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ノイジーラント、ロイズ、プラクテイス、海賊というでかい勢力が伯仲し、ダダーのノルルスカインと”いたずらっ子”ミスチフの影がちらついたⅢから一転、今回はパナストロの辺境惑星パラスの農家、タック・ヴァンディが主人公。零細農家はでかい勢力の争いに無関係なのに翻弄されるような存在のはずだが、彼には積極的に巻き込まれる理由となる秘密があり…。
タックのストーリーと交互に語られるのが、知られざる被展開体の生態、そしてノルルスカインとミスチフの因縁。
…というなんともややこしく濃厚な物語になってきましたが、みんな生き生きとしているので楽しく読めます。タックとザリーカの親子関係、零細農家の助け合い精神など人間ドラマに事欠かない。ミスチフがえらくかわいい。ノルルスカインの経験を通して被展開体とはなんたるかを明かし、宇宙時代の農家の営みを微に入り細を穿って描いてみせた手腕がやっぱり白眉です。
最新の科学的知見がふんだんに盛り込まれているのも濃さを感じさせる一因。「生命は早い」ていうのがちょっと新鮮に響きました。
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小惑星パラスの農夫タックと被展開体ノルルスカインの話の二本立て。この二つの話が交互に語られる。今まで正体不明だった意識体が登場するインパクトが強いため、一時代の話であるタック篇は夢中になるとまではいかなかった。
シリーズも5巻になり、折り返し地点まできた。物語の目指す先が見えた気がする。時代が進んでいって1巻に繋がるのか、更に先へ進むのか、これからが楽しみだ。
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書き急いだのか随分荒っぽいなぁとおもって読んでいたのですが、最後に来て俄然次が早く読みたくなってきました。5巻にして未だ物語の全貌が現れてきたわけではないというのも凄いなぁ。
不思議な知性体の会話は軽過ぎないかという気もするけどやっぱりこのシリーズは読んでいて楽しいです。
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ダダーの正体が明らかになりましたが、でもダダーって「結局何?」って思ってしまいました。私には難しくてイマイチよく分からないって感じです。
5巻まで進んできましたが、話が壮大すぎて良く理解出来ないという感じも出てきました。その分最終的にどういうオチになるのかが楽しみな感じでもあります。
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毎回楽しみにしている全10巻シリーズの5巻目!
今回はタック・ヴァンディの農園編とダダーのノルルスカインの誕生から今に至るまでの断章からなる巻。
メインベルトにある小惑星パラスで農業を営むタックと娘の家族愛の話―どうしてここに挟まるのか断章のノルルスカインの話。
これが読んでいくうちに不思議とリンクしてくるからすごい!!w
冥王斑、ドロテア、因縁・・たくさんのなぞが紐解かれている反面、宇宙農園というSFらしい要素も満載で、どっちの話をメインに読んでもとっても楽しい内容でした!
でもこの順番では位置されているのにはやはり意味があって、どちらかを先走って読みたくなる気持ちは抑えて、順番に読んだらいいかなと思います(´∀`)
そして難しい脳科学やら神経系やら・・なんとも実態がつかめないもの云々をこんなに魅力的に語って引き込んでくれる小川一水の文章力に魅せられました・・・
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小川一水「天冥の標5」読了。今年最後に読んだ小説が2011年ベストとか、こんなこともあるんやねぇ。科学的な知識は全然持っていないので、理解しきれない部分は多々ある。が、とにかく桁外れな物語の壮大さに、ただただ圧倒されるのだ。「時間封鎖」を超えるスケールの大きさ!
まず驚いたのが、被展開体であるノルルスカインが生まれる過程のお話。このエピソードの面白いこと!ある意味では神につながるお話とも言える。そして、こういう存在が実在するんじゃないかと思わせるような説得力があり、純粋にワクワクするのだ。
そして、オムニフロラによる「覇権戦略」の不気味さとあまりの壮大さに、完全にノックアウトされたのだった。太陽系どころではなく、銀河単位、もはや全宇宙単位で繰り広げられる「覇権戦略」。そのマクロな視点と同時に展開される、未来の人類のお話。それがしっかりリンクしてきている。
1-5巻、それぞれの巻で様々なエピソードが展開されているが、シリーズの核心に迫る5巻の面白さはちょっと他を圧倒する。全10巻のシリーズと言うことで手を出しづらいと感じている方は、ぜひこの5巻だけでも読んでもらいたい。あまりのスケールの大きさに圧倒されるはず!
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全 10 巻が予定されているシリーズの第 5 巻。
1 、2 巻が面白く期待をしたが、
3 巻のアニメ臭に閉口し、
4 巻ではエロ一色に大きく気分が落ち込んだ。
ところが一転、今作は素晴らしい出来栄え。
作者小川一水氏はよくわからん人だ。
ズズズッと今までの作品との繋がりが見えてきて、
大きく意味を持つ巻になっている。
交互に 2 つの話が進む章配置も、
それぞれに面白く惹きつけられた。
第 6 巻が待ち遠しい。
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シリーズ5巻。前巻の大暴走から一転、まともなストーリー。
1巻の謎が少しずつ解明されていってる。
今回は謎の人物(?)ノルルスカインの正体が明らかになります。
宇宙に忍び寄る侵略生命体と、善ではないノルルスカイン、
何も知らず作物を育てて生きる人類たちの物語。
読み終わったあとの、本の帯にある煽り文句にやられます。
「どんな種も絶滅させないから。」
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10巻続くという、壮大なSF
1章から2章に飛ぶときの衝撃が大きすぎて、
何を軸に据えて描く話かわからなかったのだけれど、どんでん返しがないのであれば、かなり敵が見えてきた感。
お話は宇宙開拓農民と、珊瑚虫の神様のエピソードが交互に語られ、バラバラなものと見えていたのが、だんだん意味を重ねていく非常に高度な構成。
昔読んだ「導きの星」を思い出す。
太陽系に出ていった地球人がどのように苦労し続けているのか、これまで謎の多かったダダーとは何か、最後に据えられる敵は一体何か。
ここまでこんな世界を展開したことを考えれば、あと5巻でまたかなり遠くまでいけることだろう。
まずは、楽しみだ。
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たぶん、これ一冊だけ読んだ人は(そんな人いないと思うけど)何のことかわからないと思うんだろうな、というシリーズ中盤のネタばらし編。加えて、もちろん、続きがよみたくなるような仕掛けもしてあるし、こういう大長編は勢いじゃ書けないことがよく分かります。
思わず、以前の巻を読み返したくなるという副作用つき。4巻目でも、1巻目を読み返したくなりましたが、今回は全部。ここまで判った世界観をベースに、何か見落としてた仕掛けが有ったんじゃないか?という思いに囚われてしまいます。
ネタバレですが、直前にプランク・ダイブなんかを読んでたのは、なにかの巡り合わせですかね?という感じ。
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今回はちょっと地味。
前巻がエロエロ、ロリロリ、アーッッだったけど、今回は泥泥です。
ノルルスカインが間抜けで可愛い。
冥王斑の犯人らしき奴らも出てきます。
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これは面白かった。
そろそろいろいろ散らばっていてわけのわからなかったピースが、形になりつつある様な感じになってきた。ダダーとミスチフね...。
今回の構成は、時間軸通りでないため章立てが特殊な形になっている。この作者は「時砂の王」でもこういう書き方をしているが、こういう複数の時間軸を扱う話を書くのが得意なのだろうか。こういう章立ては、自分としてはアイザック・アシモフの「神々自身」という作品で初めて見たが、面白いやり方だと思う。
話は二つの主題があるが、タックの苦悩から希望へと変わる展開、過去に扱った武器がしっくり来なくなって、農作業に生きる人間になっていく過程がとても良かったと思う。
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1月26日読了。図書館。シリーズを通しては酸素いらずの人たちが好きだけど、この巻ではアニーがよかった。また出てくるかな?
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読む楽しさではここまででシリーズ最高の出来かと。宇宙規模の脅威と相対しながら無数の文明の興亡を見守り続けるどこか間抜けで愛らしいノルルスカインと、何も知らず懸命に作物をつくる人間たち、全くスケールの異なる二つの軸から構成される物語。わくわくしながら読みました
太陽系の小惑星でひたむきに農業を営む農民タックと反抗期の娘との絆の話は心温まるいい話でした。品種改良、遺伝子組換え、生態系保全といった農業テクノロジーや環境科学の話題がふんだんに盛り込まれ、これもまた楽しい。
一方、タックの物語と交互に語られる断章では、ついに被展開体ノルルスカインの正体が明らかに。地球から遠く離れた惑星で意識が芽生え、宇宙に広がり、太陽系に辿り着くまでが壮大なスケールで描かれます。成長日記みたいなものですがこれがとんでもなく面白い。
そして、冥王斑の元凶たる「敵」の存在も、ようやくその姿が明確になってきました。直接的には明示されないものの、一般農民の生活にまで関わってきているようで、いったいどこまでその手はのびているのか。
10巻予定中の5巻、折返し地点で、ようやく未来の1巻へとつながるベースになる情報がそろってきたところでしょうか。これからも目が離せません。
ところで、これを読んで進化や生態学、生命科学、さらには宇宙工学から人工知能まで、様々な分野の科学に興味もつ人がきっといるんでないかなと。シリーズ未読の人でもこの巻だけ勧めるのもありかと思ってしまったほど。
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前巻に比べて、ワクワクする瞬間が多かった気がする。
読み始める前は、中だるみ感があるのかなと思っていたけど、それは無かった。
次にさらに期待。