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非常に納得。自分の勉強法で足りないのは読むこと。最後まで言い切ること。継続は力。簡単に英語がマスターできる教材がよく宣伝されているが、やはり、死ぬまで努力し続けることが必要というのは納得。母国語ではないのだから。日本語でよく使う言葉で実は意味がよくわかっていない言葉がある。英語に置き換えようとする努力は日本語の意味を理解することにつながる。
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第一級の通訳者が著した英語の“指南書”。「指南」という言葉がピッタリだ、と思うが、どうだろうか?
英語習得の極意が所狭しと並べられている。もっと深く知りたい…と思うが、これは新書の限界か。直接、お話を聴きたくなった。
“受験勉強”から解放されつつあるので、これから、今年の目標である英語の勉強再開だ。勉強のモチベーションを上げてくれる、そんな本である。
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翻訳では対象とするテキストはいつまでも目の前にありますから,文を見てその意味をよく考え,辞書と相談し,一番いい訳は何かを工夫することができます。通訳では瞬時にその意味を捉えて表現しなければなりません。当然使われた一つ一つの言葉にこだわっている時間はありません。話し手が言いたかったこと,話し手が伝えたいメッセージに集中するのです。言葉にとらわれずにメッセージに集中する――これは一般のリスニングにも応用できる大切な技術です。(p.8)
実際に彼[Herman Kahn]の通訳をしてみると,逐次通訳の時でも同時通訳の時でも言うことがさっぱり分かりません。そこで私は彼の発する単語を聞き取ることを半ばあきらめ,彼の考えを勉強することにしました。彼の本や論文を片っ端から読み,彼をつかまえて,どんなことを言いたいのか,これはどういう意味かなどしつこく質問しました。そうしたら彼の話がだんだん理解できるようになったのです。彼の発する言葉は10語のうち3つか4つしか聞き取れなくても,それをつないで考えれば彼が言わんとしていることが分かってくるのです。そうすれば何とか彼の話を聞く人に分かってもらえるような通訳をすることができます。こうして私は1983年に彼が亡くなるまで,彼の通訳を何度も務めることができました。(p.37)
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同時翻訳者の観点から書かれた著作。
言語学や翻訳に限って言えば、ややテクニカルな内容も含まれているが、大変よみやすい。日本語に登場する比喩やオノマトペをどう英訳するか、巻末の章などは気軽な読み物としても楽しめる。
英語を外国語として学習する者固有のケースというよりも、外国語を使用するケース全般、ひいては「ひとの話にいかに耳を傾け、かつ自分のメッセージを伝えるか」という方法に着目しているという印象を与える。
著者のポイントは、
・話を聴く場合、言葉一つ一つに惑わされず、相手の意図(言いたい事)を把握する(リスニングの)
・発言する場合は、SVOまたはSVCという文構造を意識したシンプルなセンテンスをつくる(スピーキング)
といったところだろうか。語学力を鍛えるには実践あるのみだが、その心構えを知るには好著であると思う。ただ、リーディングの重要性や詩の朗読の効能は十分説得的というところまでかけているとは思えなかったのが残念といえば残念な点か。
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読みやすい。
通訳は日常会話に終始せず、あらゆる分野で活動しなければならない。そのために、英語を学ぶというより、百科全書的な知識を必要とするのだろう。常に資料と共に学び続ける意欲がなければたいへんな職業だと思う。
しかし、やはり英語学習においては、通訳という手段を用いることが最適であることは著者の言うとおりだと思う。
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話すことの中身を重視し、言葉数は少なくても的確な英語を使うこと。ゆっくりでよい。相手が聞きたいのは流暢な英語ではなくて、話の内容。聞く人に伝えることができる文章作りと適切な語彙。
理解したら表現する。
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昨年(2011)8月から本国より米国人が日本支社へ赴任していて、それ以来、会議が英語になりました。資料を要した正式の会議は前もって準備できますが、ちょっとした会話や確認のために部屋に呼び出されるときの英語は、その場での対応力が要求され、まさにこの本のタイトルにある「英語で話すヒント」が欲しいのが現状です。
本の最初で、相手が聞きたいのは「流暢な英語」ではなく、あくまで話の内容と「日本人としてのあなたの意見」(はじめにp3)は、勇気づけられました。
また、単語は使い方と共に覚える 3000語程度が目安のようですね。一度、昔に覚えた単語を復習してみるのも良い機会だなと感じました。
以下は気になったポイントです。
・今求められているのは、日本のことをよく知り、社会や世界の動きなどについて自分自身の意見を持ち、それを外国の人に分かるように発言できる、そのような英語力である(p19)
・話し手が発した音声以外のいろんな情報を活用して、聞き取れない単語があっても類推できる、聞き取れた単語の前後関係から何を言わんとしているかを類推する態度が大切(p36)
・リスニングのこつは、まず単語を識別し、主語+動詞というつながりから、プロポジション(命題)の形として捉えているのが、より正確にメッセージを理解するコツ(p42)
・英語の速読法のテクニックの1つに、パラグラフの最初の文だけを読んで、後はどばすというのがある、本や論文の大意はわかる(p57)
・日本語と英語のように文章構造が大きく違い、語順が違う言語の間で分り易い同時通訳をするためには、予測が重要な役割(p63)
・擬態語を訳す場合には、まず擬態語ではない日本語の言い方を考えて、それから英語訳を、がコツである(p140)
・英語が多数の類義語を持っているのは、何世紀にもわたって他のさまざまな言語から多くの語を取り入れてきたから(p141)
・日本語の英語表現を知りたいときは、まず和英辞典、そこで出てきた英語を類義語辞典でもう一度見直す(p142)
・社会人として十分と思われる単語は、2000の使用頻度の高い単語(80%カバー)と、教養語とされる 570語(A Coxhead, Academic Word List)の合計 3000程度(p149)
・単語をそれだけで覚えるのではなく、名詞ならばその前にくる動詞、それにかかる形容詞、後にくる副詞などと一緒に覚える(p151)
・コロケーション(2つ以上の単語の慣用的な結びつき)を学ぶには、Oxford Collocations Dictionary for Students of Englishがお奨め(p156)
・英語の音声で大切なのは、リズム・イントネーションであり、個々の母音や子音の発音でない、個々の発音を気にするより、文章全体のリズムを気にして、大きな声で「はっきり」話すこと(p160)
・日本人スピーカーは、日本人であることが分かる「お国訛り」があった方が、人は耳を傾けてくれる(p164)
2012年3月17日作成
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同時通訳者が通訳という立場で英語の勉強法を述べたものである。詩や文学を楽しんで学習することを推薦し、英語の学習は一生続くという当たり前だがあまり他の人が言わないことを言っていることは注目できる。
英語が不得意な学生が英語学習のひとつの立場として読んでみるのがいいであろう。
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通訳についての本ではなく、英語の学び方についての本、とは著者自身のあとがきでの言葉。ネイティブでない私たち、しかも英語とはかけ離れた言語構造を持つ日本語を話す私たちが、いかに英語を身につけていくべきか。ベテラン通訳者でありながら、まだまだ一生勉強であるという小松達也氏の言葉を噛みしめながら読了。
通訳とは「ある言葉を別の言語に置き換えるのではなく、理解した内容を自分の言葉で表現すること」。著者自身が苦労した表現を紹介する第六章は特に面白かったです。「黒子」「金太郎飴」「車の両輪」「大風呂敷」などなど。
例えば「甘い」ひとつをとっても、「人生は甘くない」「判断が甘い」「孫に甘い」「私を甘く見るな」「甘い球を打ってホームラン」など、どれ一つとして「sweet」で表せるものはない。こういう局面ではほとんど辞書は役に立たず、言わんとしていることは何かを的確につかみ、それを表現する力が必要になると。
そして、そのためにはリーディングがいかに重要であるかが説かれています。読み書きだけでなく、話すためにも、とにかくインプットとしてリーディングは最重要であると。納得です。最近、あまり読書できていないので何とかしなければと痛感しました。
もちろん、話すための論理の組み立て方や自分の考えをまとめることの重要性についてもページが割かれています。しかし翻訳に関しても十分ヒントが詰まった本でした。
また、話す時に「まず日本語で考える」ことを肯定している点が新鮮に感じます。
モチベーションも上がるのでオススメしたい一冊です。
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a rocket-driven Sherlock Holmes
通訳者をこう呼ぶ人がいたみたい!
それだけですごくやる気が出てきてしまう単純な私。
長年の通訳の実体験も踏まえた英語学習へのコツが紹介されてます。インプットである聞くこと、アウトプットである話すことが連関してることなどは、その通りだと思うし、読むことが語彙、コロケーションの習得にとって効率的とも。最近は、というかこの8年近く英文なんてまともに読んでないので、耳が痛いですが、やはり基本に戻るしかないですね。
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アポロ11号の月面着陸を同時通訳したという、通訳で有名な先生による、英語を聞く、話すということについての指南。
単語一つずつの意味をとるのではなく、話者が何を言おうとしているのかという意図を理解することや、また、誤解なく伝えるために日本語で言いたい内容を整理し、曖昧な表現を避けてはっきりと伝えることがいかに大切かということが強調して書かれている。
特に印象的な部分は、「早く英語を読む練習は同時通訳にも効き目がある」(p.73)、という部分で、共感できた。さらに、(ネイティブのように易しい単語をいろいろに使って表現するのには慣れが必要で、日本人がそのような慣れで表現することは難しいので、)「ボキャブラリーについては、私たちはもっとレベルの高い単語を使った方が表現しやすい」(p.77)ということはとても面白く、語彙の学習の動機づけになった。簡単な単語で色々表現しなさい、とよく言うし、その大切さはよく分かるが、実は難しい単語を覚えて使うことよりも、簡単な単語を色々に使うことはとても難しいことだと思う。
てっきりシャドーイングとかサイト・トランスレーションとかテクニック的なことが書かれているのかと思ったが、とても基本的なことが書かれていた。第6章の「日本語でこう言いたい時」の内容は、ソフトバンク新書の『訳せそうで訳せない日本語』の内容とかぶっているので、併せて読むと勉強になる。(12/08/05)
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この本は副題の通り、通訳者である著者が、通訳の技術から英語の学習に役立ちそうなことを凝縮した一冊です。
この本のなかで一番重要なことは、タイトルの「英語”で”話すヒント」にあるとおり、意識して話すというニュアンスにあると思います。つまり、母国語ではない第2言語として英語を意識し、考えて話すという知的な面(本書でいう情報伝達型)を磨いて自分の考えを発信できるようになることが重要だということです。
そして、そのためには日本語で思考する力や知識が欠かせないということを著者は説かれています。日本語から考えるところから英語に親しんでゆき、文構造を把握できるようになってゆけば、多少の単語を聞き逃してもだいたいの意味を予想することも可能になるといいます。というより、話された全ての単語を常に正しく把握することは無理だとはっきり書かれています。
「ネイティブのように」なんていう本も多いなかで、この本は第2言語としての英語について分かりやすく書かれていると思います。例文として現れる英文もかなり分かりやすいものなので、英単熟語や英文法の詰め込みに心底うんざりしている、かつての僕のような中学生や高校生の方にもおすすめしたい一冊です。
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機中で読んだ本。
同時通訳者による「英語「で」話すヒント」。「英語「を」話すヒント」ではないと著者自身が何度も強調されている。
英語をネイティブとして身につけた訳ではない同時通訳者がどのように日本語と英語の間を行き来しているかが垣間見られて興味深いし参考になる。
ちょうど先日「英語で話すときは日本語で考えずに英語で考えろ」という人がいるが、そんなこと可能なのか??と話していたところ、この著者自身が「ムリ」と言い切っていらっしゃるのは我が意を得たりでした。
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おすすめ資料 第196回 (2013.7.19)
通訳技術の英語学習への応用、という視点で書かれた新書です。
自分の意見を持ち、それを英語で表現するスキルを身につけるためのヒントがたくさんあります。
母語話者でない私達には英語らしい表現にするために意識的な努力が必要ですが、それも反復練習でだんだん時間が短くなり、ついにはあまり考えずに話せるようになる。
同時通訳暦50年を超える著者の「粘る人になろう」というメッセージが印象に残ります。
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仕事や日常生活で、ときに英語が必要とされることもあり購読。
話すには英語力は大事、そしてバックグラウンドとなる教養・専門知識・準備も大事。
聞くには英語力は大事、そして話し手の論理を理解することも大事。
当たり前な気がするけど、果たして実践しているかというとしていない。そう、その大切さを改めて理解させてくれる。
私がこの本を、ありきたり、だなんて断罪するのはあまりにも傲慢。
私にとっては良書です。