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かつて、「偽りの街」 「砕かれた夜」 「ベルリンレクイエム」という、ベルリン三部作で、人気を博したシリーズだったが、今は絶版だとか。
この三部作は良かったが、その後の「殺人摩天楼」はひどく安っぽくて、彼を離れてしまったのを覚えている。
しかし、本作はベルリン3部作の主人公グンターが復活するとのことで
期待を持って読み始める。
しかし、序盤のパレスチナの部分が、どうにもまどろっこしい。
もちろん、終盤への伏線なのだが、それが成功しているかは微妙か。
第二次世界大戦後の混乱期のドイツが主な舞台。
謎の女の登場、謎の男たちの襲撃
定番の展開で、中盤までは、なかなかのれないまま進む。
終盤に、それまでの陰謀と謎が収束していき、
たしかにそれなりの仕掛けではあったが、
結局不完全燃焼で終わった感が残る。
グンターのハードボイルド的な生き方の哲学が、今はピンとこない。
グンターシリーズはまだ続編があるようだが、あまり期待できないかも。
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ページ数の多さに圧倒されるけど(文庫本で1,000円越えるなんてね!)、その分読み応え十分。ずいぶん入り組んでいるけれど、実際にこういうことってあったんだろうなあ・・・と思ったりもする。
ベルリン三部作も読みたいし、続きも是非読みたい。
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第二次世界大戦が終わった直後のベルリンが舞台の探偵を主人公としたハードボイルド。
物語の背後に描かれる時代状況が面白い!
近現代ヨーロッパの歴史に関する知識は浅いので、どこまでしっかりした時代考証がなされているかはわかりませんが、その歴史を語る視線には共感します。
ベルリン三部作が読みたくなりました。
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第2次世界大戦後のミュンヘン、ウィーンを舞台に、元親衛隊員の私立探偵がこれでもかというほどに偽装殺人に巻き込まれる展開。人体実験を繰り返していた医師がその研究を評価され、CIAによってアメリカに移住するために、たまたまよく似ていた主人公が替え玉として使われる設定。虐殺に関わった元親衛隊員を処刑するユダヤ人の暗殺隊がいたり、ユダヤ人を皆殺しにと主張していたアラブ人がいたなど、私には初めて知った歴史の裏側も垣間見せてくれて面白く読める。著者の他の作品が絶版になっているのが残念。続編は翻訳されていないのだろうか?