紙の本
日本の独自の自家焙煎方式で旨いコーヒーを淹れることに人生を捧げた一人の男について書かれた傑作です!
2020/09/17 09:32
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『おやじの世直し』、『おやじの品格』、『コーヒーに憑かれた男たち』、『座右の山本夏彦』などの話題作を発表されてきたフリージャーナリストの嶋中労氏の作品です。同書は、自家焙煎の草分け、吉祥寺「もか」店主・標交紀の生涯を綴った一冊です。「感動を誘う」コーヒーを創り出した男として知られた人物ですが、彼は、我を忘れて焙煎にのめり込み、生豆を選び抜き、抽出温度1℃の違いを見きわめて、ダイヤモンドのような一杯を追い求めた熱血漢でもあります。独自の文化を育んできた日本のコーヒー自家焙煎についてのその奥深い世界に身も心も捧げ尽くした、稀代の求道者ともいうべき無骨な生涯を、豊富な逸話をまじえてたどっていきます。コーヒー好きの人には、ぜひ、読んでいただきたい一冊です!
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「コーヒーに憑かれた男たち」の続編とも言える書。
鬼籍に入ってしまった吉祥寺「もか」の標さんを中心に書かれてるが、
周りに居た珈琲馬鹿たちの話もまた楽しい。
亡くなってしまった珈琲の鬼の一杯を飲めなかったのは、返す返すも残念。
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新婚旅行さえカフェ巡りにするなど、67年の生涯を自家焙煎にささげたコーヒー店主の交遊関係を描いた。どの産地の豆を何分焙煎し、どのフィルターを使い何度の湯で抽出するのかという1杯にたどりつくまでに、長い歴史があることを教えてくれた。
読み進めるにつれ、胃液が出そうなほどコーヒーの話題づくし。
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前作「コーヒーに憑かれた男たち」も面白かったけど、こっちも面白かった。
珈琲好きなひとにはとってもオススメな一冊。珈琲をいただく時、その一杯をより愛しく感じるようになります。
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吉祥寺にあった喫茶店のマスターが、自家焙煎に凝っていたという話。さすがにストーリーを増して書かれているが、途中、台割に余りがあったようで、よく雑誌に載っているデータが載せられている。非常に退屈な本だった。
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珈琲の焙煎、ネルグリップ…珈琲馬鹿の数々のお話。表参道の大坊珈琲店はまだあったよな。一度行ってみよう。鶴岡駅前のコフィア、福岡の美美、お弟子さん達のお店、鳥目散帰山人のブログ、確認してみよう。
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日本の喫茶店のコーヒーが、どんな職人芸の賜物であったかがよくわかった。鬼気迫る様子が文章を通して伝わってくる。喫茶店を巡ってコーヒーの味が分かるようになりたいと思った。
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自家焙煎珈琲店の違いはどこにあるのか。
素人からはわかりづらいが、ここまでやる店があったのか。
豆の選び方、淹れ方も参考になる話があり、いくつか取り入れさせてもらいました。
一度鬼のコーヒーを飲んでみたかった。
しかし、コーヒーの話より、コーヒー屋の店主の話。という視点で書かれています。
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コーヒーはほとんど飲まないのだけれど、読後はなぜか無性に飲みたくなる。おいしいコーヒーってなんだろうなぁ。
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国立民族学博物館で標さんのコレクションの展示を観に行って、ショップで購入した。
鬼といわれるほど珈琲を極めた人とその師弟を丹念に取材したものである。
イエメンをはじめとする珈琲文化の源流ともいえる町や産地を訪ね歩き、道具の収集や写真記録、歴史の調査記録を残すなど、一杯を淹れる為にここまで努力するのかという緊迫感がある。
珈琲を飲む人ならぜひ好みの産地の風味とともに一読を。
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鶴岡コフィアで豆を求めた勢いで。
面白かった。
ぜひコーヒーと一緒に。
ネルドリップやりたくなるなぁ。
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山伏修行の際に訪れた山形県鶴岡市にある珈琲店コフィアにて購入。
趣味で生豆を焙煎してるけど、本書で紹介されてるような人たちは次元が違うな。昨今流行りのスペシャリティコーヒーやら、フルーティーな浅煎りコーヒーやら、やれフレンチプレスだ、サイフォンだ、とかこの人たちの前では一蹴されてしまう。
やっぱりネルドリップかなぁ。
とはいえ、コーヒーは美味しく楽しく、自分の好きなように飲めればそれでいいじゃないか、というのも事実。
お客はお店を選ぶことはできるけど、お店は来る客を選べないから、店主の悩みや苦しみもよく分かる。
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地元の伝説のコーヒー店「もか」店主標交紀氏のお話。
今も、地元の喫茶店を巡ると、氏にまつわる本を置いている店もあり、そこのオーナーから当時の「噂話」をあれこれ聞く機会もある。
曰く、「飲み越した客を追いかけて、その理由を問いただした」 とか。
本書でも「鬼」に例えられる一途な人物像が余すことなく描写されている。
カウンターの中ではいつでも白衣とネクタイ姿で、「自分なりの行動美学を明確に持っていた」とか、ネルドリップへのこだわり、新婚旅行でさえコーヒー豆の原産地で、海外旅行も観光名所は巡らずその都市の珈琲店を朝から晩まで訪ね歩くと言った執念の行動が多く描かれている。
また、標の師匠筋や、周囲の自家焙煎家の言動にも多くの紙幅が割かれている。そちらも、標に負けず劣らず、誰もが頑固なほどに珈琲道に一家言も二家言も持つ御仁ばかりが登場する。
近所の喫茶店オーナーの「客を追っかけて・・・」の話も、むしろ、そういった別の店の店主の話が標伝説として伝わってる感もある。
著者の筆致も、博覧強記を惜しげもなく披露する勢いで、ある意味「鬼」の様相。そんな文面からも標像も、やや強調されて伝わってきそうな印象を受けたが、実は、本当の標交紀は、もっと違った人物だったのでは?と少し思わんでもない。
既に「もか」は店を閉め、標氏もお亡くなりになっているのが惜しい。残念。