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紙の本
珍しくスッキリしない終わり方
2013/03/04 17:50
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
山本作品の好きな所はいくつかあるけれど、やはりスッキリと胸すく大団円!も一つの大きな魅力。これまで読んできた作品はみなそんな感じで、そこを期待して読んで来たのだけれど。本作品に関しては珍しく、あまりスッキリした気分になれず。なんかちょっと残念。
毎度色んな職業視線から、江戸時代の風情・文化を見せてくれる山本作品。今回は建て替え普請の為に、家屋を壊す稼業が主人公。おまけに普段から蔵を壊したりしているので、道具(骨董品)の目利きも出来るというのがまた面白い。連作短編のように、5つの物語が連なっていくのだけれど。江戸の大火で燃え落ちた街を再興しようと発奮する主人公達の元に、悪だくみを抱えた同心達が絡んでくる。公儀の力を悪用して金に換えようとする、その悪だくみを見抜いた主人公が義の心と知恵とで立ち向かうと言った流れは非常に読んでて興味深いし、胸もすくというもの。
しかし解せないのが最後の一遍。何でも無い名もなき砂糖壺に、主人公がそれと分かっていながら大金を払って手に入れるという物語。テーマは「物の本当の価値は値段ではなく、思い入れだ」という事なのだろうけれど。そこで展開する話がどうもいけない。気の良い町の饅頭屋の親子が、詐欺にあってみぐるみ剥がされ家屋も乗っ取られ、さらに借金のカタに美しいと評判だった長女までもが女衒に売り飛ばされていくという話。はるか昔に主人公がその長女からもらった壺と同じ型だった、というのだけれど・・・。そんな悲しい物語ではなくて、もちょっとぐっと来る物語を設定してくれた方が、読みやすかったなぁと感じた。というか蛇足な一遍とさえ感じてしまった。
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