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表紙絵のダグの弓は違うと思う。
どっちかっちゅーと弓銃みたいな形状のコンパクトな奴だと思う。
右手でひかないと、どうやって次の弓をつがえるんだね?
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「死者の短剣」
出自の違いを超えて結ばれたフォーンとダグ。だがふたりの結婚は、ダグの一族である湖の民にどうしても受け容れてもらえなかった。ダグはふたつの民族の架け橋になりたいと考え、フォーンと共に再び旅立つ。ふたりきりの旅だったはずが・・・。
このあらすじから分かるように「死者の短剣」は続編(3作目)になります。この物語の軸は異なる民族同士の分かり合いです。一見表紙を見た時は冒険小説だと思っていたため、「死者の短剣」が異民族間、それも湖の民と地の民というファンタジー要素を含んだもの、を軸とした物語と知り、驚きました。さらに要素としてはファンタジーに加えて、恋愛要素(ダグとフォーンは大分大人。ということで大人の恋愛模様)も含まれ、なかなかの陣容。
そんな「死者の短剣」を読んで感じたこととしては、著者は異民族間の関係性をかなり重要視しているということです。湖の民と地の民の民族は、その先祖や生活習慣、能力差などから長年間互いに深い確執を抱き続けています(ここをより理解するには前巻を読む必要を痛感)。そんな確執をダグとフォーン2人が解消していくことになりますが、その過程が上巻全てを使って書かれていました(下巻は上巻からの話の展開が拡張されています)。このように異民族間の相互理解を軸としながら話は進んでいきます。ここにファンタジー要素もしっかり絡むので、ファンタジー小説としても味わえます。
そしてダグとフォーンの主役二人に「死者の短剣」ではフォーンの兄・フィットが出てきます。どうやらフィットはダグやフォーンとは違う視点を持つ人物のようでした。上巻ではフィットはあまりダグに良い印象を持っていない、というか湖の民に対して、ようでしたが、途中から少しずつ態度を変えていきます。
またファンタジー要素の大部分を担う湖の能力は強力です。地の民を惑わす力を持つという設定が互いの民族間に大きな影響を与えているところがまた民族間の相互理解を妨げているが、しかし改善させることも出来る。こういうファンタジー要素をしっかり異民族間の関係性という軸に絡ませています。
さて「死者の短剣」だけでもつかめる部分はあるけれど、軸が異民族間の理解と共存である為に、ダグとフォーンの最初の出会いのところを知らないと、どうもしっくり来ません。ということで前に戻らないといけないですw
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死者の短剣シリーズ3作目「旅路」。
う~ん、楽しい!
特に前半は。
河を下る船に乗りこんだ若者達がちょびっと成長する冒険ものなんですよ。
背景にある深刻な事情が、後半クライマックスになることは、予測できるんですが。
地の民の娘フォーンが家出して、湖(うみ)の民の中年男性ダグと出合って恋に落ち、結婚。
二つの民の結婚は例がなく、特に湖の民にとっては到底認められないものだった‥
地の民とは小柄で、農民や商人の子孫。
湖の民とは大昔の貴族の末裔で、長身で寿命も長く、何よりもテレパシーのような特殊能力があった。
近くにある生命体の位置や気配を感知する能力を磨いて「悪鬼」と戦うことが使命で、すぐ移動できるように天幕で暮らしているため、家庭的な雰囲気はあまりない。
1作目でフォーンの実家で、農家の暮らしが紹介され、曲がりなりにも結婚は認められたのだが。
2作目の湖の民のほうが状況が厳しく、それというのも、テレパシーをつかえず自分の「基礎」を閉じておくことも出来ない地の民は、湖の民から見れば泣きわめく赤子も同然の異種族だったのだ。
基礎というのは、オーラのようでもあり感情を含めたその人の生命そのものという感じでしょうか。
歴戦の勇士で中隊長だったダグには、大きな期待もかけられていたのです。
ダグに見えるフォーンの「基礎」は美しく光り輝いているため「スパーク(火花)」と愛称で呼んでいるのですが。
新婚夫婦は実の兄に訴えられて、村を出ることになったのでした。
実家に寄ったところ、すぐ上の兄のフィットがついてきてしまい、荒っぽい兄達にいじめられて育ったフォーンは不安を隠せない。
村の家では長兄が嫁を取り、フィットも居場所をなくしていて、見たことのない世界に出てみたがったのだ。
フィットはいまだに悪気なく妹を軽視する傾向があることにダグは気づいていたが、さまざまな出来事の過程で、しだいに見直さざるを得なくなるのよ。やったね。
まだ18のフォーンの賢さにダグすら感心するんですもの。
フォーンは若い女船長ベリー・クリアクリークに出会って、意気投合。
女が船長になるのが認められている世界ではなく、父と兄と婚約者が行方不明になって戻らないため、やむを得ず伯父と弟を従えて新しい平底船で探しに来たという深い事情があった。
ベリーは子供の頃から父の船に同乗していた変り種で、バイオリンを弾く娘として界隈の船乗りに知られてはいた。
そのベリーに、フィットはどうやら一目ぼれ?
ダグは自らの能力を戦いではなく医療に役立てたいと考える。
地の民を治療することも出来るのではと説明を試みるが、それは掟破りなことだった。
ダグを追ってやって来た湖の民の若者も、まずは船の漕ぎ手として働くことに。
次々に舞い込む世間知らずな若い男達もみっちり絞られて、成長していくのです。
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