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犯人がすべての出来事を影から見ていたし、操っていたという事実が何とも言えない。
そして犯人は誰だろと必死になって読み耽っていたのに、犯人に嘲笑われる感じがまたたまりません(笑)
卑猥な表現が多いですが、まぁわたしは許容範囲内でした。
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著名な造園家がホテルの一室で死んでいた。
自殺と思われたが妻は他殺を疑い、調査のため、様々な人物に奇妙な依頼をする。
依頼を受けた人物が、入れ替わりながらそれぞれ一人称で語る形で物語は進んでいく。
訳が素晴らしく、誰が今語り手なのかはすぐに分かるが、依頼内容も登場人物同志の繋がりも、読み進めていて結論に向かっているような気がしなかった。
ラスト、ページも残りわずかになってやっと物語は加速して、全てがつながって終わる。
物語の構成が面白かった。推理小説としては奇妙な読後感。
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20120212読了
もっと庭園庭園してるのかと思ってたのでちょっと期待はずれ。
でも面白くはありました。
語り手が次々と交代して行き、増えて行き、また戻り、となるのでひきこまれすぎはしないんだけど、誰?さっきの人はどうなるの?とぐいぐい読んでしまいました。
一応の解決もあったけど、解決らしくはなく、謎が残る。
どれが本当のことなのかと。
そのもどかしさがたまらない、わけだけれども。
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ロンドンのホテルで発見された高名な造園家の死体。美しい未亡人は彼の死の真相を探ろうと調査を開始するのだが……。
変な話だねぇw。次から次へと現れるどこかズレたキャラクターたちの語りが錯綜し、物語の着地点がなかなか見えてこない……。このモヤモヤとした酩酊感がタマラナイ♪。
最終的に与えられる一応の”解決”よりも、そこに至るまでの過程が楽しいかな。
性的なイメージや隠喩が頻出するけど、そんなにエロくはないよね。
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美貌の未亡人の奇妙な依頼により、一見何の関係もないと思われた人々が「高名な造園家の死亡事件」の真相調査に巻き込まれていく。造園家は自殺したのか、他殺だったのか?
登場人物が次々と入れ替わりながら各自の視点で語られていく形式で、一人あたり10~20ページぐらいで次の語り手にバトンタッチします。このため、テンポの良い展開と、各自の支離滅裂に思える話がところどころで交差しながら共通のキーワードをちりばめることにより『何か共通の一点(=事件の真相)』を指し示している感じがにじみでていて、それはまるで万華鏡を覗いているように面白い。
そして訳文が良い。語り手が切り替わった途端、まだ登場人物の名前が出てきていないのに、出だし数行の語り口だけで「あ、このキャラに切り替わった」と判る書き分けの素晴らしさ。
メタ・ミステリー、変格、ポストモダン・ミステリー…何と言えば良いのか。このモヤモヤしつつ、ぐいぐい読ませてくれるストーリー。楽しめました。
(いわゆる、ガチな本格ではないのでそういうの求めている人には向かないかも)
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自殺した男の未亡人に、その氏の真相を突き止めて欲しいと依頼された人々が辿り通衝撃の真相。
ワンアイデアをあれこれ調理して差し出されたような1冊。
これを味わうには自分はまだお子様だ。
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有名な造園家が死体で見つかった。自殺と思われたが未亡人はそれを否定し、彼に関わる人々に調査を依頼する…
依頼された多くの人々の視点で話が展開し、被害者の様々な側面が見えてくる過程は読みやすく面白い。
しかしラストで一同が集められて明らかになる真相は、驚愕というよりちょっと困惑してしまった。作者の意図はわかるし、「装飾庭園〜」という地味なタイトルの意味もそこでわかるのだが、謎解きよりはそこに至る過程の方が楽しかった。
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ポストモダン・ミステリ、ということで。
初めてのジャンルだったのですが、正直人の好き嫌いはあると思います。
かなりの登場人物が出てきますが、全員が等しく重要な役割をもって構成された内容はさすが。
個人的には翻訳がもっと異なる表現を使ってくれたらよかったかなと。直訳のように感じました。ジャンル上わざとなのかもしれませんが。
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1989年発表のメタ・ミステリ。いわゆるポスト・モダン的な文学志向の強い作品に位置付けられており、ミステリとしての水準は端から期待できない。
メディアでも活躍していた中年の造園家ウィズデンがホテルの一室で自殺した。妻のリビーは頑なに他殺を主張。真相を探るために、ホテルの警備責任者や医者、作家やカメラマン、さらには娼婦やウィズデンの愛人の子まで、総勢16人の〝探偵〟が、リビーの依頼を受けて動き出す。この異様な粗筋と、探偵役それぞれが文体を変えた一人称で語っていく設定がユニークだ。だが、幾らでも練り込んで面白いミステリに仕上げられる着想を、まったく生かさないのが〝メタ〟たる所以である。
敢えて無駄に多い登場人物と雑な伏線、一過性の無い構成や役に立たない造園のペダンティズムによって読み手を翻弄。探偵が集合する〝大団円〟と称した結末は、序盤から既に破綻しているカオスの残滓に過ぎず、衝撃ならぬ笑劇的なオチとなっている。初歩的で陳腐な謎解きを堂々と披露されては、本職のミステリ作家らは形無しだろう。真相を知る聞き手が唖然とすることによって物語が完成する、という括りでは、苦笑するしかない。結局はストレートな娯楽小説に飽き足りない文芸ファンに向けたアンチミステリなのだが、読み終えても本を放り投げたりしない大人の読者ならば、存分に楽しみ、本作の珍味を堪能することができるだろう。生憎、私には不味い代物だったが。