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オックスフォード出張と言うことで、著者がオックスフォード大卒なので、積読リストから本書をチョイス。19世紀に世界中に広がった電信網を「ヴィクトリア朝時代のインターネット」として語る切り口は非常に面白い。
技術的な詳細は「国際通信の日本史」(日本を中心にした海底ケーブル敷設の話)や「グラハム・ベル空白の12日間の謎」(電信じゃなくて電話の開発秘話だが、電信の多重化についてちゃんと書かれていたはず)あたりなどとも合わせて読みたい。
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時間と距離を大幅に短縮する新技術に沸く世界。このテクノロジーのおかげで相互の認識の差が縮まり、世界平和がもたらされるに違いないと皆が考えた……そんな時代。
これはインターネット草創期のお話ではない。電信という、それまでの時間と空間の制約を超えた新技術が舞い降りた、150年ほど前のヴィクトリア朝時代のお話だ。だが、(もちろん作者がそう書いているからなのだが)そこに表現される人々の姿は、インターネットに沸き立った15年ほど前の我々の姿にすこぶるよく似ている。
電信では入力を楽にするために略語が使われ、まるで現在のチャットルームのように空き時間にはオペレーター同士が電信で会話をする。
電信越しに愛がはぐくまれ、顔を見たこともない相手と結婚に至る。
オペレーターなどに中身を読まれるのを嫌って、暗号でのやり取りが盛んになる。
ニュースの迅速化による新聞の崩壊が予言される。
などなど。
人は新しい技術に対して同じような反応をするものだと納得させられた。それと同時に、いわゆるホームズ物が、当時の最先端の電信やブームの暗号を駆使した読み物だったということが理解でき、これまでの古い物語という印象を一気に変えることができた。この本自体も面白かったが、これまで読んだ物語に新しい姿を与えてくれたことが、今回の読書の一番のありがたさだった。
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電信の歴史を紐解きながらこのタイトルなのは、それがインターネット前史として、語りうるところによる。
なぜ人は遠くの人とコミュニケーションしたかったのか、人は新しい技術に何を夢見たか。技術的な話は元より、そういうドラマがあることが、面白くしていた。
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19世紀に登場し、あっという間に世界中の広まった電信+海底ケーブルは、数週間かかっていた大陸間の情報伝達を瞬時に可能にした。そのインパクトは、20世紀のインターネットを凌ぐほどであったろう。その社会的インパクト、悪用と対策、将来への楽観的な予測等、インターネットと相似形なのに驚かされる。その後出現した電話、ラジオ等の新しいメディアによりその最盛期は、20世紀まで続かなかったというが、インターネットに変わるメディアは、何かと考えさせらた。
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ヴィクトリア朝時代に インターネットがあった???
諜報機関みたいなのは あったでしょうけど・・・。
と思ったら、ぜんぜん違う話。(^o^ゞ;
19世紀(ビクトリア女王の時代) 約150年前にあったインターネットとは?
「電信」です。 電信といってもピンとこない。
トン・ツー・トン・トン・ツー あの 「モールス信号」や 「電報」「テレックス」ですね。
◆ 主な登場人物
サミュエル・モールス 〜 (米)電気式テレグラフの発明者の一人
ウィリアム・フォザーギル・クック〜 (英)電気式テレグラフの発明者の一人
チャールズ・ホイートストン 〜 科学者で 電気式テレグラフの共同発明者
トーマス・エジソン 〜 発明家で、電信オペレーターでパイオニア
エリシャ・グレー 〜 (米)ハーモニック電信に取り組んだ発明家。電話の発明に寄与。
アレクサンダー・グラハム・ベル 〜 電話の発明者
電信が便利だとわかってから、国内だけではなく、国際的に使われれるようになるが、
それに必要なのは、ケーブルです。
地上でも遠距離にケーブルを敷くのはたいへんな作業でしょうが、
海底にケーブルを引くのが いかに困難なことか。
それが、こんな昔に行われていたとは 驚きでした。
そういう基盤があったからこそ、電話も普及したのだろうし、
現在のインターネットの、蜘蛛の巣のような通信網も構築されたのだろう。
19世紀の人々の偉業、恐るべし!
とにかく面白い本です!
読んだきっかけは、同じ著者の 「謎のチェス指し人形「ターク」」
次に読みたいのは、
世界を変えた6つの飲み物 - ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史
2012/1/16 予約 2/9 借りる。2/12 読み始める 2/27 読了
内容 :
とてつもない距離を即時に越えるコミュニケーションを可能にした、19世紀における電信の発明。
歴史資料や当時のエピソードを通して、近代の幕開けに電信がもたらした社会変化を描きだす。
著者 : トム・スタンデージ
1969年生まれ。ジャーナリスト・作家。オックスフォード大学卒。
英『エコノミスト』誌テクノロジー担当ライター。『ガーディアン』など多くの新聞・雑誌に寄稿。
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電信の歴史がインターネットの歴史と重なる面白さ。本書に登場するモールス、ロイター、エジソン、ベルといった人たちも面白い。
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世界をつないだ電信(テレグラフ)の秘密。電信の発明は、19世紀の西洋社会に、現代のインターネットに勝るとも劣らないインパクトをもたらした。多彩な秘話をちりばめて、近代の幕開けに電信がもたらした社会変化を描きだす。
すべてのネットワークの母
奇妙に荒れ狂う火
電気に懐疑的な人々
電気のスリル
世界をつなぐ
蒸気仕掛けのメッセージ
コード、ハッカー、いかさま
回線を通した愛
グローバル・ヴィレッジの戦争と平和
インフォメーション・オーバーロード
衰退と転落
電信の遺産