投稿元:
レビューを見る
かつて話題となった路上生活者の「0円ハウス」(リトルモア)を小説化したような感じでした。
映画化されるようなので細部の構造がどのように表現されているのか楽しみです。
「僕はこの先が分からない世界の中で生きていることになぜか希望を感じているのだ。」
投稿元:
レビューを見る
主人公は、立ち位置が変わり新たな環境で生活することになるのですが、今まで経験したことのないことを経験し、その環境を楽しめる主人公に感動しました。
また、時が経つごとに、だんだん周囲の優しさがなくなって行くことに、今の日本の現状を表しているようで虚しさを感じました。
自分は困っている人がいたら、手を差し出せる人になりたいと思いました。
投稿元:
レビューを見る
今はやりのお片づけ、断捨離の対極、物を拾って工夫して生活する隅田川の路上生活者。台東区という都会の半端でないゴミのおかげで、なかなかに自由な人生を楽しんでいたが、とうとう行政の罠?でスーさんとマーコはリヤカーの上に造った家とともに旅立つ。この家を想像するのだが、リアルに思い浮かばない。挿絵があると良かったのにと思う。
投稿元:
レビューを見る
著者についての予備知識も何もなく偶然読みだしたら、止まらなくなった。ホームレスも創意工夫と努力(?)しだいで、かくも楽しく暮らしていけるものだとは。その細部の具体的描写がおもしろい。途中までノンフィクション作品かと勘違いしていたくらいだ。この著者自身かなりユニークな人のようなので、今後の活躍に注目したい。
投稿元:
レビューを見る
「東京は人間がいちばんあったけぇ場所じゃねえか?」。隅田川の河川敷で暮らす硯木正一はしみじみ思う。ホームレスと呼ばれるものの、家はある。しかも、三食、酒、タバコありの優雅な生活。バッテリーを使えばテレビも楽しめる。東京にはほしいものがなんでも落ちているー。実在の人物をモデルに描く、自らの知恵と体を使って生きる男の物語。
投稿元:
レビューを見る
豊かさってこうゆうことかなと思わせてくれた作品。街全体が家であり、庭であるってすごく理想的だなと思った。現代に足りないものを示してくれた。人間関係はもちろんだけど、常に考えて行動すること。現状に満足したロボットみたいな現代人にスーさんは考えることの必要性を教えてくれた。
投稿元:
レビューを見る
ホームレスという全く想像が付かない世界にどんどんのめりこんでいってしまいスグに読みきってしまった。
この本に出てくる人たちに限っていえば、人が思っているよりも暖かいし良い環境で、場合によっては擦り切れた人間関係の中で苦しんでる「家のある人」よりも幸せな人たちに見える。
投稿元:
レビューを見る
隅田川に実在のホームレスをモデルにした小説。これはある意味、本物のノマドなのでは!と衝撃を受けた。「家とは、生活とは、エネルギーとは、どのくらい必要なのか」普通の生活をしていると、全く見えないことばかり。実は12Vの電力でテレビ、パソコンなどの多くの電化製品が十分まかなえること、家の造りを把握しているので自分で自在に直せること。憧れるなー。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。路上生活だからといって決して不幸だということはなく、世捨て人というわけでもない。人の繋がりを大切にし、生き生きとしているスーさんの生き様は魅力的です。
投稿元:
レビューを見る
坂口恭平氏による、彼の本に出てくるホームレスの鈴木さんを主人公にした小説。
ホームレスというと落ちるところまで落ちたという感じがするが、それでも、その人の工夫、感じ方次第で、ここまで豊かな生活を送れるというのは、前に読んだ坂口氏の本に続き、やはり驚き。
一見、主人公のスーさんの知恵や工夫の素晴らしさ、コミュニケーション能力の高さが目に付き、この人どこに行っても優秀じゃん、という気持ちになってしまう。
しかし、終盤でクロちゃんという、鈴木さんとは真逆の一見「無能」とも見える人物が、なんと台東区の色々な家でご飯を食べさせてもらっているなど、台東区を自分「家」のように使ってしまっているという驚きの事実が明かされる。
それも一つの才能のありかただ、と言ってしまえばそれまでなのだが、我々個人個人が、それぞれのやりかた、考え方で、世界を変える余地がまだ残されているのでは?と思った。
解説にもあったが、世界のルールを変えるために戦うというのは、相当な強い人間であっても、とても骨が折れる。
そうではなく、スーさんやクロちゃんのように、自分独自の視点で世界を再発見することが、これからの時代には特に重要なのではないかと感じた。
投稿元:
レビューを見る
「TOKYO 0円ハウス 0円生活」を小説にしたもの。
上記の本の内容がほぼそのまま組み込まれていて、
「0円ハウス」を読んだ後だと、
「これはここの話か~」という発見があって面白い。
軽妙な語り口で読みやすいけれど、
小説としては少し物足りない。
問題があっさり解決しすぎている。
けれども、
たぶんこれは小説というよりは、
希望を含めた未来予想図として描かれているんだと思う。
そういう意味でいうと、
「一般意志2.0(東浩紀)」に似ている。
チョウメイさんの船になるパソコン管理の家や
スーさんのリヤカーハウスでの日本一周というのは、
「0円ハウス」で取材された人が語った夢であるが、
それが現実として描かれていることがその証拠。
投稿元:
レビューを見る
身一つで生きていくには人間力、コミュニケーション力、好奇心、独創性が必要なんだな。
好機を逃さないアンテナも重要。
生きるための知恵を獲得していかなきゃ。
投稿元:
レビューを見る
いまから10年くらい前に
「路上の夢」という、
これまたホームレスのことを扱った本を
読んだことを思い出しました。
正直、ホームレスに
あこがれもないんですけど
この2冊を読むと、
どっちが「普通」なのかが
よくわからなくなります。
いや、だからといって
ホームレス願望がある訳ではないのですが
一方で土地に縛られるのは
まっぴらごめんだ、という意識も強いです。
基本的には悲しいんですけど
なんだかうらやましい、そんな話です。
しかし、車のバッテリーが
そんなに使える存在だったとは。。
投稿元:
レビューを見る
路上生活者が主人公の話。
あることがきっかけで隅田川に住むことになるが、意外に快適であることに気づく。
食べ物には困らないし、自分で家を建てたり、電気だって生み出すことができる。
東京を自分の家として生活する人々の物語からは、なにか人として大切なことが感じ取れます。
投稿元:
レビューを見る
隅田川の河川敷で暮らす実在の人物をモデルに描かれた小説。知恵を使って生きる路上生活者の力強さに圧倒される。また、自分の全く知らない東京が見えてくるというてんでも面白い。
ただし、このように前向きに生きる路上生活者ばかりではないということは、当然忘れてはならないし、一部の人が路上生活を強いられる社会になぜなったのかという点については、別に考える必要がある。