紙の本
女の人生 様々
2017/08/15 22:04
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
末摘花のエピソードがいいなあ。あくまでも宮家の娘である事にこだわってのんびり籠城しているような彼女がただ一夜 当たり前の女だったというのは胸にくる。藤壺の死は源氏の青春の終わりなのかも。
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内容紹介:千年の時の窯で色を変え、光源氏が一人称で語る橋本源氏―絢爛豪華に登場。横文字由来の片仮名言葉を一切使わない心理ドラマ。(「BOOKS」データベースより)
資料番号:011220142
請求記号:F/ ハシモ/ 5
資料区分:文庫・新書
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蓬生、関屋、絵合、松風、薄雲が収録されていました。
絵合は華やかで読んでいてとても楽しかったです。
ついに藤壺が…切ないです、本当。藤壺は最期まで強い人でした。
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「蓬生」での末摘花のエピソードには何となく泣けてしまいました。泣くところではないのでしょうけれども。
とにかく明晰な文章で解りやすく読み進むことが出来るので私には重宝します。橋本源氏、独特の冷めた語り口が誰かに似てると思っていたのですがBL小説の古典(?)角川ルビー文庫「終わりのないラブソング」(故・栗本薫先生。グイン・サーガでおなじみ)の主人公・双葉くんでした…ビックリです。
源氏は双葉くんほど酷い環境に育ってはいないものの、「世間から切り離されたところで存在している一種異様な美貌の持ち主」という点は共通していると思います。あちらはBLでこちらは古典ですが。いずれにせよ「類い稀なる美貌を持つみなしごの孤独と魂の遍歴」の物語としても読めると思うとせつなくなります。的外れな考察でしょうけれども、栗本先生は源氏物語を意識されたのかどうか気になるところです。
「絵合」のエピソードが華やかでした。文章も素晴らしいです。頭中将(権中納言)と源氏はどうなるのでしょうか…。
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橋本治 窯変 源氏物語 5/14 蓬生〜薄雲
蓬生=家が落ちぶれ、源氏に忘れられた姫 末摘花の物語
*人は時として 不幸を必要とする〜未だ開かれない扉を刺激してくれる、他人の不幸を。
*人は現在によって生きるのではない。由緒という名の過去によって生きる
それにしても ひどい言われよう。末摘花のモデルは 誰なのか興味がある
絵合
*摂政太政大臣(左大臣)と内大臣の源氏が 貴族社会を牛耳っている→太政大臣の孫 弘徽殿の女御 が冷泉帝と結婚
*六条御息所の源氏への遺言「娘(斎宮の女御)を後見してほしい、手を出すな」→源氏は息子(冷泉帝)と斎宮の女御を結婚させた
浮雲
*摂政太政大臣(左大臣)と藤壺の女御の死〜浮雲が別れを囁くように渡っていった
*藤壺の女御の後世を救う修行が現世を蝕む
*冷泉帝が 藤壺の女御と源氏の子であることを知る〜源氏は罪か、罪の子 冷泉帝は罪か
仏教の因果応報の世界観
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5巻は蓬生・関屋・絵合・松風・薄雲が収録されていました。
蓬生の帖では「憂いを知らず雅を知らず嘆きを知らず、更にはまたその一切を惹き起こす因となるべき無常さえも知らないのだから、何があっても揺らぐことはない。」として、10年以上源氏を待ち続けた末摘花のことをコミカルに描いているけれど、揺らぎようのない末摘花にある種の羨望を感じるのが、源氏の心情なのか、はたまた紫式部の心情なのかそれとも橋本治の解釈なのか・・・勝手に深読みして面白かったです。。
また、関谷の帖では小君への攻撃がすごくって。時流に媚びて保身のために~などと、くどくどネチっこくて陰険な橋本源氏全開でした(笑)。
そして、(私にとっての)本巻メインイベントの絵合の帖では、帝の後宮へ斎宮を送り込もうとする理由が、頭中将への敵愾心でもなく、兵部卿宮への敵対心でもなく、権勢でも政争でもなく、自分の息子に幸福を与えてやりたいという親心と表現、父としての役割を全うしたいという欲望と表現するところが何度読んでも新鮮でした。
また、朱雀院と六条御息所の娘である元斎院が相思相愛だったかもと考え始めたり、藤壺の死や生臭僧侶による帝の出生の秘密が明かされる場面など、ここへ来て源氏の罪が再び問われ始めます。
傲慢なだけであった源氏も、不安にさいなまれる様が少しづつ目につき、光り輝くだけの若き源氏からの本格的な転換を感じました。
橋本源氏は闇が深い。。源氏をあざ笑うような冷たい視線を常に感じます。
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恋はお手のものだが、他人の恋には不得手な光の君、仕事はできるが管理職には向かないタイプ。
一族のためにと思った縁談が、知らなかったこととはいえ、相思相愛の仲を引き裂く結果となった。冷泉帝入内した斎宮の女御と朱雀院
気づかれないよう涼しい顔をし、心の内では転げ回って自分を恥じる。私の一生は、多分そのときに変わったのだと。
…でも懲りないんだ。
いいぞ!その調子(≧∀≦)
「私は、こんなことなどしたくはない!時の権力者として地歩を固める為に、女に見替えられる男に成り下がるような、そんな無様な真似などしたくはなかった。
断じて断じて、したくはなかった!」
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女漁りをやめて(?)政治劇になってからの方が面白い。途中で挫折しなくて良かった。
あの自分のことしか考えてなかった光源氏が、後宮に送り込むための娘が欲しいなどと言い出すとは。