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整理魔の母、無口でぶれのない父、少し変わった両親との暮らし、そして独立、家族の喪失。
息子の口から語られる、森さんにしては珍しいタイプの家族小説。
森家がベースになってたりするのかしら?
中身はとある家を中心にした軽めの年代記、といったところ。
老いた両親を持つ子の目線で読む場面あり、これから巣立っていくであろう子を持つ親として読む場面あり。
淡々と書かれたいぶし銀のような文章の数々に、うんうんと頷くことしきり、でございました。
母を、そして父を亡くすということは、かなり辛く哀しい事だと思っていたのだけれど、それをちょっとだけ和らげてくれるようなお話でもありました。
「親孝行という言葉があるけれど、それは親の面倒を見ることではなく、人間として成長し、立派になり、親の生き方を真似つつ、自分の人生を歩むことだ。」
あぁ、確かにそうかも。
親として、子供にはこう考えてほしいってトコもありますねぇ。
あと人生の終わりが見えたら身近な人に「ありがとう」って言えるようにしておこうと思います。
突然やってくるのではないのならば、死への準備は計画的に、ですね。
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かなり変わり者の家族だけどそれぞれに理屈が通ってる。特に盛り上がりもなく淡々とした語り口でもあきないのは森家もそういう感じなんだろうという興味からか?
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久々の森博嗣氏の新刊。
静かで淡々としていて心地よい読書時間でした。
ほんのりと寂しさを感じたのは年代設定とそれを感じさせる装丁も一つの要素かなと個人的に感じました。
森博嗣作品の装丁は鈴木成一デザイン室のものが多いですが、毎回秀逸で素敵です。
多くの人がブログやSNSなど、人との過度な結びつきや互いの干渉を求めるように感じられる現代ですが(むしろその逆?)、森博嗣作品に一貫して見られる他人に必要以上に干渉しない、個人主義や空気感が好きです。
本当に会話文がほとんどないっ!笑
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ビターテイスト。ほぼノンフィクションのはずだけどフィクションのように遠く感じる。けれど普通の人よりも自分はそっちよりの意見。
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相田家という、森家を彷彿とさせる一家の家族小説。
なんだけど、ドライというか、クールというか、感動の家族愛! みたいな話ではない。
じわっと温かくはなるけどねー。
親の老後とか後始末とか、勉強になります。
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大変失礼だけど、私はいつも、あらすじとか帯文は下手に先入観ができてしまうので読まないようにしている。読み終わってから「家族小説」と帯に書いてあるのを見て、これにはとても納得した。確かに相田家と云う一家一代の家族小説だったからだ。森博嗣が家族小説?と、最初だったら違和感があったかもしれないが、読了後ならすんなりと受け止められる。
相田家と云う核家族四人(父母兄妹)の、始まりから終わりを綴った話。兄が主軸であり、相変わらず森さん自身の話が混ざっている。
うまく表すことができないのだが、親とは、子どもとは、いろいろ考えさせられる。
子どもはいつしか家を出て、他に自分の「家」を作る。だから家族ではあるが、親の「家」は彼の「家」とはなりえない。何をどうあろうと「飼いならす」ことはできない。
後半部分、兄が妹に空き家になった相田家へ泊まればと云ったところ、「気味が悪い」と断るシーンがある。仮にも結婚するまで過ごして来た家を無人だからと云うだけでそう云えてしまうことに驚いた。既にその時点で、彼女はもうその「家」の住人ではないのだと実感した。
一世一代で築き上げてきたものも、当人が故人となれば、それは故人のものであって誰のものにもならない。最後に息子が取った行動は、破壊行動にはならないだろう。そうして父母の相田家は終焉を迎え、また息子が築き上げた相田家も、またいつしかそういった形で終焉を迎える。そうやって家と云うものはリセットされ供養されていくのだと感じた。
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自分は普通だと思ってしても、親の影響は確実に受けている。どんなに、普通にしようとしても、親の期待には応えようとしてしまう。亡くなってやっとわかるんだとしたら、多分それが愛なんだろう。何もかもを残した家を解体して。残ったのは愛だけ?
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森博嗣さんの小説。長い事、積ん読状態になっていたけど、ようやく読む事が出来た。
家族がテーマの小説。鍵カッコでくくられるセリフの少ない小説。ただ、読んでいて不自然なところは全くない。なぜなら、頭の中にある事を書いて行くと、こっちの方が自然と思われるから。
登場人物の感じが、自分の境遇に似て居なくもない。そのため、自分の感情がかなり大きく揺さぶられた。
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森博嗣先生の新刊。もったいなくて、読めないでいます。体調を万全にして、気合いを入れて読みたいと思っています。
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相田家の始まりから終わるちょっと前までを淡々と書いたお話。
ミステリーじゃない森博嗣ってやっぱり意外な感じだなぁ。
そしてほんとに淡々と一つの家族の人生を書いているだけなのに、なぜか結構良かった。
世間的に見れば強烈な個性を持った両親だったかもしれないけれど、この家族は幸せだったんだろうなぁ、と思う。
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両親を失う過程について綴られた話。
これまでの著作の中で、数は少ないが何度か出てきていた家族に関するエピソードを拾い上げて、フィクションを織り交ぜて再構築している。
たとえば、既出のエピソードとしては以下のようなことが記載されている。
・母は、おもちゃは買ってくれなかったが、道具はすぐに、しかもとてもよいものを買ってくれた。
・父は、あまりしゃべらないけど、ふとしたタイミングにすごさを感じさせるような人だった。
父も母も確固とした価値観があったようだ。いずれにしても普通からは大きく外れた位置にいるような人たちであった。
両親の死について、森博嗣はどのように感じたか。どのように行動したか、なぜそのようなことをしたかについて、考察を述べている。
「喜嶋先生の静かな世界」と似た雰囲気を持つ作品。
淡々として、少し切なくなるのだけど、人生に感謝したくなるような。
そんな内容。
http://unreconstructed.dtiblog.com/blog-entry-36.html
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日々を積み重ねるのは、生きていくのは何のためなのか。言葉にするとなにか違ってしまいそうな事たちだけど、読んでいる間だけは分かった気になれました。自分の中の家族への想いが磨かれていく感覚が心地よかった。
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上司から頂いた本。
頂いた際にどんな本かと聞いたところ「自伝というか、日記というか一家の話だ」と言われ、よく分からないままあまり期待せずに読んだのですが、よく分からないまま引きこまれてしまったという印象。
少し他とは変わった家族について淡々と記述された本。
盛り上がる箇所が特別あるというわけでではなく、されとて読んでいて退屈することはありませんでした。
森博嗣さんの作品はコレを除くと「S&Mシリーズ」しか読んでいませんが、もしも「犀川先生」が彼女と出会わなければこういった人生を歩んだのかもしれないとか考えてしまいました。
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人が亡くなり、家族が喪失する姿を物理的に淡々と綴った本。今になって思うと、なぜあの時期にブログで森さんはこんな発言をされるか? と、思うこともしばしばありましたが、本を読むと納得できます。ある意味、森先生の自伝本。
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エッセイなのか小説なのか会話はほとんどなく淡々と書かれている。
相田秋雄紗江子夫妻の老いて亡くなる過程を見つめる息子の紀彦夫妻。子の育て方、親の看取り方、相田家はちょっと変わった部類にはいるけど何処にでもある家族の在り方が描かれていて考えながら読み進めた一冊だ。