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人里離れた草庵に一人暮らす遼慶。ある日、山を越えてやってきた男と出会い、庵に誘う。彼が語ったのは、対馬に生まれ、南宋で商人に学び、蒙古の襲撃を受け、彼らの手先となって再び日本に帰ってきた数奇な人生の物語だったが・・・「異神千夜」
樹海そばの宿屋兼レストランにやってきた団体客。どこか暗い雰囲気の彼らの目的は・・・「風天孔参り」
上京するナツコに憑依したモノ。彼女が語る、彼女が見たものと彼女の過去。そして・・・「森の神、夢に還る」
樹海を隔てる川のこちらに住む大輝。彼が出会った川向うに住む少女。そして金色の鼬のような生き物。二人はそれにルークという名をつけ飼うことにするが・・・「金色の獣、彼方に向かう」
以上の4編の短編集。
恒川さんの作品は久々に読んだけれど、今回も楽しませてもらいました。
ホント毎回裏切られないのですごいです。
淡々と、静かに語られる美しい狂気。
暗い夢をそっと覗きこんだような、ぞわぞわとした感触。
うーん、たまりません。
少しずつ趣を異ならせてはいますが、どの話も印象的でちょっと忘れられないお話ですね。
お気に入りを一つにしぼれない・・・!!
恒川ファン的にも「待ってました!」な一冊になるんじゃないでしょうか~。
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短編集ですが、
繋がっているような気もします。
ファンタジー小説という感じです。
時代もまちまちで舞台もバラバラなようですが
色々、拾っていくと共通点が見えてきます。
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発売日になっても地元の本屋に置いてないからがっかりしていたら梅田にサイン本があった!ラッキー
装丁綺麗だし、帯もキラキラしてる。
そしてサイン可愛い!
4編の短編集だけど、全ての作品に「鼬」が出てきてどこか繋がってる感じ。現実と異世界の境界線に立っているような作品。
好きなのは2作目。最後の手紙の文章が凄く好き。やっぱりこの人の文章はクリアで綺麗。
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★2011年49冊目読了 金色の獣、彼方に向かう 恒川光太郎著 評価B+
短編4編収録
異神千夜
風天孔参り
森の神、夢に還る
金色の獣、彼方に向かう
これまでの恒川らしい、おどろおどろしい雰囲気がただようのは、金色の獣、彼方に向かうでしょうか。それ以外の作品は、何となく軽い雰囲気が漂い、妖しさが感じられない。その点が、評価平均点を下げているのではないでしょうか?
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「夜市」や「秋の牢獄」で感じたせつないような残酷さがありません。
南国に移住したせいですか、、、?
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全てに『鼬』が関係する短編ばかり、でした。
片仮名で『イタチ』と書かれれば、あれか、と思うのですが
漢字一文字で書かれると、なんだっけ? というものあり
妖怪、のような感じがします。
その後がどうなったのかと気になるのは、2つめの『風天』の話です。
レストランを再開するのか、それともただ人として生きていくのか
それとも、あれを探してしまうのか。
寂しい感じはするけれど、きっと楽しいと思えるのは最後にある表題の話。
関わったからなれたのか、それとも素質が双方あったのか。
しかし送られてくる、という事は、それほど遠くに離れていても
きちんと繋がっている、という確かな『もの』があったりで
ある意味幸せではないかと。
やはり、どれもこれも不思議と言うか、淡々としているというか…。
時代背景がまったく分からないようなものばかりです。
何となくわかるようなものはともかく、それ以外は
戦後ちょっとくらい? と思って読んでいました。
結局というか当然というか…。
やはり、全て『妖怪』の分類なのかと…多分
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4編を収録した短編集。「風天孔参り」を除いてはすべて金色の獣に関連する話だが、それぞれの獣は別の個体、別の存在と思われるが、すべて異形の何かという点では共通している。相変わらずよくわからない怪異を描くのが上手い。
どれもそれぞれ安定して面白いけど、初めて?かもしれない時代ものの「異神千夜」が面白かった。
読んでいる途中でようやく装丁がまさしく金色の獣だということに気づいた。近すぎてわからないよ(笑)。
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恒川さんの、ひっそりした闇に取り込まれていくようなホラーが好きなんだけど・・・。
今回は、リーダビリティが強くて、本来ならば歓迎すべき新作、ということになるんでしょうが、その分、恒川色が薄まってしまい、ファンとしては痛し痒し。
「鼬」の質感、存在感が肌に不気味さを感じさせるところはさすがだと思って読みました。でも、もっと不条理的に怖がらせてほしかったです。
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その昔、彼らは選んだ。自由を。深山を。闇を。幽谷を-。稀代の作家が紡ぐ、古より潜む“在らざるもの”たちの物語。表題作を含む全4編を収録。
鼬に似た妖怪?が4篇中3篇に登場する点では薄く繋がった連作短編集。デビュー以来の暗い・冷たい雰囲気は健在で、今回は森が舞台となることが多く、より神秘的な感じが強まった。冒頭の話は元寇という史実が背景だが、従来の恒川作品(全て読んでいる)は時代が曖昧だったので、新境地なのかも。今後も「最小限の言葉で豊かな幻想的イメージを伝える」恒川ワールドに期待する。
(A)
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稀代の物語作家が紡ぐ、古より潜む“在らざるもの”たちの咆哮4編。
傑作ダークファンタジー。
対馬生まれ。韓国の貿易商の養子になり。
通訳候補。博多の大物に会う。
蒙古が来て、貿易商は牢獄、処刑。自分は労役。元寇の為のスパイになるのを条件に出所。博多に偵察。博多の大物に会いに行くが、すでに他界。しかし、元寇の予言していた。誰かが情報を持ってくる。
情報が漏れ食料不足が分かり元は1日で帰った。
スパイの疑いで隊長は首を刎ねられた。次の元寇まで日本で待機。
元の残党はつかまると首を刎ねられた。博多の奥に逃げる。
占い女は密告の任。日本人だとばれたが逃げる手助けを条件に一緒にいることにしたが、奥深い山村の住民を皆殺しをしていたのがわかる。
何とか逃げた。しかし、女の体にもぐりこんだ魔物は生き延び、自分のそばまできていた。
山奥で脱サラで旅館レストラン経営するバツイチ50男。団体に同行していた女、月野優が戻ってきて宿泊。部屋に入ってきた。抱いた。
料理のメニューを増やし人気が出たが、やがて去る。団体のまたきた。
彼らは自殺志願者達。竜巻に順番に飛び込む。案内人は継承される。
月野優がまたくる。告白する。偽名を使っていた。苛めにあい、仕返しで相手を殺し、少年院へ。出所すると家族から見捨てられた。
彼女も竜巻に飛び込む。案内人も飛び込む。男は死ぬ気はなし。
憑依していた女。実際の女が絵を描くと自分が見たことのある風景を書く。気づいたので、自分の本名と馴れ初めを名乗った。震災孤児だった。
ヤクザの金を盗んだ男。その弟分と一緒に逃げた。弟が兄を殺し。
自分も殺された。その後、森の漂っていた。その時、駅にいたのがあなた。あなたのバイト仲間に連れていかれた鼬行者。自分を殺した男。
金色の獣を飼う。やがて獣を通して風景が見えるようになる。
お金持ちの家の女子。実は泥棒の娘。父を殺し死体を埋める相談される
獣を取られた。樹海に入る。獣を籠から出した瞬間、逃げられた。
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圧倒的な存在感のある世界。
神様とか怪異とかがすんなりと生きているような気持ちにさせらる。
わたしは3つめのお話が好き。
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ややホラーめいた、幻想的な短編集。それぞれの短編は別々に読むことも出来るけれど、どこかしら繋がっている気がします。それらに描かれる「金色の獣」は妖怪なのでしょうか、それとも神なのでしょうか。
お気に入りは「森の神、夢に還る」。どこかしら穏やかな心地になれる一編でした。
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昔中国大陸からやって来た『神』にまつわる話。時代をこえて関係していることがわかる。
神は何故日本に住み着いているのか気になった。
現実世界と隣あっている不思議な世界、恒川ワールドが伝わる一冊。
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大好きな恒川光太郎の7冊目の単行本。
収録されているのは、異神千夜/風天孔参り/森の神、夢に還る/金色の獣、彼方に向かう。
最初に収録されている「異神千夜」が一番いい。怪しくて、怖くて、きびきびしていて無駄がない。日本の古典文学で味わえるような生死無常の美意識がた~んと盛り込まれて。読み終わるとしみじみと「今の日本に生まれてよかった」。とホッとするのでした。
次作にも期待してます。
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中編4編。この所ちょっと低迷してた感のあった著者ですけど、今作では恒川ワールド全開。何とも言えない、雰囲気のあるファンタージです。