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紙の本
▲超速3七銀はコレで決まり!
2011/10/30 22:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ココちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2011年度勝ちに勝ちまくっている(10月末時点で23勝4敗!)中村太地五段、
初著作はゴキゲン中飛車対策の本でした。
四段昇段の頃はたしか振り飛車党だったと思うのですが、
攻めっ気が強く居飛車党向きだっのでしょうか、転向後の好成績につながっているようです。
本書は色々ある△ゴキゲン中飛車対策の中でも▲超速3七銀と▲5八金右超急戦に絞って解説されています。
特に▲超速3七銀戦法については現在出版されている棋書の中ではダントツの解説量です。
基本から▲超速3七銀戦法について詳しく知りたかった方には待望の一冊でしょう。
第1章が「超速▲3七銀戦法」で、本書の8割程度を占めています。
▲超速3七銀は通常の▲3七銀急戦と違い、6八玉型のまま▲3六歩~▲3七銀~▲4六銀と繰り出す戦法です。
この右銀が非常に安定しており、攻め、左銀と連携しての押さえ込み、後手の捌き封じと働きます。
「本書は戦法の変遷に沿って解説を進めている」とのことで、
細かな形の違いごとに形勢も書かれており、先手後手ともに進化の流れがわかりやすいです。
△ゴキゲン中飛車側のポイントは玉形(囲い)と3二に上がる駒を金にする銀にするかです。
玉形は居玉、△7二玉型、△7一玉型美濃囲い、美濃囲いがあります。
当然美濃囲いが一番堅いですが、手数がかかるので先手の陣形も整ってきます。
居玉は一番薄く危険ですが、手を捌きに回せるので超速▲3七銀を完全にとがめられる可能性もあります。
次に3二に上がる駒は、金だとバランスが良く左銀が使いやすいです。
銀だとその瞬間は堅く捌きあいに強いですが、進展性には欠けています。
これらの組み合わせごとに動き方も大きく変わってくるわけです。
戦法の変遷順なので、
居玉&△3二銀…P11→△7二玉&△3二金…P16→△7一玉美濃&△3二金…P31→美濃囲い&△3二銀…P63
→美濃囲い&△3二金…P79→△7二玉&△3二銀…P125という流れで解説が進んでいきますが、
特に項立てはされていないので、どのページにあったか探しにくい(本書唯一の)欠点があります。
目次に上記のような感じで載せておいてくれるだけでわかりやすかったのですが…。
簡単なメモを作ってしおりとして挟んでおくと良さそうです。
「速攻!ゴキゲン中飛車破り」というタイトルなのに、
現時点ではどうも居飛車▲超速3七銀面白くなさそうという結論にはビックリしましたが(笑)、
居飛車・ゴキゲン中飛車双方の攻め筋・受け方・押さえ込み方・捌き方etc、
すべてがかなり詳しく解説されているのでぜひ読んでみてください。
プロでも指されている戦型ですから、どちらを持っても互角に面白く戦えるでしょう。
▲超速が不利の場合、居飛車が▲超速3七銀にしない変化、
▲4六銀に△4四銀と対抗し相穴熊になる変化も重要になってきますが、もちろん解説されています。
第2章は▲5八金右超急戦ですが、
こちらは第1章のように戦法をゼロから解説しているわけではなく最新形のみの解説となっています。
もっとも▲超急戦は▲超速と違い既存の棋書でも扱われているので、
内容をかぶらせない意味でプラスに働いていると思います。
こちらも現時点での結論は△ゴキゲン中飛車良しということでビックリしました(笑)。
なお後手回避作戦として、
後手が超急戦を回避するために2筋交換に△3二金、5筋の位を取らず△6二玉or△9四歩、
の3つの手法に対して、先手がどうすればいいかが解説されています。
プロでは厳密には損であろうということであまり指されませんが、アマにはありがたいですね。
プロ最前線かつ内容も高度ではありますが、ゴキゲン中飛車党の方は必読、
居飛車党でも超速について知りたい方にはベストの1冊でしょう。
たとえ結論が変わった数年後でも基本から確認できるであろう本書、文句なしのオススメです。
非常にレベルの高かった本書、中村太地五段の次回作にも期待がふくらむところです。
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