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人生には幾つかの分岐点というものがあるに違いない。
しかし誰もがその「分岐点がいつだったのか」は、その時にはわからず、後から振り返ってみるとあれが・・なんてことが多いのではなかろうか。
主人公の「めぐる」は公務員試験を受けるときだった・・本人の取るべき選択肢は3つ。
・建物づたいに駅まで一気に走る。
・その場でしばらく様子をみる。
・タクシー会社まで引き返す。
そしてこの3種類の選択肢の違いで、その後の彼女は全く別の人生を歩むことになる。
ネタバレにはなってしまうが、「公務員」「専業主婦」「水商売のママ」・・となるのだ(笑)
また、それぞれの話に登場する脇役も共通なのがなんとも笑える。
こういう展開の小説や映画は過去にも幾つかあった。
しかしこの「巡る女」の最大のミソは、いずれも幸せな結果につながるということ。
分岐点を選ぶ時点では多少の浮き沈みもあるのだが、どの人生を選んだとしても一生懸命な人は報われる。
そんな山本氏の願いも込められているようで、読後感もよく、かなり面白かった。
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人生のとある瞬間に現れた三つの選択肢。その発端とそれぞれをたどった主人公のその後+1という5部構成は新鮮ですが、最後のまとめ方はちと疑問。それって結局…。
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誰にでもきっとある人生の分岐点、あの時こうしていたらというもしもの話は誰でも考える。
主人公めぐるの3パターンの人生を描きながらも彼女は過程は違えど最終的に辿り着く場所は同じだった。あの時こうしていたら、と過去を悔やむより前に進めば自ずと巡り合わせのように自分に見合った結果が出る、というように感じた。
カバーがかわいらしく、ショッキングピンクに白字の帯ともマッチしている。
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12年前のある朝、魚貫めぐるは公務員試験を受けに行く最中に突然の雨に降られ、立ち往生していた。
バスやタクシーは滅多に通らない道で、傘も携帯も無い。考えられる解決策は3つ。
1、駅まで走る。
2、もう少し様子を見る。
3、今すぐタクシーを探す。
それぞれの解決策をたどった場合の話の展開が楽しめる1冊。
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もしあの時違う道を選んでいたら・・・って思うこと、あると思うのですが、この本は主人公が就職試験会場に向かうときにハプニングに出くわし、3つの選択肢を迫られ、章ごとにそれぞれの道を進んだ場合の物語が書かれています。
キャリアウーマンになっていたり、子どもが産まれたりと、それぞれまったく違う人生を歩むのですが、最終的に関わってくるお仕事に共通点があったり、出会う人も少しづつかぶっていたり。
構成のおもしろい小説でした◎
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最後まで主人公に共感できなかったけど、視点は面白い作品だと思う。
女性が書いたらもっとリアリティが出たのでは。
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内容(「BOOK」データベースより)
十二年前のある朝、魚貫めぐるは公務員試験を受けに行く途中で突然の雨に降られ、立ち往生していた。バスやタクシーは滅多に通らない道で、傘も携帯もない。考えられる解決策は三つ―もしあの日、別の方法を選んでいたら、どんな人生を送っていたのだろうか。
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公務員2次試験の会場に向かう主人公が立たされた、人生最大の岐路。彼女に与えられたのは3つの選択肢で、どの道を選択するかで3通りの人生が描かれていました。私自身、まだこんな大きな岐路に立たされたことはありませんが、もし他の人生を歩んでいたらどうなっていたのだろう…と思いを馳せながら読み進めることができ、面白い作品でした。山本 甲士さんの作品を読むのは今回が初めてなので、また他の作品も読んでみたいと思いました。
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あの時に、ああしていたら…?
という人生の分岐点は誰にでもあるはず。
分岐点ごとの選択で変わっていった3つの人生を見る(読む)ことができる本。
選タクシーをテレビでやっていて、それっぽいなーと思いながら読みました。
表紙がレトロで手に取る気が起きたのもあります。
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魚貫めぐるは,市役所の採用試験を受けに行く途中で突然雨に降られる。そのまま駅まで濡れて走るか,しばらく待つか,少し戻ってタクシーに乗るか,3通りの12年後。
さほど驚く展開があるわけではないが,主人公の立場の違いから,おなじ登場人物の違う角度が見られて楽しい。
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主人公・めぐる
公務員試験の朝、突然大雨に降られ立往生。
バスもタクシーもない道で、選択肢は三通りあった。
選んだ先それぞれの、めぐるの人生が描かれる。
「独身のまま市役所の係長」
「男の子二人を持つ専業主婦」
「クラブのやとわれママ」
環境は違っても、どのめぐるも性格はそう変わらない。
同級生の男子が、あるときは夫だったりするが、
市役所の上司や同僚など、めぐるの人生に関わる人達は共通している。
三人のめぐるの目から見た、その人々の違いが面白い。
好印象の人が苦手な人になっていたり、
またその反対もあって。
でもそれはごくあたりまえのことなんですよね。
人はみな、別の顔を持っているものだから。
年齢を重ねると、あの時、あの分かれ道で…
と、ふと思うことは数え切れないほどあります。
ただ、どの道を選んだとしても、
そのどれもが、自分という同じ人間ならば、
そう大差のない人生なんじゃないか。
要は生き方であって、
自分の足元を見て生きなさいということなのか。と、
今更ながら思いました。
最終章、めぐるが書いた童話にほっこり。
読了後は、さだまさしさんの『主人公』脳内リフレインです。
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主人公は公務員試験を受けるため出かけたけれど
途中で大雨が降ってきた。
走る、待つ、戻るの3択で、どれを選ぶか。
それぞれ選んだ先がどうなるか。
公務員になれたり、結婚してみたり
想像してなかった生活をしてみたり。
どれを選んでも生活範囲は変わらないようで
出てくる人達は、憶えのある名前ばかり。
どの立場にいるかで、相手への接し方や
第一印象が変わってみたり。
どこを通っても、結局叶うものは叶う。
作中のどこかに、そんな事を言っている人がいました。
その通り、な結末です。
書いているものが読めて、ちょっとすっきりです。
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魚貫めぐるは市役所の採用試験に向かう途中で、突然の雨に見舞われる。
傘も携帯もなく、とりあえず雨宿りをしていたが、このままでは試験に遅れてしまう。
さて、どうするか…
その時、頭に浮かんだ3つの選択肢。
そのそれぞれの未来が描かれる。
一体どれが一番幸せだったのか?
それぞれに様々な人生が待ち受けている。
こういう、~だったらとか~してればの話は本の中で楽しめる醍醐味だと思う。
実際に経験してみたいという思いに駆られてしまうけれど…
登場人物の名前の付け方も面白い。
2019.11.22
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主人公の名前が「めぐる」。就活で二次面接を受けに行く途中に大雨に遭い、どうすべきか迷う姿が第1章。以降の章タイトルは、3つあった選択肢のうち彼女が選んだもの。「走った」「待った」「戻った」。
もしもあのとき別の選択をしていたらというのは誰しもが考えること。どれが最善最悪だったかは、きっと自分が3人いないとわからない。冒頭に「運命は信じるか信じないかではなくて、気づけたかどうか」という一文がありますが、別の人生を歩んでみることはできないのだから、運命に気づけなかったとしても、今の人生を精一杯生きるよりほかありません。
「走った」の章に、水商売の女性を指して、「自分も責任を伴わない気楽な仕事をしたかった」という言葉があり、正直に言ってこの部分は不愉快でしたが、「戻った」の章ではチーママとなっためぐるが描かれていてなるほど。どの選択をしていようが、人生それほど甘くない。どれを選んでも自分の夢は同じ。その夢さえ変わることなく追い続けていれば、どの選択をしても大丈夫なのかも。
面白く読みましたが、この著者に関しては男性が主人公の物語のほうが好きかな。ドタバタ度控えめの荻原浩、イライラ度控えめの辻村深月、幸せ度控えめの山本幸久のように思えてしまう。
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公務員試験最終日、突然の雨に遅刻しそうに…もしもあの時、こうしていたら、の3パターン。
女性のキャリアとか、結婚、子ども。
とりあえずどれが一番というふうには書かれておらず、童話を書くという夢だけが共通して進む。
登場人物の立場とかがちょっとずつ違っているのが面白かった。
めぐる。