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ほんとにしんどくなります。
著者の田房永子さんがブログで、この本の発売に際し書かれていたのですが、描き始めた頃の怒りの感情が2年くらいすると収まってきていたそうです。だからなのか、この本の最初のページには母への怒り、不満、そういったものが強く感じられるのに、後半、エイコが結婚・妊娠したあたりから少しづつ、そういう強い感情が薄れているように思いました。
私自身が母親であるので、この本に登場する「母」の姿に自分に似たものを見てしまい、我が子もエイコのように辛い思いをしているかも知れないと思うと、心が痛かったです。
それでも、ここまで酷くない、こんな事はしていない、と、自分をこの母と重ねないようにして、大丈夫、と自分に言い聞かせたりして。
愛情がなくて、こういう母親になる訳では無くて、どこかで間違っちゃったんだろうな、と思う。
母親自身も自分の異常さに気付けばよかったんだろうけど、気付けないまま子供を育ててしまった。父親も父親で、まともそうに見えて結構強烈だしなぁ…。
エイコが結婚・妊娠して、嫌いだった母親のようになりそうな自分に気付いて、そうなりたくなくて精神科を受診した事は良かったと思う。
精神科の先生も良かった。
「一人で戦ってきてえらかったと思うよ」
その言葉でエイコはだいぶ救われたんじゃないかなぁ。
親に不満を抱きつつ、親が嫌いだと思いたくても、金銭的には助けてもらっていたり、外側から見ると、どうして不満を抱くのか分からないと言われる親子関係でも、子供側から見ると不満を抱いていて、でもそれを口にする事も出来ないという人はいる。
親を嫌いと言えない。親は尊敬すべきもの。虐待された訳じゃない。
でも、子供の望むものと、親が与えているものが著しく違っていれば、子は親に不満を抱いてもいいと思うし、それを口にしても良いと思う。
親は子供に「育ててやってる(やった)のに」と恩着せがましく言ってはいけないと思う。これは、私の経験で思う事だけど。
親が子供を育てるのは当たり前の事なんだよ。
もしも、親が嫌いなのに嫌いと言えない人がいるなら、嫌いって言っていいんだよ、と言いたい。
あなたは悪くない。
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今まで読んだ事のない様な内容。
内容に共感はできなかった。
「親のエゴにがんじがらめにされ、身動き取れなくなる状態」が作者の気持ちの動きと共に詳細に描かれていて、読んでいてとても息苦しかった。
生活力のない子供にとって親は全宇宙。家庭という閉じられた社会で育ったけれど、そこから作者が考え、自分と向き合い、自力で抜け出せた所まで描いてあったのには救いがあった。
わたしがこの漫画を読んで感じた苦しさの何百倍も何千倍も、この作者は苦しかった、抜け出したかった、逃げたかったと思う。
「面白かった」と言って安易に人に薦められる本ではないが、自分のトラウマと逃げる事なく向き合い、闘って自らの答えを出し、乗り越えていく事は誰にでもできる事ではない。
わたしはこの本が、この作者が好きだ。
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読んでる間、相当キツかったので
描いた作者さんはもっともっと精神的に大変だったと思います。
本の中にもありますが
こういう内容の本って世間様の
「育てて貰った親に文句を言うなんて」
という無言の圧力がかかるから
世に出してくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。
私の親もここまでではないですが
多少似たようなことされて
育ったのですごく共感してしまいました(泣)
大嫌いでいいと思います。
難癖つける奴等には
「じゃあ、同じ環境で育てられてみる?」と一言だけ言ってやりましょう。
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読み終わってから、じわじわきます。
なんだか腑に落ちない気がして、二度、読み返してしまいました。
恐ろしい、ひどい、信じられない、かわいそう、月並みな言葉ではあらわせないごちゃごちゃな気持ちになりました。
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私はこの母とは全く違うといえる母親はいないと思う。多かれ少なかれ子供のためという名目で支配してしまっているのでは?反面教師という形でとても勉強になった母親業指南書だと思う。
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帯の3秒で激変する母に心当たりがあり購入。でも私の想像の斜め45度をいく母上の話だった。
自分も自分の母もここまでは酷くないけど、親の考えに子供って洗脳されがちだし、自分を評価する存在を自分の中に設けるっていうのに共感できたので買って良かったと思う。
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書店で平積みされていた本。「気づくまで」の物語で、悩み中の人も受け入れやすいかな、と思う。親を嫌うということは非難されがちだし、自分でも受け入れがたい。そんな中で、「私だけじゃなかったんだ」という気づきを一部の人に与えられる良書だと思う。
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しんどかった。
「世の中にはもっとひどい親がいる」「虐待ではない」のかもしれないが、自分の心の痛み、まして家庭内の事に相対化は意味がない。
とはいえ、自分も母親に色々と割り切れない思いを抱いているがこれに比べたら些細だと思って少し楽になった。
むしろそういう自分を客観視する足掛かりになったのではと思う。
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いないだろう・・・こんな父母~突然通わされるピアノやバレエ:ブラジャーを買ってくれない:アルバイトも学校行事も邪魔される:私の友達と親しくなろうとする:ケンカしたら職場に抗議の電話~こんな母親はいないだろう・・・こんな父親も。と思うことが間違いかも知れない。完全にパラノイアだよ。それにしても,絵が下手・・・だけなら良いけど,パソコンで描いているし
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気性が荒くて人としてかなり未熟な感じのお母さんに育てられた著者の、小さい頃〜成人するまでを綴ったマンガです。エピソードを見てるとかなりゾッとするんだけど、冷静に読むと、お母さんにいくつかの傾向があるような気がしてきます。自分に自信がない、世界が狭くて価値観が硬直化しがち、世間体を過度に気にする、見栄っ張り、子育てがアイデンティティとなるあまり娘の自立に異常に腹を立てる、などなど。娘の立場(親は、親として小さい頃から育てているというだけで、子にとって圧倒的な存在感を発揮してしまうので)から、そういうことを客観的に見るのは非常に難しいと思います。たぶんこういう本があることで、親を客観的に「ひとりの人」として観られる人が増えると思う。それはとても良いことだと思います。親だろうが、ダメな人はどこまでもダメな人だと思うので。
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絵柄に騙されたが、かなりヘビーな内容でしんどかった。
彼女が無事に親の支配から生還できたことにホッとする。
自分がいま、何かを埋めるために子どもを支配しようとできる立場にいることを忘れないでいたい。
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面白かったが、この作家さん、これだけでネタが尽きてしまうのではないだろうかという余計な心配をしてしまう。内田春菊、(本書でも言及される)花輪和一、山田花子など、ガロ系の作家には家族間や人間関係のトラウマが根底にある作家さんが多い。田房氏もガロ系「アックス」のデビューというところ、伝統を引いている。しかし、先行する作家さんと比べて、表現が直接的すぎる。それだけ、家族の問題がこの著者にとって切迫していた、ということなのだろうけど、初期の内田春菊のように「そのまま」を描かず作品にしたほうが、もっと多くの人を捉えたのではないかとも思う。内田春菊も自伝的作品「ファザーファッカー」を出してから衰えて行ったが、田房氏はそこからスタートしたことになる。
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「母親の事、大嫌いでもいいですか?」のオビが気になって読んだ。
そこには子供の為に、と言いながら常に自分の支配下に置いただけの恐ろしい母親がいた。
幼い子供がそこから逃げる事など絶対不可能。
これは下手なホラー映画より数倍恐ろしい…
が。
年月は流れ、成長した子供には<結婚>と言う、母から完璧に逃れられる手段が出来た。
(やれやれ)
しかし、筆者を苦しめてきた呪縛は簡単にはほどけない。
何よりも自分の幸せだけを見つめる人々に囚われ続けてきた筆者の苦悩が本当に痛かった。
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話題になっていたので。
このお母さんはなんらかの発達障害を抱えているのではないだろうか。
たとえば、発達障害を疑う自己診断 http://www.geocities.jp/yanbaru5555/selfDiag2.htm を見るとあてはまる部分が多い。
そんな母親の下で傷ついたりしながらもなんとか生き延びた著者の姿にほっとする。
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読みながら途中でものすごく胸がイタ苦しい感じになりました。
息がしにくいというか・・・。
でも、不思議と何度も読み返してしまいました。
親がこんなであったら、
子どもであることは無力だと思う。
色々考えさせられました。