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紙の本
季節のある風景
2012/04/03 08:14
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうも自分の根気のなさにほとほと呆れかえる。浮気性なのかしらん。興味の対象が次々に変わり、いつまでも続かない。これでは実のなることはない。
まったくもって、我ながら嫌になる。
俳句もそう。
俳句に興味をもってからかなりの年月になるのだが、うまくならないのは熱意が足りないからにちがいない。
夢中になっている時は、なんでもかんでも五七五で、自然と指を折っていることもあるし、風景のそこかしこが俳句の世界に見えていもした。
新聞への投句も採用されればこれはまた自ずと力も入るもので、毎週一句は投句しようと励んだものだ。
仕事のせいにするのはよくないが、いつしか風景がちっとも新鮮でなくなり、朝見るものも表情を変えず毎日同じようにしか見えない。これはいかん、と焦るものの、ちっとも句が浮かんでこない。
季節が見えない。
俳句とはわずか17文字の世界ながら、季節を喪った生活には宿ってくれない。
本書の扉折り返しに「こんな人にこそ、本書を読んでほしい」と注釈があって、もちろんまったくの初心者も構わないが、「以前も作句をしていたが、もう一度基礎から学び直したい」という人にもおすすめとある。
そうそう、「もう一度基礎から学び直したい」のです、私。
基本編では俳句は定型であり季語の用い方も丁寧に書かれていて、確かに初心者にもやさしく書かれている。少し俳句を齧った人には退屈かもしれないが、「もう一度基礎」からが大事と心得たい。
俳句の入門書は数多ある。この本は文語のことにも触れていて、丁寧に作られている。なかなか参考になる。巻末には俳句でよく使われる用語活用まで付いている。
気がつかずにどれだけ間違いをしてきたかと冷や汗がでる。
願わくば、私の目に季節のある風景が戻ってくれたならば、どんなにいいだろう。
風に、花に、人々の表情に、季節の色彩がついたならば、作句もきっとできるだろう。
願いのように、ほころびはじめた桜の木を見上げる。
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