投稿元:
レビューを見る
<本当の話>とあえてタイトルで謳っているのは、バイオマスに関する<本当でない話>が、一般的には広く流通しているためだ。曰く、バイオ燃料は環境に良い。曰く、バイオマスの使用はカーボン・ニュートラルなので、温暖化の原因にはならない。曰く、バイオマス利用は地域振興の主要な手段である。といったたぐいだ。「すべてが間違いではないのだが、ほとんどは間違いである」と筆者は語る。バイオマスで液体燃料を作ったり発電をしたりといった用途より、はるかにエネルギー効率の高い熱利用をまず優先すべきだと、繰り返し説いている。家庭用ストーブのような小規模なものであっても、最新型なら90%近い利用効率で使えるという。
バイオ燃料生産のために、穀物価格の値上がりがおこったり、深刻な食糧難を招いたり、原料(トウモロコシなど)を植えるために森が焼き払われたり、生物多様性を大きく損なうケースが頻発したことは記憶に新しい。
投稿元:
レビューを見る
感想:まあ、わかりやすい。
著者:泊みゆき氏。富士総研→NPO法人バイオマス産業ネットワーク理事長。
備忘録。
・バイオマスエネルギーの本命は「熱利用」。家庭用ストーブとかでも最新型なら90%近いエネルギー利用効率。
・カスケード(階段状)利用:例えば木材ならば、建材→砕いて紙→再生紙→燃やしてエネルギー等、多段階で利用すること。
・カーボンニュートラルってのは、森林が再生されないとニュートラルにならないと思われる。
・日本では農地が点在・小規模だったり、林業も盛んとは言い難いので、農林業廃棄物の大量収集が欧米に比べて困難。
・補助金に左右される林業にも課題あり。
・バイオマスをエネルギーとして利用するのは、もっとも価値の低い利用方法、薬用、食用、材料としての利用もできるものととして多面的に考えたらどうか。
投稿元:
レビューを見る
20160110 バイオマスについて分かりやすくかつ冷静に説明している本。入門編として読ませて貰った。
投稿元:
レビューを見る
産業分析用に利用。
「バイオマス発電」をテーマにレポートを作成するための参考書籍。バイオマスエネルギーは熱利用を主に、そのあとに発電に使うのがポイント。林地残材の利用と地域振興をセットで推進することがカギ。