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紙の本

この本の生まれた背景をお伝えします。

2012/02/05 19:16

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は私の家族です。私は、この本に関して、私設編集者を自称しています。公設の編集者はちゃんといますので、まあ自己満足という感じなのですが。一応、著者の許可を得て、書評に残すことにしました。それって書評じゃないだろうと、どうかおっしゃらず。こんなチャンスは、一生のうちに一度あるかないかなので、こぼれ話としてお読みいただければ幸いです。製本までに、ラフチェック(小説でいうところのゲラに相当すると思います)、著者プロフィールの作成、色校正、帯確認とありました。そんな流れも新鮮でした。大きい図書館には寄贈されているみたいですので、よかったら読んでやって下さい。入っていなければ、リクエストして頂けると、多分bk1さんに注文が入るような気が・・・おっと、営業が過ぎました。

 あらすじです。あやは小学生の女の子です。疎開した田舎の家に、おばあちゃんがいました。ある時、おかいこさんを始めようかねと、誘われます。あやは、初めて見るかいこを愛おしく思い、世話をします。一匹、成長の遅いかいこがいました。あやは、ユキと名付けて大事にします。ユキもゆっくりと大きくなって、繭を作り、静かになります。その夜、あやは不思議な夢を見ます。白い壁に囲まれた小さな部屋。その中で、女の子とあや取りをします。楽しかったね。わたしたち、いつかきっとまた会えるよ。女の子の言葉を残して夢は終わります。あやは二十歳でお嫁さんになりました。白無垢の花嫁衣装に包まれ、昔、同じようなことがあったということを、ちょっとだけ思い出すのでした。

 こぼれ話です。小学校の教育活動の一環で、かいこを飼うことになりました。娘は、幼稚園の頃から生き物が何よりも好きで、とても興奮しているみたいでした。先生に桑の葉を教えてもらい、生えているところを聞いて採りに行きました。娘は、桑の葉がなくならないか、いつも気になっていたようです。かいこは虫かごに入れられ、八班それぞれにお世話を任されました。ひと班あたりの人数は四人です。土日は、誰かがお世話をします。順番なので、本当は一カ月に一回しか当番にならないはずですが、自分から申し出たのか、娘は何回もかいこを連れ帰ってきました。かいこは日に日に大きくなりますし、食欲もすごいんですね。私も初めて知りました。娘の班の虫かごは、我が家で提供しました。途中で大きい虫かごに替えました。狭そうだったですし、そうすることで、何よりも娘が幸せそうだったので。かいこはどんどん大きくなり、ついに繭を作る時になりました。まぶしという、井桁の仕切りにかいこを入れると、繭を作っていくのです。
 そして先生は、子どもたちに大事な相談をします。繭から、絹糸を取るか、かいこ蛾にしてあげるか。絹糸を取るということは、かいこを死なせてしまうということです。お湯で煮るのです。その日、娘は家に帰ってくると、きょう学校で泣いちゃった、と教えてくれました。娘は、せっかくここまで大きくなったのに、まだ繭の中で生きているのに、死なせちゃうなんていやだと思ったのでしょう。他の子どもたちは、かいこ蛾になっても、すぐに交尾をして卵を産んで死んじゃうだけだから、絹糸にして一緒にいてあげようという意見でした。多数決の結果、絹糸を取ることになりました。でも娘の班の子たちは、娘の気持ちを汲んでくれたそうです。結局、数匹だけかいこ蛾にして、あとは絹糸と繭のストラップになりました。

 このお話はフィクションですが、娘の気持ちが詰まっていると思うのです。舞台は話が自然になるように作られたものですが、何よりもこの気持ちが伝わることが大事です。下読みから関わりましたけれど、心のどこかでそんな気持ちでチェックを入れたのでしょう。出来上がった本を見ると、著者でもない私ですら、とても不思議な気がします。心の中で渦巻いているものが、本という形になると、そこで新たな命が入るように思います。この距離感は、なにものにも変えがたい経験です。書評を書くということも、本質的には同じことなのかもしれませんね。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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