紙の本
こんな人生は嫌だ
2017/07/17 15:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
薫衣みたいな人生は勘弁して欲しい。これが第一の感想。彼と その身近な人たちばかりが悲しい目にあっているのは読んでいて辛い。しかも敢えて汚名をかぶっての最後だし。疲れました。
投稿元:
レビューを見る
ただ「為すべきことを為す」ために共闘を図る彼らの物語、久々に読み終わるのが惜しかった。
歴史書のような語りにも関わらず、彼の人が悲しいと辛く、安堵すればホッとするような読み心地で、まるでその場で見ているような臨場感。
読み終わりとともにひとつの時代を見送った、そんな気分。
投稿元:
レビューを見る
【読了レビュー】小事に囚われずに、大事を成す。2人の王の壮絶な生き様を描いた傑作。
ファンタジーでありながら、ものすごくリアルに感じてしまうのは、世界や人物の描写の的確さや緻密さからか。
よくこれだけのボリュームの中に、こんなに壮大なスペクタクルを凝縮できたな、と感じた。
素晴らしいの一言に尽きる。
とても面白かった!
投稿元:
レビューを見る
架空の世界を舞台にしたファンタジーだが、魔法のようなものは一切出てこない。語られているのは指導者たる人間たちの苦悩。
戦いの場面もあるが、あくまでも淡々とした静かで、熱い物語だった。
主人公の二人は、性格も立場も全く異なりながら、どちらも深い。その中で薫衣の妻や子供たちへの情愛には暖かさを感じた。
ただ人名、地名は、作者の思い入れもあるだろうが非常に読みづらく、却って印象に残り難い点が残念。
投稿元:
レビューを見る
ストーリーは面白かった。
舞台自体は古代の日本(もしくは中国を孤島にしたような国)を思わせる異世界だけど、魔法のないファンタジー。
「なすべきことをなす」ことを考えて二人の王が生きていく様は読んでいて本当にうまくできていると思った。
私はどちらの王も好き。
ただ、他の人も書いているように人名が読みづらかったこと、「現代で言うと」といった表現やがちらほら見られたことは残念。
人名や地名は古代をとことん意識したものだったから、地の文章でもそれを貫いてほしかった。
こういう(歴史)ファンタジー小説は世界観にどっぷりはまれるかどうかが一つのカギだと思うが、そういう意味では少し物足りなかった。
もっとも、読む前の時点で☆の数を見てしまっていたぶん期待値が高すぎたのかもしれないなあとは思う。
次は『瞳の中の大河』を読んでみようかな。
他の沢村作品への期待を込めて、実質☆4.3くらい。
投稿元:
レビューを見る
ファンタジーに慣れしていないせいか、
緻密に創られた世界観に圧倒されっぱなしだった。
地を分けたものの争いや共闘、
敵国の襲来などから、はじめた鎌倉時代を下地にしていると考えていた。
しかし、それとも違う。
実際にどこかにありそうで、でもどこにもない。
それがファンタジーと言われてしまえば、それまでだけど。
さすが大人のファンタジーと帯に書かせるだけの物語が、
ここにはある。
投稿元:
レビューを見る
人物描写と世界観の作りがうまくて引き込まれる。全体に濃度が濃くて、大河の要約を読んでいるようで、読み進めるのがもったいない感を感じた。
せっかく作り込まれた話、より大河により長大に作ることだってできそうだし、そうしたらもっと深く長く、登場人物たちの物語を感じられたのじゃないかなと思っております。
投稿元:
レビューを見る
魔法とかは出てこないファンタジー。感動した。すぐに友達にも勧めた。涙があふれてきた。すごいよ。心が揺さぶられた。
投稿元:
レビューを見る
初めての沢村 凜さんの作品。
ファンタジー作品の流れで読み始めた作品。実際にはファンタジー要素よりも2人の王の伝記という感じ。時代が違っても舞台が違ってもこの作品の面白さは損なわれない気がする。
2人の王が持つそれぞれの特質は全然違うが(違うからこそ?)、お互いのことをより理解していく。そこに至るまでの道のりは非常に長い。ちなみにどちらかの特質が手に入れられるとすればヒヅチが欲しい。緻密な計算と小さな対策を積み重ねていける特質は現代社会でも必ず役に立つと思う。
一番驚いたのは話の終わり方。この終わり方は切ないような清々しいような何とも言えないものになっている。ちなみ最後も含めて泣き所は3か所あった。残り2つは
・父親がオウカ頭領で自分は好いてもらえないと知った時の鶲
・ニオの夫への想いが伝わるとき
ですかね。
投稿元:
レビューを見る
かなり面白かった。決してファンタジーと侮るなかれ。人の世の制約の中で、どうやって流れを変えていくか。派手な戦闘はなくても非常に引き込まれます。
僕も迪師の教えを僕も受けたかったなぁ。
投稿元:
レビューを見る
二つの敵対する王家、長たる王が何をなすべきか先を見据えて動いたらどうなるか。
真の目的は何かを見極めて、それを成し遂げようとしたときに理解者がいなかったら?
貫ける意志の強さってのは得難いものなんだろう。
投稿元:
レビューを見る
大陸から離れた島国の支配をかけて争い続けてきた二つの一族。それぞれの二人の王は平和な世の中を作ろうと互いに協力しあうことを選んだ。しかしその道厳しく―――
これは、どう表現すれば良いのか分かりません。ファンタジーですが、ファンタジーには珍しく常に一歩引いた視点での語り口で、私には主人公の気持ちが最後までよく分からず、感情移入出来なかったので物凄く不安な気持ちのまま読み進むことに。
ただ、読後『何だか物凄く過激なものを読んだ気がする……』という思いが残りました。
結局、王とは何なのだろう。や、賢王政治は愚民政治に勝るのかとか、人に認められなくとも自分で自分を誇ることの難しさなど、読後考えることは沢山ありました。
私の処理能力が足りませんでした。いつか再読したい作品。
投稿元:
レビューを見る
面白い。
魔法の無いファンタジー。
たた、結構入り込めるのだけど、物語が重いのと固有名詞が漢字で突然出て来たりするので、なかなか読み進められないのが難。
投稿元:
レビューを見る
二人の葛藤に苦しくなりながらも、迪く者の気高い魂に、自分もこうありたいと思いながら読んだ。
自分たちの出自で定められていたはずの歴史の流れを変えた者、それを囲む者たちが魅力的で、緻密な世界観も読みごたえがあった。
ラストの展開が早かったが、歴史というのはそういうものなのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
たとえノンフィクションでも、フィクションでも、「人の心は、変わらない」。架空の国の、架空の人々のお話だけれど、人間の深さを思い知る。他人は、自分の価値観でははかれないと、思い知る。
互いに憎みあい、殺しあっていた二つの血が、何度困難に踏みつけられても、運命を呪っても、たった一つの「なすべきこと」に向かっていくお話。
読み終わるのがもったいない、でも読みたい、でも・・・と引きこまれた久々の作品。すごかった。面白かった。本当に良かった!