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紙の本
一兎を追うものは、二兎は得られない
2012/01/26 00:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セカンド・プラン レジェンド - この投稿者のレビュー一覧を見る
一挙両得が難しいのは、はじめから諦めているからではないだろうか。
いい「ことわざ」がいい人生を作るのだとしたら、悪い「ことわざ」はどうなるのだろう。
本書にあるとおり「塞翁が馬」ということか。
「ことわざ」は、長い年月のあいだ人と人との機微にもまれながら、生き残ってきた道標である。
したがって、大昔でも現代でも、言いえて妙ということが起こりえる。
ただし、その意味を取り違えていることもしばしばある。
今一度、「そもそもの由来」を確認するのに本書は最適だ。
そればかりか「ていねいに読み解いていくと見事にわたしたちの本質をとらえていておどろかされる」と著者はいう。いくつか当てはまるものが私にもあった。
ところで、間違って伝えられて、それが一般的になれば、それはそれで「ことわざ」である。
「二頭を追うもの」なのか「二兎」なのかは本書にはないが、心の中のセルフトークに加えることができる言葉がいくつかあるのでありがたい。
そればかりか、「後悔を先にたたせて後から見れば、杖をついたり転んだり」と面白い言い回しも紹介されている。それらに刺激されて自分なりにアレンジしたくなる。
それでこそ、読書の楽しみだけでなく、表現の喜びも得られる一冊だ。
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