紙の本
くるくるとめぐる
2015/08/20 14:09
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
六本木にたどり着いた家出少年と、彼に声をかけた少女が、六本木の街で鬼ごっこをする中で、互いの過去が回想されていく。キリスト教的なネーミングをコミカルに使いつつ、そこに内包されている対比関係を通じて、物事の価値観をひっくり返したり、元に戻したり、無造作に扱っていく。
脚本なので会話メインのわけだが、その会話の中にはマンガやアニメのパロディなども仕込まれている。それに、固有名詞や造語が面白い。ボクケットミントン!
星海社のサイトで、演劇少女・原くくる 1st. インタビューが掲載されている。
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現役女子高生劇作家・原くくるが"愛する六本木に捧ぐ"表題作「六本木少女地獄」をはじめ、全五編を収録した戯曲集。
コミカルな展開と掛け合いで繰り広げられる喜劇「うわさのタカシ」「家庭教師のドライ」。イジメや孤独、疎外感をテーマに宮沢賢治『銀河鉄道の夜』をリライトした「スズキくんの宇宙」。"地球滅亡の中で繰り広げられるホームドラマ"という突拍子もない設定ながら、前を向いて力強く生きることの大切さを説く「月の爆撃機」。そして表題作の「六本木少女地獄」では、想像妊娠する少女を表徴として"女性が女性であることの原罪"を描く。
どうしても「現役女子高生」という著者の紹介になってしまいますが、どれも高校の(あるいは母校の中学校の)部活動のために書かれたとは思えない作品です。舞台を観たことがない人だと、多層で展開する物語や、一人が複数役を演じるので混乱するかもしれませんが、えーと、すぐに慣れると思います。ぼくも演劇には明るくないのですが、読めたので大丈夫です。
余談。
装本はもちろん、フォントにはもこだわる星海社の本ですが、本書では著者近影が『SCHOOLGIRL COMPLEX』の青山裕企というこだわりがすごい!
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一本しか完成させたことがない人間が言えたことではないけれど、悔しくて死にそうだ。 悔しさとか怒りとか、そういう負の気持ちが強く現れてきていて戸惑う。 素直に楽しめない自分はきっとやはり向いてなかったのかなとか思って死にたくなる。死にたくなるよ本当に。でも死ぬまえにまだ一本くらい書きたいよなあ。そんな、大学生がたくさんいるはず。俺含め。へぼで根性なしな、俺含め。
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愛する六本木に捧ぐ。 ——原くくる
六本木の夜。想像妊娠する少女。彼女の“子どもたち”の父親は——誰?
信仰、怒り、そして「許し」。女性が女性であることの原罪……この世のあらゆる“地獄”を詰め切って演劇シーンの未来をノックする若き才能、原くくるが脚本・演出・出演のすべてを務めた衝撃作、『六本木少女地獄』ほか、全五編の戯曲を収録。
▼試し読みはコチラ
http://sai-zen-sen.jp/fictions/6sj/
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この作品は星海社のHP「最前線」で試し読みをして興味を持ち購入しました。
普段はフリーの電子書籍だったらその場で読んで満足して、紙の本を買うまでにはなかなか至らないのですが、この本はついつい買ってしまいました。
この「原くくる」という女子高生のものの捉え方や考え方、文章の構成からは他の人とは違う圧倒的な何かが伝わってきました。
彼女は周りが思わずドキッとしてしまう単語を平気で作品内に取り込む。かと思いきやその時の流行りに合わせた話題や、馴染みのあるものも巧みに取り入れて、見る者を惹き付ける。
読んでいて、この圧倒的な若き才能を前にして悔しくもなり羨ましくもなりました。
彼女の作品をもっと見てみたいと思いました。
作品の中では銀河鉄道の夜をアレンジした、「スズキくんの宇宙が」個人的に好きでした。
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”原くくる処女戯曲集 六本木少女地獄”原くくる著 星海社FICTIONS(2011/08発売)
・・・表題作”六本木少女地獄”を含む戯曲集五編。
全体的にテンションの高い戯曲が多かった。
実際の舞台もある程度はイメージできましたが、そのテンションの高さにはどうしてもついて行けなかったです。