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社会契約論+功利主義の系譜をたどりながら、
ロールズの哲学の主張である〈公正としての正義〉を基礎づけようとしている、ハーバード大学の講義録。
格差の是正、機会の平等をめざしつつ、
それが強迫的な道徳にしないことが彼の目標であった。
こういう経緯があるので、各論者の哲学の純粋な解釈とはなっていないことに注意を向けながら、
こういうようにさまざまな哲学者を貫いて読むことができるんだなあというのを感じていただければ。
あと、たいして新しいことではないのだけれど、
ロールズが、各論者を読むにあたって、
その論者の思考体系――問題設定&応答――をしっかり把握しなければならない、と明示してたのはよかった。哲学者への敬意。
そうしなければその哲学の良い部分を取り出すことはできないというね。
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ロールズによる近代政治思想史の講義書。I巻では、ホッブズ、ロック、ヒューム、ルソーが取り上げられる。自らの「公正としての正義」の構想を保持しつつも、それと近代政治哲学――とりわけ社会契約論――の系譜とのつながりをロールズが意識していたことを明白に示してくれる一冊。
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ホッブズ、ヒュームはおもしろい。ロックも悪くはない。でもルソーにはいまいち関心がもてない。ただの感想だけど。勉強になった。