- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本
剣より重い人の世の業苦を超えられるか
2012/08/21 10:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻が進むにつれて、当然のように主人公波之進の剣の腕も上がる。
前巻からは、旅の途上で出会った剣豪島田虎之助の紹介で、
当時日本一ともされる男谷精一郎の道場に学ぶことになる。
だが剣という以上に、心の問題の比重も増していくようにみえる。
ここまで張り巡らされた人間像が突き詰めるのは、
人の難しさ、世の難しさ、生きることの難しさだ。
それを描くに際して、この作者、のっぴきりならない人の心の動きとか、
理屈では割り切れない人の行動の矛盾、といったものをよく知っているとあらためて感心させられるのだが、
しかしそれは面白いと同時に、なかなかに重いから、読んでいても結構辛いものもある。
この巻の終わりでは、彼の生い立ちに絡む問題が出てくる。
この先も波之進は幾多の苦い経験を重ねていくことになるのだろうが、
しかしそのあとに待つものは何か。
それらを乗り越えて大きくなれる、つまり成長と呼べるものなのか、
それとも生きることのやりきれない重さを背負うだけなのか。
ここからだとどうも予測がつかない気がしている。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |