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1/29読了。
優しい小説なのかもしれないけれど、特に何も残らず。
この著者の作品はたぶん、「モルヒネ」を含めて数冊は読んでいるはずだが、あらすじを見てもよく思い出せない。そのくらい、個人的には毒にも薬にもならないものなのかも。
…っていうとひどい言い方だけれど、読んでいる間の高揚感は適度にあるし、読後感も決して悪くない。文章も秀逸だと思うし、設定や登場人物も面白い。
ただ、何かが残らないのは、(他の作品は覚えていないのでなんとも言えないが、この作品について言うなれば)最後に大きな展開もなく、衝撃的なことも少なく、ちょっと変わった人の日常を覗いたのかな、みたいな、フィクションの世界のことなのになんとなく普遍的に感じる物語(または文章)だからなのかも。
江国香織もそういう雰囲気はあるが、でもやはりどこかが違う(個人的には特に結婚前の江国作品が好き)ような…。
ま、読むだけの人間がえらそうに語るのは簡単ですがw
エンタメや恋愛小説としては分からないけれど、優しい女性の物語が読みたいのならば、お勧めできる一冊であると思う。
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前作モルヒネ同様、生と死という究極のテーマのなかに独特の愛を漂わせています。
静かな静かな…まるで流れる川を見ているような気分です。
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地球儀をぐるぐるまわして、ボーっと眺めたくなる、そんな小説。
人はみんな、現実と幻想のあわいで生きてる
そうだなぁ・・・と思った。
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何故か弱いんだ、この人の文章は。
悲しくも何ともないくだりで、いつも涙ぐんでしまう。
何故だろう。
もちろん胸を締め付けられるような清冽な痛み漂う文章も、この人の持ち味なんだけど。
この人の紡ぐ言葉に、織りなす世界に、私の涙腺を刺激する何かが潜んでいるらしい。
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死んでしまった人の身代わりになる仕事。雪野は自身も義理の姉を亡くしていて自分の存在意義を問うていた。悩み、苦しみながらも身代わりの仕事を遂行する雪野。人間として強く優しくなっていく過程が勇気をもらえる。
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フリーアナウンサーで二十九歳の雪乃が、心身を患う義父の為亡妻である千勢の代わりを務めて欲しいと依頼され、そっと相槌を打ち本を朗読する。依頼主や昔千勢に求婚したパイロット等とうとうとした存在感。家政婦の笠原や愛犬のラブラドールレトリーバーに癒されたものの上手く入り込めなかった。本業がもっと見たかった。