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亡国論、興国論、その他と読んだが
興国論に関してはイデオロギーというか、著者の熱い思いがけっこう多く書き込まれていた。なのでリアリズムに欠けるところは散見された。
後半の壮大なアイデア。具体例が乏しく、全てがなるほどとまではいかなかったのが正直なところだが、根本の考え方の部分ではおおいに賛同できるものもあった。
結果としてTPPに参加する、しないは過程であって結論ではないと思うところに至った。参加すること自体はリスクテイクであるが、こういった流れに乗ること自体は、いつかは起こることだとも言える。
韓国、中国が参加していないのは確かだが、逆に領土問題を抱えた(何故か外交カードにされてしまった、とも言える)この2国と独力でのFTA、EPAを結ぶ方が、冷静に考えると今のところはあり得ない話だろう。国家という主体においてはまともな話ができるとは思えない。
TPPの勉強自体は無駄ではもちろんなかったし、ある程度正しい認識でこれから起こることを見つめていけると思う。
このイチ国民がどう思ったところで、答えはいつか出るものだ。日本という国家と国民はそこで生きて行くことを求められる。問題はそこに個人や国家が夢を描けるかどうかだ。
これから前例のない超高齢社会を日本は迎えるが、そこに夢を見せてくれた本著は、私の考え方をひとつ前向きにしてくれたと思っている。
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TPP推進側、の本は読んだことがなかったので手にとった。
が、よく分からない。イメージばかりでデータがないから?
基本的に、国内の変革のためにTPPを語る人を信じられない。
十分開かれた国であれば、なぜ今TPPを推進しなければならないのか、に答えて欲しいのだが。
中国包囲網としての意味はあるかもしれない。が、TPPの枠組みがどのように働くのかが分からない。星一つ。
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(2014.05.03読了)(2013.07.21購入)
TPPの交渉も終盤に差し掛かっているようです。
当初2013年中に妥結すると言っていたのですが、いつの間にか2014年も半ばに差し掛かってきました。2014年中の妥結を目指しているようです。甘利大臣もご苦労様です。
「TPP亡国論」などの反対論をいくつか読んだので、賛成論と思われる本が目についたので読んでみました。本の題名は、「亡国論」が出ているので「興国論」にしてみようかといった程度のことだと思います。
関税を何年かかけて零にした場合の考えられる可能性のなかの日本にとって楽観的な見通しを書き連ねて作成した本という感じです。
日本はいままでいろんな外圧や困難な事態を何とか乗り切ってきたのだから今回も何とかなるだろうということです。
農業に関しては、減反政策はいつまでも続けられるわけもなく、国土の荒廃や災害対策上も田畑を有効に活用した方がいい、というのはもっともかなといったところです。
コメの自由化に関しては、アメリカのコメが入って来たからと言って日本人の食べるコメの何パーセントにもならないから、大丈夫というのは、ちょっと荒っぽいかなと思います。いまは日本に売れないから少ししか生産していないでしょうが、日本に売れるとなったらもっと大量に生産する可能性があるでしょう。
それにしても、TPPというのは、何カ国かが集まってその間で取り決める話だと思っていたら、メインは、日米二国間の協議だったようで、日米貿易自由化交渉と変わらない感じです。
【目次】
はじめに
第一章 ほとんどの国民は、TPPの本質を知りません!
第二章 TPPがわかる基礎講座~TPPの正体~
第三章 TPPで日本は滅びません
1 真の食糧安全保障を確立するために 農業問題
2 国民の健康の安心を築くために 医療問題
3 黄金の国・日本は、美味しい投資対象か 金融問題、投資
4 TPPは日本人の雇用を奪い、格差を拡大するのか? ヒト問題、その他
第四章 TPPは、日本の希望になる!
1 「日本新秩序」へのバージョンアップ!
2 TPPを迎え撃つ最強の日本になる
3 「生き甲斐を感じる」社会を創る
第五章 TPP興国論 日本が強くなるシナリオ
おわりに
●韓国(51頁)
韓国はまだTPP参加への態度を決めていないだけであり、その理由は、同国がすでに米国、シンガポール、マレーシアなど、現在のTPP交渉参加国九ヵ国のうち七ヵ国とFTAを締結しているからだという面があります。
●農業(126頁)
10年後の農業や農村の姿を描き、そこにポスト農協が自らの役割を見出していけるような絵姿を描かなければなりません。それは、21世紀における日本の地域再生のあり方を構想することでもあると思います。
●コメ(130頁)
TPP参加国で米を作っているのは基本的に米国だけです。
しかも、日本人が食べている品種は一部の州でしか生産されておらず、その量もわずかです。それは20~30トン程度とされ、日本の国産米の数%にすぎない量です。仮に、100トンまで増産しても、一割を超える程度です。
●食料安全保障(134頁)
平時には国内需要を上回る���メを生産してそれを輸出し、いざ食糧危機で海外からの輸入が困難になれば、輸出していた米を国内向けに振り替える、といった対応が必要です。
☆関連図書(既読)
「TPP亡国論」中野剛志著、集英社新書、2011.03.22
「間違いだらけのTPP」東谷暁著、朝日新書、2011.05.30
「よくわかるTPP 48のまちがい」鈴木宣弘・木下順子著、農文協ブックレット、2011.12.31
(2014年5月29日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
最初にお断りしておきますが、この本は、日本が無条件でTPP参加国になることを主張する趣旨の本ではありません。日本が真の自主独立国家として、繁栄と国際社会における名誉ある地位を築くために、TPPが千載一遇のチャンスになるものであることを示そうとするものです。しかし、私たち日本人にそのような覚悟ができないというのであれば、TPPに積極的に賛成することは難しくなると思います。ただ、TPPに反対する方も、反対する前に知っておいてほしいことがあります。この本を読んだ上で、やはり反対だというならば、それに代わる日本の現実的な繁栄の姿を描き、しっかりと語ってください。