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twitterで話題のもんじゅ君の本。
柔らかい語り口で問題提起してきます。生まれる前からあった原発が果たして正しい存在なのか、これからどうしたらいいのか考えるために、正しい知識を優しく取り入れたい方に。
交換可能エネルギーのリスクやデメリットにも少し触れてもらってあると尚一層公正な内容になったかなと思います。
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まさか、高速増殖炉にホロリとさせられるとは!
ツイッターでおなじみのもんじゅ君が、あの語り口で綴った1冊。
えー、もんじゅ君、今まで詳しく知らなくてごめんなさいですだよ。
という私のように中途半端な知識しか持っていなかった人間にとっては
うってつけの本ではないかと。
夢の原子炉といわれ続けてン十年、もうそろそろ目を覚ましたら?
というもんじゅ君からの問いかけが聞こえてくる気がします。
――もんじゅ君の夢見る2050年が訪れますように。
【収録内容】
履歴書
ごあいさつ
第1章 はやくおしごとやめたいよ
第2章 高速増殖炉のしくみ
第3章 「もんじゅ」のどこがあぶないの?
第4章 世界の高速増殖炉のなかまたち
第5章 どうして「もんじゅ」をあきらめないの?
第6章 2050年もんじゅの夢
あとがき
参考文献
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物心ついたころから「放射能怖い」「核廃棄物どうすんの?」という漠然とした不安から反原発だったけど、この本を読んで、原発がどうして怖いのかとか、本当には低コストじゃないとか、具体的な知識を得て、目からうろこが100枚くらい落ちました。もんじゅ君のほのぼのとした語り口で、原発のことがものすごくよく分ります。原発のこと考えてる人も、考えてない人も一読して欲しい良書。最終章の『2050年のもんじゅ君からの手紙』を読んでせつなさに涙ぐみました。
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高速増殖炉もんじゅの歴史と共に、原発とその今後についてゆるい文体ながらも、真面目な調査のもと書かれた一冊。
本書のすごいところは、おそらく小学生でも分かるような原子力発電の仕組み説明にある。漢字にフリガナ振っているし、文章もゆるい感じ。とっつきやすいんじゃないかな。大人にとってはちょっと読みにくい気がするけど、それを求めるにはちょっと酷な気がする。
話の筋としては反原発な感じ。ただ、それだけで読まないというのはちょっと待って欲しい。
そこで生きる人、原発関係によって生計を立てている人はいる。第5章の「どうして「もんじゅ」をあきらめないの」はそのことについて書かれているのだが、う〜ん、なかなか話は難しい。一つのエコシステム(生態系)が成立しているために、急にそのエコサイクルを壊すわけにも行かない。
だが、世の中の流れから考えるといずれそのエコサイクルは徐々に解散への道に進むと思う。それが、今日、明日や今年、来年の世界ではないとは思うけど。
最後の第6章はちょっと蛇足な気がするな。無理に反原発のほうに話を持って行っている気がする。夢かもしれませんが、そんなにみんながHappyになるのか?夢見過ぎじゃね?と思います。
そういうことで、第6章はちょっと鼻についたので、星を減らしましたが、良書です。
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ツイッターのもんじゅ君の語り口、用語がいかされていて、「おしえて!もんじゅ君」よりも、よりもんじゅ君らしさを感じられます。
「おしえて!もんじゅ君」は、小学生も含む幅広い年齢層に向けた原発・放射能知識の入門書。
「さようなら、もんじゅ君」はジョークが分かる大人に向けた、高速増殖炉の自伝。内容はもちろんシリアス。
・・・って、感じでしょうか。どちらも良書です。
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「もんじゅ君」というキャラクターがかわいらしい口調とわかりやすい文章でこんこんと説明してくれるので、とても読み易く、理解し易かった。
高速増殖炉については、「名前だけは知っている」くらいの知識しかなかった。それではダメなのだろうと頭では解っているが、それらしき本を読んでも難解且つ専門的で理解出来ない。そんな自分への救いの本だ。
実際、こんなに予算が使われ(1日5000万円!)ているこんなに不完全な技術の施設だとは思っていなかった。しかも完成予定が2050年(当初予定は1980年!)だというから驚きだ。
科学技術の研究は、「今使えるか」が目標ではなく「100年後に何かしらの技術になってるかもしれない」とうい目標で進められるギャンブルの様なものだという事は知っていたし、それに対して反対もない(電気の研究だって研究当初は現在の様に利用されるとは思われてなかったし、今のニュートリノの研究だって「将来何かに使えるかも」という研究だ)が、これは流石に勝手が違うのではないだろうか。
そして、これだけ大掛かりな技術の使い道が、結局は発電用のタービンを回したいだけという……もっと他に良いタービンの回し方があるんじゃないのか?海流を使ってタービンを回す研究の方に、予算を回した方が良いのでは?
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「おしえて もんじゅくん」と前後して読んだ。
こちらは高速増殖炉の仕組みに比重を高くして書いている。
漢字にルビをふったりして、中学生以上には読めるように配慮してあるのは、「おしえて もんじゅくん」と同じ。
2冊合わせてお勧め。
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原発や高速増殖炉のしくみ、日本のエネルギー政策の変遷、なぜ日本が核燃料サイクル計画をやめられないのか、などなど。
知りたい人には入門編になるし、いくらか勉強してきた人にも整理になります。
ぜんぶの漢字にルビがふってあるし、もんじゅ君がやさしい言葉でおしえてくれるから小学生でもわかります。
第6章の「2050年のもんじゅ君の夢」は、胸が熱くあって泣きそうになりました。
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ツイッターで「もんじゅ君」がツイートしてることは知っていたが、いつのまにか本まで出ていたのだった。この本と別に『おしえて!もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能』という本もあるそうなのだが、そっちは図書館になく、『さようなら、もんじゅ君』だけがあった(その選書の区別はどこに…)。
こっちの本は「ボクもんじゅの書き下ろし自叙伝!」ということで、もんじゅ君の履歴書から始まって、ナトリウム漏れ事故のこと、ふつうの原発(軽水炉)とどう違うのか、"夢の高速増殖炉"はどこが危ないか、どうしてもんじゅ開発をあきらめないのか…などが、もんじゅ君の「~ですだよ」口調で書かれ、終章は「2050年もんじゅの夢 もしも廃炉になれてたら」となっている。
▼…放射能や原発のはなしになると、原発に賛成のひとも反対のひとも、どっちもみんなケンカみたいになってしまってたことも、すごく悲しかったよ。
「原発っていったいなんなんだろう?」
「いま、なにがおこっているの?」
「ほんとうにだいじょうぶなの?」
べつに賛成でも反対でもなくって、ただわかんないな、こわいなって思っているだけのひとでも、そういう話題についておしゃべりすることじたい、学校や会社でなんだか遠慮しないといけないような雰囲気もあるみたい。そういう、自由じゃない、不安でいっぱいの空気が、とても悲しいなって思ったの。(pp.8-9)
もんじゅ君が、ちょっとでもわかりやすくと書いてくれた本は、ほんまにわかりやすかった。
「2050年のもんじゅの夢」は、原発フレンズたちがみんなハイロになった未来を描く。そこでもんじゅ君はこう言っている。
▼…原発や放射能のことをきっかけに、みんなでたくさんおはなしをして、ちょっと社会の空気がかわったのかな、って思うよ。
なにかヘンだな、って思ったり、こまったことがあったときに、「まあいいや」「どうせ」「しかたないし」ってあきらめることが、まえよりもちょっとへったような気がするの。ヘンだな、いやだな、って思ったら、しらべてみる。家族の意見をきいてみる、友達や職場や近所のひととはなしてみる、そういうひとがすこしふえた気がするの。…
なんだかちょっと、まえより風とおしのよい社会になった気がするよ。
なにより、もう地震が来てぐらぐらって揺れても、原発派だいじょうぶ!?って心配しなくてよくなったしね。(pp.191-192)
42年ぶりに、日本の全原発が停まったこの5月。
『We』での吉野さんのインタビューを読みなおす。
「除染をするということは地域が汚れているということです。どうして子どもたちを汚れた地域に置いたまま除染をするのですか」(『We』177号、吉野裕之さんインタビュー)
(5/21了)
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高速増殖炉もんじゅの非公式キャラクターが語るもんじゅの話。
普通の原発(軽水炉)ともんじゅ君(高速増殖炉)の違いやプルサーマルの仕組から、原発推進の背景や止められない理由まで。
それがどんなものでどこがどう問題なのか解説していく。
かわいい口調と平易な言葉による説明が基本的なことが全然わかってない身に嬉しい。
もんじゅの廃炉・脱原発を支持する立場を明確にしつつ、恐怖や不安を煽るのではなく問題を指摘していく姿勢が快い。
はっきり主張がなされているのに思想の誘導ではなく、考えさせるための材料になっているのは語り口のおかげもありそうだ。
原発やもんじゅは怖いんだけど、それよりさらに怖いのはおかしな状況をおかしいと言えない空気。見込みのないことを惰性で続ける現状をとめられない思考停止。
だから考えるための知識を配り、考えろと訴える。
原発政策のダメさを鋭く批判する発言をもんじゅを悪役に吸えるのではなく「もんじゅ君」というかわいらしいキャラクターでやるというのが面白い。
ドイツでは高速増殖炉の建設が完成したところで計画をストップさせたことがある。
作ったのに一度も動かさずに廃炉(?)にするのは無駄だけど、危ないよりはマシ。
未使用だから汚染はされていない。今は形をいかしつつ遊園地に生まれ変わっている。カルカーワンダーランド。
ABCD包囲陣、オイルショックとエネルギー資源のない国であることをつきつけられた日本は「夢の原子炉」にしがみつく。
トイレットペーパーを溜め込みたい日本の習性は、英独の飢えへの恐怖と同様のものなのかもしれない。
『カブラの冬』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4409511122
原子力発電が優勢なのは原発が優秀だからとは限らない。というのは冷蔵庫の形式の話と多分同じ。『お母さんは忙しくなるばかり』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4588364146
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『おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能』 著者:もんじゅ君、制作:大島 堅一/左巻 健男、平凡社と合わせて読めば、より理解が深まります。
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少しでも原発って…と考えたことがある人にはぜひ読んでもらいたい
大人なら30分で、子どもでも読める内容だし
もんじゅくんが語る、という形式がすごく良いと思う
一方的に責めるのではなく、なにが問題なのかが見えやすくなっている
最後にもんじゅくんが見る良い方の夢が現実となるように(もう悪夢の方に向かっているけれど)、日々、できることをしていくしかないな、と
それにしも良い本だった
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電気を発生させるには「タービン」を回す
タービンを回す方法に水蒸気を使うのが「火力発電」「原子力発電」
火力発電は石油・石炭などを燃やす
原子力発電は核分裂を起こす
原発;中性子はゆっくり、冷却材は水、燃料はウラン235
高速増殖炉;高速中性子、冷却材はナトリウム、燃料はプルトニウム239、発電しながらプルトニウム239を増やす
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ウランを使って普通の原子力発電をする→使用済核燃料が排出される
使用済核燃料からプルトニウムを取り出して加工しMOX燃料を作る
MOX燃料を使って高速増殖炉で発電する→使用済核燃料が排出される
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資源のない日本にとって、使えば使うほど燃料を「増殖」させることのできる高速増殖炉は夢の原子炉だ!!
原発は冷却材が沸騰して泡ができると核分裂反応は起こりにくくなる
高速増殖炉は冷却材が沸騰して泡ができると核分裂反応が加速される
高速増殖炉の実験炉は1946年に開始→2012年現在、まだ実用化されていない、毎年200億円の予算が使われている
高速増殖炉を停止;アメリカは1977年、ドイツは1991年、イギリスは1994年、フランスは2010年
MOX燃料を作ることもうまくいっていない
ゴミである使用済核燃料からMOX燃料を作る、、、のだけれど、この時にもたくさんの放射性廃棄物が出る
高速増殖炉が動かないから、普通の原子力発電で無理やりMOX燃料を使用している=プルサーマル計画
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「原発どうする?」「原発どうなの?」
と思っている日本中の大人も子どもも読んでほしい1冊。
原発のしくみから日本でのなりたち、そしてなぜ日本でこれだけ原発が増えたかを、高速増殖炉の「もんじゅ君」がじぶんのこととしてとってもわかりやすく解説してくれます。
なによりもんじゅ君の人柄(炉柄?)がイイ!
こんなにかわいく健気な炉に「ぼくはやくお仕事やめたいよ・・・」と言われると、もんじゅ君のためにもがんばって脱原発しないと、と思ってしまいます。
ほのぼのとした口調ながらも、原発、そして核燃サイクル計画の無謀さを暴露して、そのうえ最後では2050年原発が廃炉になった世界を描いている、すぐれた内容の本です。
一家に一冊、学校の図書室にも置いてほしいですね。
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イラストが可愛くひらがなも多いため、小中学生でも読みやすそう。原発、もんじゅなどから再生可能エネルギーや配送電ロスを減らすことに予算を割り振ったとして、実際に効果として表れるほどのものが作れるのかはよく分からない。また、再生可能エネルギーをベース電源として利用した場合の、需要と供給のバランスの取り方(ピーク時の不足や余る場合)についても特に書かれていないので、難しそうなのではないかという思いは払拭できず。