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C.M.B.森羅博物館の事件目録(19) (講談社コミックス月刊マガジン) みんなのレビュー
コミック
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紙の本
見えない恐怖に対処する
2015/09/14 14:50
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
「Q.E.D.証明終了 (41)」と連携したエピソードを扱っている「大統領逮捕事件」、昭和の時代に上流階級の人々を魅了した謎のナイトパブの主人・涼の秘密に迫る「銀座夢幻亭の主人」、女子高校生が目撃した窃盗事件の謎を解く「夜にダンス」を収録している。
「銀座夢幻亭の主人」
一部書籍の販売規制法案を提出している衆議院議員・石寺一郎の依頼を受け、三十年も前に亡くなった、銀座のナイトパブ「夢幻亭」の主人・涼が好意を寄せていた人間を探すことになった榊森羅。当時店に通っていた人物から話を聞くうちに、涼が大切にしていたオルゴールがあったことを突き止める。
恐怖は形がないものほど扱いづらい。どうやって対処したら良いか分からないからだ。これを排除すれば怖くない、という具体的なものがあればそれを排除すれば恐怖から逃れられるのに、それがない場合は、ただおびえ続けるしかない。
そんな状況には耐えられないと、気が短い人は一切合財を無にすることで、恐怖ごとまとめて排除するという選択肢を選んでしまうこともあるかもしれない。そうさせないためには、キミが怖がっているのはこれだよ、と明確に示してくれる森羅の様な人物がいればよいのかもしれないが…。
「夜にダンス」
森羅の通う明友高校三年の市井流河は、夜にオフィスビルのガラス壁を鏡としてダンスの練習をしたところ、窃盗犯が逃げていくのを見た。しかし警察が調べたところ、そのビルの警備員の証言と防犯カメラの映像は、彼女の証言と矛盾する。
進学を控えた大切な時期。彼女の周囲の人間、教師や母親は、彼女に証言を翻すように説得するのだが、そんなとき彼女の心を捉えたのは、空を飛ぶトンボに対して森羅が言った一言だった。
やったことに対する後悔は自分に帰着するけれど、やらなかったことに対する後悔は他人に転嫁しがちだ。それは周囲の人間が、周囲と同じであるように彼ら彼女らに求めるからだろう。しかしそんな言葉は、周囲と同じではあれないと思い、そのために努力する人間にとっては、やらないものの妄言にしか感じられないはずだ。
本当に相手のことを思うならば、そんなときにとる行動は、そっと背中を押す言葉を告げることと、夢破れたときに帰る場所を残してあげることなのかもしれない。
「大統領逮捕事件」
東欧のバルキア共和国で三万人以上を虐殺した大統領スワミ・ガレスが、政変により脱出したベルギーで逮捕された。ベルギー政府は内国法によりスワミを裁こうとするが、バルキア暫定政府の大統領マントリーは、ベルギー政府に対し、スワミの引き渡しとバルキア国内でのスワミの裁判の実施を要求する。そしてこの争いは、国際司法裁判所に付託された。
ベルギー政府の補佐として呼ばれた榊森羅と彼について来た七瀬立樹は、引き渡しを求めるバルキア側の補佐人が燈馬想と水原可奈であることを知る。あまりの強敵に森羅は頭を抱えるのだが、法廷での想の弁論のあり方から、彼が何かを求めていることを悟るのだった。
権力者が権力者たる源泉はどこかにあり、それを許容する勢力もあるということは認識しておくべきだろう。それが別の権力の逆鱗に触れたとき、問題として表面化するのだ。
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