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弥勒シリーズの4作目。
今回は、川に浮かんだ死体の腹から、ありえないものが出てきたところから物語は始まります。
それは次第に遠野屋清之介の過去を呼び起こして・・・というストーリーになってます。
生国での清弥の幼少時代が、かわゆくもあり可哀そうでもあり切なくなります。
ほんっと壮絶な生き方してきたんだなぁ。
でも今回の事件を経て、少しずつ過去を見つめてそれを乗り越えていけるような予感が。
今までは過去をあれこれと考えちゃうのに、それを見ないようにして、余計にもやもやしていたからさ。
そんな遠野屋が心配だったのですよ。
恐ろしくても、しっかり見据えないと、見えないものは余計に怖さ倍増になってしまうものね。
相変わらず小暮様は遠野屋さんがお好きで、あれこれちょっかい出してきてくれちゃうのですが、なんだかそれでも前途に希望が見えてきたぞ。
事件の謎解き部分はラスト辺りで結構あっさり終わらせてしまっているんですが、それでも納得の4作目でした。
次回の作品も楽しみだ~。
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「弥勒」シリーズ第4弾。
今回は信次郎の出番が少なくて、ちょっと淋しい。次作ではぜひ「信次郎の戦」を読ませて欲しい。次作が待ち遠しい。
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東野屋さんと伊佐治さん旅に出るの巻?
後半で旅に出るので、この本は続編があるにでは!!と思ってしまった。
しかし最後は詰まった感もなくスムーズにテンポよく話は進む。
ナイスガイ東野屋!
伊佐治さんもいいところで信次郎をグフッと言わせてくれるのでスッキリ。
でも今回は信次郎素直かも・・・。
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内容紹介
「弥勒の月」「夜叉桜」「木練柿」に続くシリーズ第4弾! 小間物問屋遠野屋清之介、同心木暮信次郎、そして、二人が引き寄せる事件を「人っていうのはおもしれえ」と眺める岡っ引きの伊佐治。突出した個性を持つ三人が織りなす江戸の巷の闇の物語。川から引き揚げられた侍の屍体には謎の瑠璃石が隠されていた。江戸で起きた無残な事件が清之介をかつて捨てた故郷へと誘う。特異なキャラクターと痺れるキャラクターとが読者を魅了した、ファン待望の「弥勒シリーズ」、興奮の最新作!
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シリーズ4作目。
三人の会話のテンポが小気味よくて好きです。
清之介が己の過去と向き合い、話的に一段落着いた印象ですが、
次作(ありますよね?)も楽しみです。
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シリーズ第四作。今回は信次郎の出番が少なく、すっかり遠野屋清之介が主役になっている。清之介の再生の巻。
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新作待ってました!
出だしからピリピリ緊張した空気漂ってて、これだよ!!って興奮してたんだけど意外とあっさり終わっちゃった。
でも信次郎は相変わらずだったので満足。
次はいつかしら?
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弥勒シリーズ4作目。遠野屋の過去の自分と向合う姿勢にこのシリーズの新しい展開を見た。紅花を商うことで大店にのし上がっていくのも楽しみ。信次郎もこれから変わるのだろうか?このままの小暮信次郎でいてほしいのだが。
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大好きな「弥勒」シリーズの四作目。ここにきて大きく話が動いて驚きの展開が。
同心木暮信次郎、商人遠野屋清之介、そして2人の間で煩悶する伊佐治親分。
これまでに見たこともない人間的歪み、というか、親分曰く「欠落」を抱える同心・木暮。彼の、人の心を逆なでする言動の奥には深い闇があり、その彼を描写するあさのさんの筆の今回も冴えること!
また、優れた商人として穏やかな佇まいを見せる遠野屋も、奥知れぬ闇を背景にし、この2人が巡り合ってしまったのは偶然なのか、お互いに求め合ってのことなのか。
今作では、親分の目線から物語が語られることが多く、不穏な2人だけではなく、真っ当な好人物に見えた親分がこの負の2人になぜ惹かれるのか、伊佐治自身の驚きは読者の驚きでもあったから、とても面白く読んだ。
そして、ごくごく当たり前の生活を送りたいと願う伊佐治のおかみさん・おふじから見た親分の日々。うん、そうだよねと、日常の中でふっと感じる陰の部分の怖ろしさの予感がぞくっとした冷たさで感じられた。
伊佐治の息子の嫁・おけいが言う、「遠野屋の旦那と木暮様は、根っこのところが同じじゃないか」という指摘を聞いた時のおふじの動揺を示すページがとてもいい。
引用すると・・・
なぜか喉がひりつくほどに渇く。
水瓶か柄杓で一杯、水をすくう。(中略)その貴重な水を柄杓から喉にじかに流し込んだ。
渇きはいささかも癒されない。
「聞かせてごらんよ」
はすっぱな娘さながらに、手の甲で口元を拭い、おけいを促す。
ほんの脇役であるはずのおけいやおふじの向日的な面が急に闇に対峙してしまう怖ろしさ。
あさのさん、上手いよ~~~!
また、
「うちの旦那だけは何もかも掴み所がござんせんよ。」
「確かに底の深いお方ではありますね。」
「深いんじゃなくて、曲がってんですよ」
なんていう、伊佐治と遠野屋の軽口めいた会話も、それまでの重いあれこれがあるだけに妙に心に沁みたりして。
ただ、後半、遠野屋と伊佐治が旅に出るため、木暮との絡みがなくなってしまうのが残念だった。3人がいるからこそお互いの化学反応で進む探索があるわけで、それがそのまま人間を描いてもいたのだから。
そっか、そうだったのか、という全てが明らかにされた遠野屋清之介の生い立ち。
彼の殺陣の場面はこれも今まで読んだことのないような独特な怖ろしさ、面白さなのだけど、
弥勒シリーズはこれで終わりなのだろうか。
木暮がそれでは置き去りではないか・・・と、あの歪みと欠落の甚だしい男のことを私は好きだったんだなぁ、と気づいたという。
これは、シリーズの最初から読まないといけません。
このドキドキはそうじゃないと治まらないと思うから。
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信次郎と清之介のシリーズ第4弾です。
今回は、清之介が故郷に向かいます。
刀を捨てた清之介が、捨てたままで生きられるのか…。
因縁の二人ですが、親分・伊佐治が上手く二人を繋げてくれます。
柔らかい物腰、きっぱりと信次郎を諌める親分が頼もしいです。
明け方の空の色、まさに刻々と変わる空の描写や故郷の風景に使っている言葉の数々がとっても素敵でした。
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遠野屋の過去の闇がいよいよ物語を引っ張る展開と知り、ものすごーーーっく期待しました!!で、こちらが期待し過ぎた分、後半の拡がりに物足りなさを感じてしまったが、よく出来てると思います。格闘やその直前の緊張感。いい描き方するなぁと、つくづく思いました。
このシリーズの主人公の一人、小暮信次郎を欠いた後半部分は、やはりピースが足りなていない感じで、「小暮はいつ、どういうカタチで出してくる?」と変な勘繰りをし、焦りながら読んでしまった。こういう思いをする自分に残念。もしかして、信次郎を描くのはあさのさん自身、すごい労力必要なのかもと思った。でも、次回作は更に期待しますよ。
…ただね、続編書かなくてもアリな終わり方だったような気がしないでもない、、、?
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全体を通して、これまでと違いとても爽やかな感触で、起こる事件や旅先での様子もとてもスムーズに進みます。読み応えが少なくて、全体に物足りないという印象でした。
遠野屋清之介が主人公のシリーズなので、これで終わりではないかと思いながら読んでいたけど、清之介の最後の言葉に思わず小躍り。
そう、この作で終わったら心残りばかりです、進次郎の戦も是非みたいよね。やはり次作は、進次郎が中心の話になりそう。。。。とは言っても、本当に次作があれば、ですが。
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「小説宝石」に連載されたものを加筆単行本化したシリーズ4作目。
いつもながら、暗い過去を負い武士を捨てて商人となった遠野屋清之助と、「その暗さが人の死を呼び込む」として付け狙う奉行所同心木暮信次郎の神経戦が展開される。
「人は誰でも何かに縛られている。(中略)、みんながそれぞれに桎梏を抱える。抱えて生きるしかないのが、人なのだ。身分の行程も、出自の貴賤もない。」(第六章)
川から引き揚げられた旅姿の町人は、実は武士で機密事項を運んで来たのだと木暮は見抜き、死ぬ間際に切られた腹の中に隠した瑠璃(ラピスラズリ)を発見する。
切られた若者は清之助の兄で藩の権力争いに敗れ巻き返しを狙う宮原主馬の側近の弟で、主馬に瑠璃を届けようとしていた。
木檜から瑠璃を見せられた清之助は、死んだ母の代わりになって育ててくれた老女から渡された守り袋にも瑠璃が入っていることを告げ、逃
げてきた自分の過去と対峙しようと決意する。
清之助は家老であった実の父から暗殺者として育てられ、父の命で何人もの人を斬り、父も斬った。兄は清之助を江戸へ逃がしたが、やがて清之助に政敵を暗殺するよう命じる。
清之助は妻となるおりんに出会い、武士を捨てて小間物屋の婿となって商才を磨いてきたが、兄の手下の暗殺者におりんを殺されていた。
清之助は木暮の手下の伊佐治親分と、故郷へ向かい、瑠璃の出所を突き止めると共に、政争を止めさせ藩の財政を立て直す提案を兄の政敵にぶつける。
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弥勒の月、夜叉桜、木練柿、東雲の途へと続く遠野屋シリーズ。
己の過去にいわくのある遠野屋。過去とは縁を切ったかとおもいきや、自分は逃げていただけだった。
この、遠野屋に惹かれる。
遠野屋と同心木暮とのやりとりにも惹かれる。
腹の探りあいのような、いたわりのような・・・
そして、この二人の緩和剤となっている岡っ引きの伊佐治にも。
あさのさんの時代小説のカラーは池波さんに似ている。
池波正太郎さん、大好きだ。
話し言葉だって、「ござる」とか「~で候」とか出てこない。
とっつきやすいと思うんだけどな。
ただ、江戸時代というだけ。
読んでほしいな。
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「弥勒の月」「夜叉桜」「木練柿」に続くシリーズ第4弾! 小間物問屋遠野屋清之介、同心木暮信次郎、そして、二人が引き寄せる事件を「人っていうのはおもしれえ」と眺める岡っ引きの伊佐治。突出した個性を持つ三人が織りなす江戸の巷の闇の物語。川から引き揚げられた侍の屍体には謎の瑠璃石が隠されていた。江戸で起きた無残な事件が清之介をかつて捨てた故郷へと誘う。特異なキャラクターと痺れるキャラクターとが読者を魅了した、ファン待望の「弥勒シリーズ」、興奮の最新作!
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今回は、岡っ引き・伊佐治親分の視線で語られる部分が多い。遠野屋と木暮という並の尺度では計れない二人の間にあって、仕える身ながら包み込むような存在である伊佐治の役割は、物語のなかで大きなものだと改めて思わされる。味のある存在である。そして遠野屋清之介が、どうしようもなく背負っている昏い過去とどう折り合いをつけていくかの明るい兆しが見えたような一冊でもある。これからの商人としての清之介と木暮や伊佐治との関係も気になるところである。