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“未来の王子様というのは、渋沢拓斗といって、同じ楓陽館に通う男子生徒。六年生だから、未来たちの一個上である。
とはいえ、その整った風貌といい、落ち着いた雰囲気といい、とても小学生には見えない。背も高く、すでに百七十近くある。
ずば抜けた洞察力、推理力がある反面、学校一の変わり者でもあった。
恋する少女である未来の目には、すべてがすてきに見えるのだが、他の人たちから見れば理解しがたい部分も多い。
普通に道を歩いていたのに、ふと立ち止まり、そのままそこにしゃがみこんで、地面に何やら指で書き始めたこともあった。
その時はさすがの未来も驚いて、いったい何を書いてるのか聞いたが、拓斗は「いやぁー、ちょっと解けない数式があったんですが、ようやく解けましたよ!」とニコニコ笑った。
そういう人物なのだ。”
神隠しの終わりがちょっとオチきれてないような。
てっきり兄さんに説明でもするのかと。
“「そっかぁ。あのおじいさん、占い師としては、いい線いってたんだろうねー。なんで、そんなだますようなことしたんだろ」
夏子も同じことを考えたらしい。
「うんうん。占い自体、悪いことじゃないと思うんだ。もちろん、占いにばかり頼ったり、こだわりすぎちゃうのはどうかと思うけどね」”