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初恋、結婚、別離…ドラマはいつも口紅とともに。ひとりの女性の6歳から79歳までの折々を短編で。65歳がよかった。こんなふうに愛せる人がいて、こんなふうに最後の時を一緒に過ごせたら・・・。
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くちべにを塗る母親の後ろ姿を見た6歳から始まる。12歳で亡くなった祖母のくちびるにのせたくちべに、18歳で当時の彼からプレゼントされたくちべに、21歳で義母に贈られた高級なくちべに、38歳でつけたくちべに、47歳で17歳の娘へ贈ったくちべに、65歳で夫が亡くなる寸前までつけ続けたくちべに、79歳で介護士につけてもらったくちべに。
なんかとてもいいです、この本。わたしもくちべにもらいたいな。そしていつか愛おしい娘にくちべにを贈りたい。
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口紅をひく母を誇らしくも恐ろしく感じる6歳。
口紅をひかれた祖母の姿に、ようやくその死を感じられた12歳。
初めての恋人からもらった口紅を手に、心の中で約束した18歳。
使い慣れた口紅をひいて花嫁となる29歳。
口紅をひき、きれいでいたいという小さな願いを思いだす38歳。
娘に口紅を贈り、咲き染めはじめた姿に幸せを感じる47歳。
死に向かう夫の傍で、誰かのために口紅をひく幸せを思う65歳。
介護士の女の子にひいてもらった口紅。自らの顔の中に、過去の全てを見出す79歳。
様々な年齢の様々なシチュエーションの中で描かれる口紅の存在が、鮮やかに浮かび上がる掌編集。
作者の思い出「ちいさなドラマ」も微笑ましかったです。
口紅って、女性そのものの象徴なんだなぁ。
これ一本で、女の子も少女もお母さんもおばあさんも、一人の〈女性〉になれるんです♪
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初恋、結婚、別離…ドラマはいつも口紅とともに。角田光代書き下ろし短編小説。
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2007年に東京・銀座のハウス オブ シセイドウで開催された展覧会<「口紅のとき」上田義彦・角田光代+時代の口紅たち>で発表された撮り下ろし写真、「色をまとう」と代され発表された書き下ろし小説、だそうである。
6歳、12歳、18歳、29歳、38歳、47歳、とひとりの女性を追いながら、節目節目で印象的な口紅にまつわるできごとが語られている。そして、上田氏のやはり口紅とさまざまな年代の女性をモチーフにした写真が挟み込まれ、物語のイメージをくっきり際立たせるスパイスになっている。その後また、65歳、79歳と物語が続くのである。女性の生き様だけでなく、口紅のありようもさまざまであり、唇に紅を差すという行為にいろんな思いがこめられていることに改めて気づかされる一冊でもある。
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これは写真集です。写真の展覧会で発表された書き下ろし小説。口紅をテーマに6才から79歳までのそれぞれの時代が書かれています。文字数は少ないのだけれど、その時の年齢の自分を思い出しながら物思いにふけりました。
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ページを開いた瞬間、文字がスカスカなのにびっくりした。
この薄さで結構な値段…。
だが、内容はよかったと思う。
節目節目の「口紅の記憶」。
切ない気持ちになりながら読んだ。
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一人の女性主人公の幼女だった頃から、老年に至るまでの口紅に纏わる想いをつづった連作短編集。
「男は兜の緒を締めて、女は紅をひいて、戦に臨め」
と書いてたのは誰だったか、確かに化粧って外に出る際には武装といえなくもない・・化粧してると泣けないしねぇ・・・。(っていうのは「彩雲国物語」で胡蝶が言ってましたが)
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口紅をテーマにした写真&掌編小説。
年齢別に口紅に対する特別な思いを綴っている。
大切な人へのちょっとオシャレなプレゼントによさそう。
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この年齢ごとにかき分けるのって 他にもあったような
上田さんの写真 お嬢さんが紅を引いている写真なんて
父親として見ているのか写真家として見ているのか
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1人の女性の6歳12歳18歳21歳38歳47歳65歳79歳の口紅にまつわるお話。赤い装丁と上田義彦さんの写真が印象的。
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資生堂美術館での展示の一環だったとのことで、コラボレーションしていた上田義彦氏の作品も収められている。が、いかんせん弱いという印象。
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一人の女性の、幼少期から老年期に至るまでの半生を、口紅にまつわるエピソードで綴った連作短編集。
2007年にHOUSE OF SHISEIDOで開催された、同名の展覧会のために書き下ろした作品の書籍化だそう。
上田義彦氏の写真もその時に発表されたものなのかな?
女の子なら誰でも幼いころにあこがれたであろう「口紅」。
きっとみんな一度はお母さんの口紅をいたずらしてみたことがあるのでは。
6歳から79歳まで描かれているが、女性にとっての口紅を最も端的に描いているのが6歳の女の子の章だったように思う。
とても角田さんらしい作品。
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6歳の娘が母の「くちべにをひくとき」をみて、自分の知らない母がいることの小さな発見を描いた「6歳」に、この本のコンテンツは集約されているのではないかと感じる。
そう、口紅を引く行為は、自分が女として出陣する時の心の決意、覚悟がある。それは人に見せない秘め事なのだ。
カップに口をつけるときには紅をぬぐう。食事が終わったときに人前なのにコンパクトを出し口紅を塗る人はハスッパな人と母に教えられた。
写真も作意みえみえ。1点だけバレエの舞台に立つ娘に口紅をつけてあげているショットが私は好きだ。
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Forever Rose - 主人公が6歳、12歳、18歳、29歳、38歳、47歳、65歳、79歳の時の口紅にまつわる物語。
好きな人からもらった口紅、オバサン化している自分に口紅をひく、など、口紅がいつも特別なものであるのを描いていると共に、各章うるっとくる角田さんらしい人間ドラマみたいなものがある。すごく短い章だし字も大きくて絵本みたいなのに。
とてもよかった。
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口紅をさす女性の写真って艶めかしいですね。また、紅にまつわるストーリーもいい。女性にとって大切なものなんですね。
女性に紅をプレゼントするのは躊躇してしまいます。事前に色番号を聞いておかないと「センスが悪い」なんて言われそうで。さらには「私とキスがしたいの?」なんて言われちゃう不安も。
でも、この本を読んでみると、そんな事は実は無いんではないかと。実際のところは、どうなんでしょうかね。