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紙の本
東京を歩くにはこの本が一番良いかもしれない
2012/05/26 21:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKテレビ番組『ブラタモリ』を好きでいつも見ているうちに、息子が東京の大学に入学したので、実際に東京へ出向くことが多くなり、どうしてもテレビで見知ったことなどを改めて活字で知りたくなったということや、何より古地図を見るのが面白くて、このところ江戸古地図に関係した本を読んでいる。その中で見つけた1冊がこの本だ。
平凡社のビジュアル本のシリーズで、江戸古地図と現在の地図が並べられていたり、いくつか建物などの写真も収められていて、それだけでも十分楽しめる。
だが、この本はやはり、池波正太郎の本だった。
古地図や写真の面白さよりも、ずっと池波正太郎の文章がいい。もちろん池波氏自身が江戸時代に生きていたわけではないが、昭和初期から太平洋戦争前後の彼の記憶にある東京を懐かしみつつ、現在(と言っても文章が書かれたのは70年代だと思われるが)の東京の変貌を嘆いており、その文章が何ともいえず粋なのだ。
文章は大きく「第1章 回想の下町」と「第2章 山手懐旧」からなる。
主に隅田川沿い、深川など下町のあたりは、池波氏の暮らした町だ。氏自身が生活していた場なので、思い出も多くはっきりとしている。
一方山手となる上野などのあたりも、池波氏が親しんだ町だ。
どちらも池波氏が親しみを感じている頃にはまだ江戸の雰囲気がかなり残っていたようだ。そして、そこから氏のいくつかの作品のフレーズが出てくると、もうあの小説世界に入ってしまったかのようになってしまう。
江戸古地図に関連した本はどれも面白いが、一方でやや単調な感じもしていた。だが、この本は文章に魅入ってしまうところが他の本と違うところだし、そこがやはり池波正太郎なのだろう。
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