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週間STの映画紹介に出ていて映画で観てきた。あまりこの事実を知らなかったので、衝撃。この潰された事実により、戦争で何人の命が犠牲になったのか。
このような権力と闘う系のお話が結構好き。しかも実話ときたもんだ。
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小説のごとくスラスラと読めてしまうが、読後感はなかなか重い本。黒く塗りつぶされている箇所が読めなくても十分面白いが、そこを読んでみたいとも思ってしまう。しかし原著では付録として黒線部分を推測させる情報が添付されているようで、それなら邦訳にもつけてほしかった。おもしろかったのは、CIAが日本のオウム事件を予測できなかったことでヒラリー長官から叱責された、という部分。そんな他国のことにまで手を回せないと叱られる組織であるとは、さすがCIAだと思った。
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組織は組織のためにあるんだ、やっぱり、と思う。組織の利益のためには事実を曲げるし、個人も貶める。権威あるものこそ。
CIAがいかに頼りにならないか、つまり、アメリカ政府もいかに頼りにならないか、「CIA秘録」でもじっくり知ることができたけれど、今回も同様に。けれど、それよりさらに頼りにならない政府を戴く情けなさも感じ。そして、今の東電にも思い至らせ。
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アメリカの元外交官の夫が米政府にとって都合の悪い言動を行い、その報復として妻がCIAの秘密工作員であることを暴露されたプレイム事件。
本書はこの事件でブッシュ・ジュニア政権のターゲットにされた妻・ヴァレリー・プレイム・ウィルソンが執筆したものです。
既に本書を原作とした映画が制作されており、余り話題にはならなかった様ですが日本でも公開済みです。
私は少し前にこの映画の方を観たのですが、原作は映画とは違ってヴァレリー・プレイム・ウィルソンのCIA新人時代の事や双子を授かった時に苦しんだ産後うつの事、子育てしながらパートタイムCIA局員として職場復帰した事等、一人のワーキングマザーとしての苦労も描かれており、映画を観た方でも読む価値は十分にあるのではないかと思います。
では、前置きはこの位にして以下で簡単に内容紹介。
冒頭、著者がCIAに入局した当時に受けた軍事訓練の内容に触れ、その訓練により大きな自信を得た事が描かれており、その後、
・秘密工作員としての活動内容
・夫との出会い
・双子の出産の喜びとその後の彼女を襲った産後うつの苦しみ
・夫による真実の暴露
・大統領選に連動するかの様な右翼からの攻撃
・夫婦の危機
・夫の仕事に対する妨害
・そして彼女たちの反撃
等が描かれています。
本書を読んで特に気になった点を書きだすと
・職務に忠実でCIAに従順だった彼女の振る舞いが、夫が攻撃され苦しんでいる時、彼を見捨てる結果につながった。
・脅迫により脅かされた双子の身を案じる母としての姿。
・プレイム事件の真実が明らかになった後にも、執拗に個人攻撃が仕掛けられた。
・ブッシュ政権の幹部たちがイラク大量破壊兵器疑惑の根拠としてあげた様々な事柄が、既に否定されていた。
・著者は、否定されたはずの事を肯定する政権幹部の姿をテレビで見て急に気分が悪くなるものの、上層部は自分が知らないことを知っているのだろうと思い彼らを信じようとした。
・地理的条件により分けられ、セクショナリズムに染まっていたCIA内部が、通信手段の高度化により本部と現地工作員が直接連絡を取れるようになると徐々に変わっていった。
・夫による真相暴露の後、ブッシュ政権がポーター・J・ゴスをCIA長官として送り込み、CIAの締め付けを行った所、それに反発した経験豊かなCIA幹部たちが大量に職場を去った。
と言った点でしょうか。
特に、
彼女たちにかけられた"売名行為"の疑いが晴れたに後にも、有力ジャーナリストやその他の著名人達が虚偽に基づき繰り返し夫婦を糾弾し続け、彼らの信頼度を貶めようとした事が印象的でした。
本書で(確か2回ほど)引用があったジョージ・オーウェルの
「世界的偽りのとき、真実を口にするのは革命的な行為になる」
と言う言葉が全てを要約しているかの様な本書。
3.11以降の日本の姿を見るに連れ、この言葉はアメリカだけに当てはまるものではないと思いながら読了。
#尚、本書を読むと直ぐに���かりますが、CIAの検閲が入って黒く塗りつぶされている箇所が多数あります。
#中にはほぼ1ページ全て塗りつぶされている所もあります。(まあ、これに関しては書籍化する際の1ページあたりの文字数により変わってきますが)
#しかし、検閲の激しさは十分に伝わってくるのではないでしょうか。