紙の本
不思議な新感覚ミステリー
2016/12/09 20:42
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
何とも不思議な感覚の話。セッションというもので植物人間の人の意識に入って会話をするという展開。場面が次々と変わり、どこまでが現実の話で、どこまでがセッションの中の話か戸惑いますが、とあることに気づいてしまえば、納得。何とも不思議な余韻の残る話でした。
紙の本
美しい「胡蝶の夢」の世界・・・と書きたかったけど。
2013/09/10 08:31
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品タイトルが非常に魅力的で手にした本作品。基本的な構成は、「胡蝶の夢」。蝶の夢を見た人間が、それがあまりにリアルな夢だったので、実は人間である方が夢なのではないか・・・と思ってしまうという故事。そこから、夢と現実のあいまいな境界線を描くパターンの作品。この手の作品はもちろんたくさんあって枚挙にいとまがないが、私的には岡島二人氏の「クラインの壺」が印象深い。本作は「このミステリーがすごい!」の大賞受賞作との事なので、クラインの壺にも匹敵するような素晴らしい作品かと期待して読み始めたのだけれど・・・。
何だか斬新さ、を感じなかった。これ残念ながら、この手の作品では致命的だと思う。最初から「胡蝶の夢」がテーマになっていると明かしている以上、「もしや」と思わされる設定があるのだけど、結局そのまんまというラストで。物語中盤のテンポもあまり良くなくて、何かだらだらした感じ。魅力を感じたタイトルの首長竜も、よほど衝撃的な使い方をされるのかと思いきや、「まぁ・・・うん・・・」な感じ。何かもう一枚気が付いていない設定とかあるのかも?と思わされるくらい、「読み応え」的な物を感じられなかった。
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何気ない描写が続くような場面で流し読みしているといつの間にか場面が変わっていることが何度かあり、夢(センシング)の中を表現しているのかどうかは不明だが、それが作品に対して良い方向に効果的に作用していた。
そのふわふわした描写と度々出てくる「胡蝶の夢」のくだりによって、早い段階でこういうことなのかなとオチを想像してしまうことにもなった訳だが。
若干唐突に感じる登場人物やエピソードなど読んでいて気になる部分はあるもののラストで伏線回収しているし、上手くまとまっているのだけれどそれだけというか、及第点止まりというか、いろいろと話題になっていた分、何か一つ突き抜ける面白さを期待してしまっていたので良い作品なんだけれどもすっきりしない。
それからタイトルがいいなと思っていたのだが、祖父に首長竜の絵を見せた最初のくだりはいいとして、それ以降の「首長竜」は浮いた感があり、ラストで上手く繋げてくれるのかと思いきやそういったこともなく、タイトルと内容がしっくりこないことにも何か不完全燃焼。
決してつまらなくはないけど絶賛もできなくてフワフワモヤモヤで、センシングしてるみたい。
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素直におもしろかった。現実に夢が浸食してくる系のお話で(まぁ現実は、存在しないんだけど)、どんどん境界が曖昧になっていく感じがたまらなくよかったです。
今自分が現実の中にいるのか、夢の中にいるのか、こういうのを読んでるとよくわからなくなっていくね。
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2012/1/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2012/5/7~5/8
第九回このミス大賞受賞作。審査員全員一致で選ばれたのは、チームバチスタ以来、との帯の文句に期待したが… 確かに面白いことは面白い。しかし、この展開は何と言えば良いのだろうか。既読感があるんだよなあ。
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映画「シックスセンス」を一度観てしまうと、この手のオチは早々に分かってしまうのが惜しい。分かってしまうのだけれど、最後まで読ませる手練はなかなかのものである。と、そういうことでしょうか。
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カルデロンの人生は夢、とかシェイクスピアとか、、、古典の演劇みたいな感じで面白かった。舞台はSF的な日本で。
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「このミス」の大賞となったと聞いて、ふむふむ、いったいどんな
作品なんだと調べた時に、内容よりも「劇作家」という文字が
私を惹きつけたのを覚えている。
だからなんだと言われれば特に・・・なのであるが、気になる。
一体どんな作品になるのか。
完全に演劇とは切り離した書き方なのか、それともどこか
演劇らしさ出身らしさというものが残っているのか・・・。
読み進めながらぞわぞわ感じる空気というのが凄い。
医療的な単語も出てくるが、それを何となくイメージとしてつかませ、
それを気にさせない描写がいい。
そういう単語があったことすら忘れさせられてしまう描写、
そこに現実があるというような。
私だけなのかもしれないが、ひどく映像としてそのシーンが浮かんでくる。
色も景色も鮮明であり、特に波に飲まれる繰り返し出てくるシーンが
強烈に残る。色、景色、匂い、手触り、光、そういう生々しさすらある
描写がところどころにふわっとちりばめられている。
そして、現実の空気から徐々に曖昧になっていく境界線が凄くいい。
何となくそうなっていくのではなく、確実に世界、文章に引っ張られて
溶けさせられている。
自分でも「あぁ、これは曖昧な境界線に今つれて来られている。
徐々に空気が濁って来ている。」そんなことを実感させられるのだ。
その辺り、繰り返される「胡蝶の夢」の構成は個人的には凄く
演劇的だと思った。実際上演された作品がベースになっている
ということだが、更にこの小説から舞台にもう一度焼きなおしすれば
また違う感覚で見られるのではないだろうか。
(ダイジェストの映像を見たが、より抽象的にこの小説の空気を
加えていけばさらに曖昧な境界線の空気をもった作品になるのでは
ないだとうかと思った。というか、再演して欲しいし見たい。)
1冊丸々が綺麗に整えられた発酵中のパン生地のような感じで
まとまりのある空気がして面白かった。
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ミステリーとして読むと期待外れだが、ストーリーは面白い。というか、怖い。舞台がどんどん変わっていき、その展開の急さが、主人公の不安定な心情と読者の心情をリンクさせる。
オチはきちんとついていたが、後味がわるい。でも、これは好みの問題かな?
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物語には章が変わるとき「その頃」とか「別の人物視点から見る」など
場所や時間での出来事かぽんぽん変わりながら進む物と、話がつづらおりみたいに進む物とか、時系列がばらばらの伏線で繋がって読んでいくと見えてくる物とかありますよね。これは話がつづら折りになってるタイプ。実は私はそういうのがどうも苦手なのでうーーんという感じ。それでも投げ出さず最後まで読めたのでそれなりに楽しめたということなのかもしれませんが。
最後はどんでん返しを狙ったのかなって気もしますがやられたー!と唸るよりプスプスもやって終わった感じでした。
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SFだろこれとか、仕掛けが読めてしまうだとか、ありますが。でもそんなの些細なことに思えた。だってとにかく小説として面白かったから。ラスト4Pでぞわぞわと震えた。完璧なループ。
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夢と現実の境界線がテーマのファンタジー。
文庫化されたので購入しました。このミス大賞を受賞しただけあって、購入してから二日で気付くと読み終わっていたくらいリーダビリティが高いです。が、ミステリーでは無い気がします。
派手なアクションも、ジェットコースターのような急展開やどんでん返しも無いけど、中々面白かったです。
あとがきにあるように、ユービックの設定やディックの影響を感じ取られ、ディック好きな私には合いました。
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途中から混乱してしまい、読むのを辞めようとも思ったが、最後は引き込まれる展開に。ただもう一度読む気にはなれそうもない。
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このミステリーは、すごいです。現実ともう一つの世界との区別が全く分からなくなります。混乱させられつつも、ヒロインの状況が徐々に分かってくるのでその謎に強く惹きつけられます。信じていた世界が崩されたときは、背筋がぞくぞくしました。全体像を掴もうと普段使わない分野の頭を使ったため、読後は軽く放心状態に。読みごたえのある作品です。
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虚構の世界のできごとなのか、現実の世界のできごとなのか。
読んでいるうちに、主人公と一緒に混乱してくるけど、こういう世界観ってめずらしくはないよなあ。
うる星やつらのビューティフルドリーマーとか懐かしい。
マトリックスだってそんな話だし。
そもそも夢オチ。実は夢だったなんてのも同じでしょ。
それでもこの話には何が待っているんだろうと読み続けたんだけど、なんか予想のつく展開にガッカリ。結局なんだったんだかよくわからないまま終わってモヤモヤする。
もっとちゃんと読めってことなのか?何を?
某テレビ番組で大絶賛。某雑誌の月間ベスト選出。各新聞紙でも称賛。とか帯には書いてある。
この評価。現実なのかい?