紙の本
幸福の度合いが目に見える!?
2016/03/18 10:27
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、幸福の度合いを目に見える形で、すなわち数値で表そうと試みた内容になっています。ただ、私には強い固定観念があるかたか、または偏見がああるからか、どうしても今一つ、本書を読んでもすんなりと頭に入らず、何か、違和感のようなものが残りました。他の読者の方々はどのように感じられたか、私自身、非常に興味あるところです。
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結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?
というサブタイトルから、色々な「幸福」と思われる事柄に特定の計算式で値段をつけるものだと思っていた。そして、そんなことに意味があるのか良くわからなかった。
(人によって「幸福」に思うことは違うはずだから)
しかし、この本を最後まで読んで、「幸福」に値段をつけることは意味があると思った。
それは大きく2つあって、1つ目は「不幸なことが起こった際に、それはいくらでなら埋め合わせられるか」が計算できること、2つ目は「人生の指針の一つになること(通勤時間が長くて給料が高い仕事と通勤時間が短くて給料が安い仕事なら、通勤時間が短い方が幸福度が高いなど)」が挙げられると思う。
行動経済学や心理学の入門書としても面白い本だと思う。
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【幸福を論理する】
お金では買えないものをお金という基準に当てはめて考えてみようという提起。
発想は非常に面白いです。
不幸なことが起きても起きたとき、実はそれほど大きな不幸になっていないこともあります。しかし、起きたことを毎日思い出すようなことをしていたら、その不幸を何倍も増幅させているようなものです。
また、逆にこの本にあるようにパートナーが亡くなったとしても1,2年で元の幸福状態まで戻ってしまうことが記されています。毎日のように考えることがなくなれば、時間が癒してしまうということです。
つまり、どんな不幸でも毎日あじわうことがなければ、時間と伴に癒えてしまいます。
また、幸福とはどういう状況なのでしょうか。この定義があいまいであるため、結論もあいまいとなります。
幸福な状態とは周りと比較して相対的に幸せか、あるいは周りとの比較をせず、わが道を歩けた人が幸せになるとわたしは考えます。
近隣と比較して、相対的にいい暮らしができている。近所の中では上位に位置しているということが認識できれば、幸福な状態となります。
また、周りは全く気にせず好きなことだけができる状況、これも幸福です。
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誰もが一度は「幸せはお金で買えるの?」という疑問を持ったことがあるだろう。本書はこの疑問に真剣に取り組んだ意欲作。しかも、買えるか否かだけでなく「幸福を金額に換算する」というあまりに冒険的なテーマに挑戦している。
しかし読んでみると分かるのだが、実はそれは宣伝文句であり、あくまでとっかかりにすぎない(サブタイトルの『結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?』はまさに絶妙な煽り文句だ)。
実は本書のメインテーマは、人々の「幸福感」が人生の中の色々なイベントでどのように変化するか、だったのだ。幸福感を評価するためにはその量を定量的に観測できなければいけない。幸福感をお金に換算するモデルを打ち立てることによって、はじめてそれが可能になったわけだ。
そして、それが実に面白い。
幸福感は長持ちしない。幸福感は周囲との相対的な比較で決まる。幸福感はその人の属する共同体の文化や慣習、倫理に従うかどうかにも左右される。そしてここで言う「幸福感」はそっくり「不幸感」でも成り立つ・・・。人間というのはやはり、単純で不合理で感情的な生き物だということが見事に証明されていく。
本書を読んだからといって、読者が幸福になる方法を得られるわけではないが、ある種の諦観というか、「幸福への科学的な必達法なんてものは無い」ということを冷静に理解させられるので、自分の人生の進め方の参考にはなるだろう。
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【それぞれの幸福】
僕自身がキャリア選択の時期にあるため、自然と「幸福とは?」って考えることが多いです。
「幸福の計算式」っていうタイトルですが、実際計算式が出てくるのは一部だけで、ド文系の僕でも本筋はなんとなく分かりました。(計算式は意味不明でした)
この本の中では、幸福度は「他人と比べての自分の指標」だとか「他人がどう思うか」などに影響されているって書かれてて、その結果に納得はいくけどそれってちょっと悲しいなって思ったりして。
今の世の中何が良いのか悪いのか分からないわけであって、やっぱり自分が良いと思ったものは、主張はしなくてもいいけど、そう思って欲しいし。僕はそういう感覚は大切だと思うんですよ。
途中で「子供を持つことは幸福よりもむしろマイナスな感情が多い」っていう記述がありますけどね、そんなこと言われたからって「じゃあ子供産みたくない」ってならないでしょうに。著者も後に書いていますが、幸福って「喜び」だけじゃないと思うんですよね。光があるから影ができるわけで、正義があるから悪もできて、戦争があるから平和もあるわけであって……。
途中「最大幸福原理」を使ってどうのこうのっていう小難しい話にもなりますけど、それも含めてやっぱり自分の尺度を持つっていう大切さとかから始めないとダメじゃないかなって改めて考えることが出来る良書でした。
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"幸福"を様々な角度から検証した本。幸福とお金の関係の節では納得させられた。先に読んだ「つながり」やポジティブ心理学の内容と結論としても重なる部分が多かった。結局(それが結論ではないが)お金や環境などの要因で、幸福度が上がったり下がったりするのは一時的でしかなく、日々の物事の見方や考え方を意識的にポジティブに切り替えていくしかないのかなと思った。
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興味深いのは、幸福の基準が純粋な所得ではなく集団内の順位であるなど、他者の目線に依拠している点である。
これは、学校におけるいじめなどを考える上でも共有されるべきデータである。
母集団が日本人でないという点はエビデンスレベルを下げている部分があるように思われるかもしれないが、この「他者の目線」の話など、日本では寧ろもっと重みづけが重くなるのではないかという部分もあり、大いに参考になると思う。
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「過去にこだわるな、未来を夢見るな」「幸福を追求する事が不幸」
子供が生まれてもたいして幸福ではないし、配偶者が死んでもたいして不幸ではない。宝くじが当たった人と、事故で手足が不自由になった人の幸福度にはたいした違いはない。という事を次々とデータで示していく。要は「人は慣れる」という事かなと。
前半は経済的に金銭や数値で幸福を測ろうとしたのに、最終的には釈迦の教えの教示になってしまったが、これが著者の言いたい事だったのだろうか?訳者のあとがきが中々よかった。
※今後は下記を参考に考え方を見直してみようかと。
<収入以外の幸福の要因>
・自分が何者か?(人種・性別)
・社会的特性(学歴・健康・仕事)
・時間をどう使うか?
・自分や他人への態度(信条・宗教)
・他人との関係
・どこに住むか?(地理的・政治的・経済的)
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幸福経済学、幸福心理学といったジャンルの本。
経済学には選好理論というものはあるが、幸福度を絶対的に表現することは人類の永遠の課題。
この本では、幸福度やその推移、分布と要因などを分析して計算式を導こうという本。
お金があった方が幸せというのはある一定の水準までは確かだが、相対的な面があり、高収入のグループに所属し本人も世間的には高収入だとしても、同僚と比べて低かったら幸福度は小さくなる。
また、結婚や子どもができることは幸せをもたらす大きな要因と考えられているが、実はその幸せは長続きしない。結婚してる人が幸福というのは結婚前の1年間くらいで幸福度がかなり上がるからであり、それは徐々に下がっていく。
大事に人を失うことの悲しみは非常に大きなものだが、それによる不幸というのは案外あっさり数年で癒えてしまう。だから、幸福経済学者を葬儀に呼ぶべきではない「すぐに忘れますよ」と言ってしまうから、というのは笑った。
人にはプラスなことを得るよりも、マイナスを避けるということの方がインパクトがある。「健診を受けたら乳がんが早期発見できますよ」よりも「健診を受けないと乳がんの進行に気づかず手遅れになりますよ」。
幸福のウイルス(幸せは周りに伝播する。幸せな人と付き合おう。関係的な距離より物理的な距離が重要。但し、会社の同僚は別。)だったり、幸福の国ブータンの国王が独裁国家なのを活かし、経済発展よりも彼が捉える幸福の追求を推進してきた結果、今のブータンが生まれたこと。ただ、ブータンを見習おうと思ってやってきてるエリートたちは、今の経済的に裕福な暮らしを捨ててこれをやるかっていうのは疑問、というところも面白いエピソードだった。
幸せだと思われてることはさほど幸せではなく、不幸なことも長続きしない。中庸でいよう。と思った。
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☆3.5ぐらい。幸福を定量化する仕組みの部分が長いがそれも面白い。
子供有りと無しの家庭を比べて数値で比較する、でもどちらも否定しない感じがいいなって思った
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幸せっていうのはその場その場の状態を言うんであってず~っと幸せっていうのはありえないんだなあ、と思った。
幸せを続けるにはより強いハッピーなことが必要で、現状維持なら幸福度は下がるってことなのね。で、自分現状維持だったり、ちょっといいことがあっても周りがもっといハッピーな状態なら幸福度は下がってしまう。そしてどんなに不幸なことが起こっても数年経てば幸福度はもどる。それより長時間の通勤みたいにちっちゃな不幸なことが続くことのほうが幸福度を下げてしまうらしい。
なるほどね~でもって、アンハッピーなこと(失業・強盗・肥満)に関しては自分だけじゃないってことが幸福度を上げるらしい。
お金持ちは幸せって思うけど、幸せな人はよりクリエイティブな仕事をしてお金を稼ぐってのもなるほどって思った。
下のハッピーなことへの金額は安すぎるって思うかもだけど、実はそのいわゆるハッピーなことのいい面だけに集中することで幸福度を増幅させている気になっているだけらしい。つまり幻想。
結婚 43万
友人に毎日会う 49万円
子供が生まれた最初の年の値段31万
離婚 98万
配偶者の死 3800万
子供 1500万
そして、これを作者が仏教徒のお婆ちゃんに教えたらそんなの知ってるわってところだった。ってのがオチ。
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幸福度を計算式で表そうとする試み・発想は非常におもしろいが、
当然完璧な計算式などできるはずもなく、結果的には有用な新しい発見はあまり多くはなかった。
とはいえ、他のレビューにもあるように、幸福についての考え方捉え方については示唆的な部分があり、参考になる。
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なるほど、統計データなどのことは自分も近いものがあって、ちょっと納得できることが多かった。
最終章では釈迦の教えと作者の幸福論が一致しているというちょっと意外な結末
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『身近な人たちより、ちょっとだけいい暮らしがしたい』
これは私の願望。
比べることは不幸の始まり。というのが持論なのだが、この本を読んで、やっぱりなー!と思う箇所が多かった。
子どもを産むことは幸福度にはあまり関係ない、というのが意外。
第一子を出産直後は史上最高の幸せを感じたが、
子育てって大変だわーと思うことも多いし、
我慢しなくてはいけないことも多い。
思い立った時に好きなところへ行けて、旦那と今よりラブラブだった気がする出産前も確かにあれはあれで幸せだったな。と思う。
これからの目標は、中道を行く!こと。
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金持ちは貧乏より幸福だが、全ての人の収入があがっても全ての人が幸せにはならない。
→スタジアムの観客が皆同じ身長であったとき、前の客が立ち上がれば全員立ち上がることになる。座っていても立っていても見える景色は同じであり、立っていると少し余計に疲れる。
先進国と発展途上国において、他人の収入アップに対する感覚の違い
→渋滞している中、他の車線が動き始めると希望を持つが、自分の車線が動かなければ希望は失意に変わる
日々の辛いことは、その度注目するが、華々しい幸福について振り返ることは少ない。しかし現在の状態について評価する際、日々の小さな不満は問題にならないため、さほど幸福ではないにも関わらず子を持つことがとても幸せなことだと申告する場合が多い。またこのシステムは種の保存レベルで不可欠であるため、支持されることはない。
世界のすべての人がつながっているならば、社会の皆を同時に幸せにしようとせず、少人数を幸せにすることに焦点を絞り、その幸福が増殖するのを待てば良いのではないか?→ヘレン・ケラーの、幸福のためには、帰って家族を愛しなさいという言葉は関係する?