分に酔っている、完璧すぎて逆におめでたい悪魔でした(笑
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面白くなる、話に入るまでに多少時間がかかる作品でした。
一人称、二人称、三人称と、視点は選択して作者が描くものですが、三人称で一人に絞った方が面白くなった気がします。
私はタイトルとオビの売り文句から買いました。
人目を引くだっただけに、もっと濃い話だったらなぁ、と思いました。
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バルサザーの独り語りがおもしろかった。
やったりやり返したりという展開を予想してたから、やられっぱなしだったのはちょっと物足りなかったけど、
たくさんの策略がめぐらされている感はとてもよかったと思う。伏線がいかされてるなぁって思いました。
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やや読みづらい文体ではあったけど
悪魔や天使が出てくるファンタジーな内容は
自分好みでよかったと思う。
作者の教養が滲み出ていると感じた。
ただ着地点がわからず読みながら振り回された印象がある。
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キレ者の悪魔VS悪知恵の働く美少女の火花散る知恵比べを描くコメディ。人間の願い事を叶え、その見返りに魂を手に入れる悪魔たち。その中でもバルサザーは地獄きってのヤリ手として広く知られていた。ある日、人間に召喚され地上にやってきた彼が出会ったのは、恐ろしく悪知恵の働く一人の美少女だった。
彼女の魂を狙うバルサザーだが、思い通りにはいかなくて・・・。
お互いを出し抜こうとする、イケメン悪魔と小悪魔美少女の、奇妙は同居生活をお楽しみ下さーい。
ペンネーム:ntmn
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作者は書いてて楽しかったのかもしれないが、読み手としてはしんどかった。久しぶりに読むのが苦痛になる本。
無駄で無意味な文章が多く、本編の内容も薄っぺら。帯で期待した知恵比べ的な要素もほとんどなく、デスノートやカイジには遠く及ばない。
ラノベと言われるものも数冊は読み、どれもそれなりに面白かったが、もしかするとこれがいわゆるラノベなのか。
そうではないと信じたい。
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「パパよりももう少し素敵な何かね」
小悪魔のような人間の美少女に翻弄される本物の悪魔のすったもんだなコメディ。知恵比べって書かれてるけど、私にはそうとしか読めなかった(笑)知恵は比べてるけど、結局バルサザーが仁緒に買った事なんて一回もなかったんだもの。
悪魔として地位もプライドも財産もあり、前途洋々だったはずなバルサザーなのに、ただの人間の女の子に為す術なくやりこめられていく様は実に痛快。いやあ面白い←ひどい。
自分は悪魔だと見栄を張っておきながら、魔力を失った彼の方が実はよっぽど人間らしいし、黄金の魂の持ち主ながら一度も手を汚さない仁緒の方がよっぽど悪魔らしい。
どんな悪魔がでてこようと、悪魔よりよっぽど悪魔らしいのが、人間だよねえ、と仁緒を見てても蜜の家族を見てても思うわけです。
伏線が至る所にちりばめられ、一歩も譲らぬ(バルサザー視点)駆け引きは読んでいて実に面白い。
でも一番好きなのは仁緒の小悪魔っぷりだったりして。最後の仁緒の一言はもう完全にバルサザーをロックオンしてるよねー(笑)
バルサザーもバルサザーで今後仁緒から離れないんだろうなあ。
魂を回収するためとか言いながら仁緒を守ってる辺り、
これは無自覚なのでしょうか。美味しいです←
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話が面白くなるまで、時間がかかる印象。
中盤のシェイクスピアはよかった。
そこから一気に面白くなったような気がします。
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まさかの読み忘れ…。ジャケ買いという衝動買いにしては当たりだったと思う。
ネタはよかったので、もうちょっと読みやすい文体と構成ならと思う。
次回作に期待してもいいかも。
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題名のとおり、悪魔と小悪魔的な少女の知恵の対決?をするお話。悪魔の一人称で書かれている。説明と語りが少しくどいけど、説明不足なところもあったり。結局燐家の謎一家はなんだったのだろう・・・。