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自動車や工作機械に使われる潤滑油に配合されている添加剤を製造している会社に勤めています。
私の職務は、私たちの製品の特長をわかりやすくお客さんに伝えて将来のビジネス拡大、維持をするものですが、この本に書かれている物質には、化学構造式がわかりやすく示されていて、資料を作成するときに役立つモノもありました。
以下は気になったポイントです。
・化学製品を理解するのであれば、せいぜい10種類の元素記号を覚えれば良い、H,O,C,N,S,Cl,F,Na,Ca,Si、その際に一緒に覚えるべきものは、結合手の数、N=3か5、S=6か2(p14)
・炭素数が5-10のナフサを原料とすると、多彩な化学製品が同時に得られる(p22)
・粉体の顔料を均質に混合するのは難しいので、あらかじめ、プラスチックと顔料を濃厚に混合し粒状にしたものを着色剤として使う(p63)
・ポリエチレンは日本で300万トン、世界で7500万トン@2010と、世界で最も多く生産されるプラスチック(p76)
・分子の末端に二重結合があるオレフィンを、αーオレフィンという(p77)
・エチレンとプロピレンを共重合させると、結晶性が低下してやわらかくなる(p78)
・光ファイバーの材料として、遠距離用はガラス、短距離用はアクリル樹脂(p90)
・ゴムはタイヤの重量の半分程度、25%は補強材としてのカーボンブラック、15%はカーカスと呼ばれるタイヤの骨組みである繊維(p124)
・サリチル酸は解熱鎮痛剤として有名であったが、胃を荒らすのでアセチル化することで副作用を少なくした(p132)
・肥料の3要素は、窒素・カリウム・リン酸である(p146)
・動植物油脂を苛性ソーダと反応させたものを濃い食塩水に投入すると、石鹸が得られる、カルボン酸が弱酸なので、石鹸はアルカリ性をしめして目に沁みる(p152)
・多くの触媒は、触媒の有効成分である金属塩や金属酸化物等をそのまま使うのではなく、活性炭・シリカ。アルミナ等、表面積の大きな粉体に吸着(担持)させ、成形した固体触媒として使う、反応生成物と触媒の分離が容易で連続反応が行いやすいため(p168)
2012年3月3日作成