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実ることなく恋の相手を死なせてしまったところが、
物語として安易に思えて好きでなかった。
でも、仕事に燃える女の物語は好きだ。
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江戸時代の金属細工をテーマにした物語。西條さんの時代物は人物描写も丁寧だしその時代の風土がすんなりと入ってきて巧いなあと感心します。お凛の作った細工や山車の実物を見てみたいな。切なくも美しい物語でした。
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L
初西條作品。時代小説、まだまだ作家さんいっぱいいるんだねぇ…改めて思う。
さて作品名は恋が入っているものの、恋時代は本筋ではないような。
錺職椋屋の次女に生まれたお凛は小さい頃から錺細工に興味をもち男職人たちには内密に技を磨いていた。義理の兄四代目が亡くなり五代目にはお凛の婿養子をかねて職人6人が選ばれることになった。そのうち1人は独自の技をもちなにかと問題を起こす時蔵。時蔵の椋屋入りで軋み出す職人たち。奢侈禁止も重なり荒れる職人たちをまとめるべくお凛は…という話。時蔵はスパイス的な使われた方だったかーとガックリ。時蔵の亡きあとのまとめは少々不満。そこまで職人気質にならなくてもいいと思ったけどねぇ。
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すごく凄く良かった。簡単に“号泣”“感涙”とか書きたくないけど、これは来ます。
昔イギリスで作家は女がなるものじゃないという時代にジョージ・エリオットという男性名を騙って作品を書いていた女性作家がいましたが、やはり同じ様な偏見ある江戸時代、しかも水野忠邦の強烈な倹約令が敷かれる逆風のなか錺職人となっていく「お凛」の姿に感動です。
天才肌の時蔵の変化、職人達の意地と団結、親友とも言えるお千賀の協力、そしてラストお凛の取る決断、素晴らしかったです。
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お凜の細工にかける情熱に、ちょっと恋模様を盛り込んでと、ちょっと鉄板的な感じ。
お凜の幼馴染の生駒屋のお千賀が良い味を出している。
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恋や跡目相続や天保の改革に友情などもあるが,最初から最後まで主人公お凛が錺細工に魅せられて工夫し研鑽を積み錺職人になる夢を叶える,江戸時代にはほとんど不可能なことが実現する手妻に胸がすく思いがした.
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2021/6/6
職人の話。好物。
でも制約が多いんじゃ。息苦しいんじゃ。
江戸時代、女にできることは限られてる。その制約。
御改革でぜいたく品が禁止されてた。その制約。
エンディングで制約から解き放たれてもこの時代の解放感では私の求めにまで達しなかった。
恋模様も目に見えて報われることもなく不完全燃焼。
お凛が最後泣いて喜んだことも私にはそこまで…
その慎みを楽しむのがいいんだろうな。
とは思うけどもっとスカッとしたかった。
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ただ技を極めようとする時蔵と、その背中を戸惑いながらも追いかけるお凛。なんとももどかしいままに進むなかで、お千賀やお清の存在が光る。大きな華が咲くわけではないものの (錺は華だけど)、職人気質や江戸気質の気風が感じられる。