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紙の本

ユーラシア横断の旅にロシアの愛すべき人たちを見た。

2011/12/25 19:14

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は、2003年7月30日から9月4日にかけて、中古カルディナでロシアを横断してロカ岬までを走破した旅の記録である。
 東京から富山伏木港まで日本を縦断し、ウラジオストクからサンクト・ペテルブルグまでロシアを横断、フェリーでドイツに入り、そこからロカ岬まで南下した。
 この旅に同行したのは、カメラマンの田丸氏とロシア人通訳の二人。

 本書はロシア横断の旅が中心に描かれている。
 無愛想な接客のサービス業、ワイロ警官、フレンドリーな中古車ブローカー。
 日本ではまず見られないクセのありそうな彼らが、なぜだか愛すべき存在のように思えてくる。
 この気持ちは、その国を通過し回想する旅ならではの感慨なのかもしれない。
 それだけに『旅の記録』的な内容と、東から西への人々の生活や性質の変化、人々との積極的な交流の様子が少なかったのは残念だった。

 そんな中で強く印象に残ったのは、ワイロ警官と、ソ連時代が暮らしやすかったという声だろう。
 ここのワイロ警官たちは、どうも憎めない。
 直接要求する者、切符を切るけどいいかと遠回しに要求する者、シリアスに交通違反を取り締まる演技をする者。
 そのあげくオイルメーカーなどのステッカーで納得し、著者たちと記念撮影までしてしまうのだから。

 ソ連時代が暮らしやすかったというのは、同行した通訳のイーゴリさんのご両親の言葉だ。
「ソ連時代には泥棒なんていなかった。この辺でも、隣町に行くのにバスに乗り遅れると、知らない人にヒッチハイクをして乗せていってもらうのが当たり前だった。乗せる方だって快く乗せていたんだ。他人を疑わなくても生きていけた。それがロシアになって人の物を盗む連中が出てきた。私たちが住んでいる辺りにだっているから、油断できない」
 なるほど自由の少ない社会主義も、片田舎で平和に暮らす人々には安心感のあるものだったんだ。

 一方、旅はというと、車のトラブルや、極悪路を避けて急遽シベリア鉄道に車を乗せたり、現地情報でドイツ入りをサンクト・ペテルブルグからのフェリーに変更したり、旅の思わぬ予定変更が楽しめる。
 やっぱり計画通りの旅日記を読んでも面白くない!

 ユーラシア横断を堪能できた本書だが、いくつか残念だった点もある。
 旅の臨場感が薄いこと。
 日付がしっかりと記述されていないこと。
 掲載の写真の位置に少々難があること。
 とくにロカ岬到着の写真が、ロシアを離れた章の終わりに掲載されていたのには、興がそがれてしまった。

 * * *
 この旅で著者は、旅の様子をWEB CG(カーグラフィック)に準リアルタイムでアップしていた。
 しかしロシアの通信事情によってリアルタイムとはならなかったそうだ。
 著者は、iPadと衛星電話があったなら、グーグルマップスなどでもう少しマシな道を探せ、記事をリアルタイムでアップできたかもしれず、どれだけ助かったことだろう、と述懐している。

 そんな著者の思いを汲み取ったわけではないが、著者たちが通過したポイントを本書の内容に沿ってGoogle Mapsにマッピングしてみた。
 この作業は本書の追体験をしているようで、なかなか楽しかった。

 ■「ユーラシア電送日記」再録|WEB CG(カーグラフィック)
 これが準リアルタイムでウェブにアップされた旅日記。

 ■「ユーラシア横断1万5000キロ―練馬ナンバーで目指した西の果て」旅の動画|著者・金子金子浩久さんのオフィシャルサイト
 20個ほど旅の動画が公開されている。
 その中でも、同行の通訳イーゴリさんと生まれたばかりの娘の初対面が微笑ましい。
 イーゴリさんは東京外国語大学の留学生で、日本に来ているときに娘が生まれたそうだ。
 娘をどうやって抱いたらいいか、抱える形を色々と変えてみるイーゴリさんの様子が初々しく、本書ではもっとその様子を描いて欲しかった。

 ※通過ポイントのGoogle Maps、「ユーラシア電送日記」再録、著者のオフィシャルサイトは、私のブログにリンクがありますので、そちらからご覧下さい。

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