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「桜ノ社」は一二三書房の自社サブカルレーベルブランドですが、本業は編集プロダクションのようです。
さて、本書『かんづかさ』ですが、某3流高校を卒業した五祝神流が無事市役所に就職……したと思ったら、いつの間にか妖怪たちと戦う組織「神祇官(かんづかさ)」に就職していた、というもの。主人公がすでに高校を卒業した社会人であること、ほかの登場人物も成人していることが目新しい点と言えますが、それ以外に特筆すべき点はありません。現時点で2巻が出版予定のためか、1巻(この本)では設定の説明に終始している点もマイナスです。「国の組織としての悪魔払い」という設定では『イチゴ色禁区』シリーズと世界設定はほぼ同一と考えられます。こちらでは神道に加えほかの神話や妖怪などが入っていますが。
また、ほかのオカルト系ラノベ『レンタルマギカ』とかに比べ、勢いがやや足りないのも気になります。
なお、日本史などの知識については大学入試レベルで十分理解出来ます。
まあ、次巻以降を見てみないと評価も固まらないかな、という感じ。
あと、このレーベルでは標準で他のレーベルの「特典イラストカード」に相当する「おじゃましおり」が付いてきますが、イラストは表紙と同じです。カラーイラストページがないんだからしおりくらい書き下ろして欲しかった……。(モノクロイラストはあります。また、ほかの巻がどうなっているかは不明)