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2012/4/10 Amazonより届く。
2012/10/19〜10/29
オシムさんのサッカー観が十二分に味わえる名作。第七章の本田と香川論がとても興味深い。さもありなんの選択だ。
しかし、オシムさんの記事等を読むといつも思うことだが、あのままオシムさんが監督をしていたら、南アではどんなサッカーを見せてくれただろうか。今のように多くの選手達がヨーロッパへ出ていけたろうか。また、今オシムさんが監督になれば、どうなるんだろうか。オシムさんが監督をやるには選手達がビッグになりすぎてしまっただろうか。歴史にifが許されない以上、空想の世界で愉しむしかないのだが。
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なるほど、確かにオシムだ。
ロングインタビューを文字に起こしただけ…ダラダラ…と、単行本版のレビューにどなたかも書いていたが、前半を読んでいる分には自分も同感だった。
似たような話が繰り返され(決して同じではないのだけれど)…本にするに当たってどうにかできないものかな?と…。
後半、日本サッカー界についての具体的な言葉が出てき始めたところからは引きこまれ、一気に最後まで。
オシムさんならではの視点での、厳しくも鋭く、かつ日本サッカーへの愛情の籠もった数々の言葉には心打たれた。
オシムが(ほぼ)全面的に認める唯一の日本人監督、西野氏…。
彼の契約を更新せずにリーグ最下位前後で低迷(2012年シーズン6節時点)するガンバ大阪の悲劇も、納得。
中村俊輔…、彼があと5年早くオシムと出会っていたなら…南アフリカで活躍する彼の姿を見られたかも知れない(笑)。残念。
★3つの7ポイント。
2012.04.20
【追記】
結局ガンバは17位で終戦。まさかのJ2降格・・・。
西野さんだったら・・・。
もしくは、
もう少し落ち着いた手順を踏んでの監督交代劇だったら・・・。
と思えてしまう。
2012.12.18.書。
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『生存する人類最強の男』
私はオシムさんを、誰憚ることなくそう呼んでいる。
地球上で最も複雑化しているといっていいバルカン半島の政治状況の中で、どんな圧力にも屈したことがなく、どんな勢力の人物も彼の言うことには耳を傾ける。これを人類最強の男と呼ばずして何と呼ぼう。こんな男に勝てるのは、すでに死んだ偉人だけである。
本書は、そんな最強の男の、直近の言行録である。
オシムさんの最強ぶりを示すエピソードはそれこそ枚挙に暇がなく、それは巷にあふれるいわゆる『オシム本』を参照して欲しいのだが、本書は、2010年に単行本化されたものに、加筆して文庫化したもので、オシム本でも最新のものだ。
私は男性に対する評価としてオシムさんを『最強』と感じる以外に、人間として『好き』という気持ちが強い。それは、オシムさんが無類の愛妻家であることと、にじみ出る優しさ、人情味がたまらなく好ましいのだ。
例えばそれは、加筆部分の、東日本大震災直後に寄せたメッセージにおける、
「Jヴィレッジ(福島の原発近くのサッカー少年のためのアカデミー施設。現在は原発事故の対応拠点として国が管理(評者注))の子供たちは、すでにみな安全な場所に避難したのだろうか」
という、日本をよく知るオシムさんならではの細やかな心遣いにもよく現れている。
他にも加筆部分では、なでしこJAPANのワールドカップ優勝にも触れている。少し長いが引用したい。
「(決勝の)アメリカ戦ではずっと劣勢に立たされ続けたが、相手との直接の戦いで彼女たちは決して負けなかった。自分より20cmも背が高く、20Kgも重い相手に立ち向かっていくのは、壁にぶつかりに行くようなものだ。そこで、自分たちは体格で劣っているというのは簡単だ。あるいは別の何かで劣っていると、弱点をあげつらって言いわけもできる。そういうことを言い出したらキリがない。誰しもどこかで他人に劣っているからだ」
我々は困難に陥った時、自分以外の何かに責任を転嫁しがちだ。最後の「誰しもどこかで他人に劣っている」というのはいかにも"オシム節"で、現状を冷静に分析しつつ、必要があれば弱点をも利用して困難に立ち向かうべし、と我々を励ます言葉なのだ。
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本田と香川の代表での使い方の所は面白い。オシムが代表監督のままだったら、有効に使えるのは香川かなぁ。本田には頑張って欲しいけど、いつからかちょっと方向性を誤ってる気がする。名古屋時代のリーグ最後の千葉戦の本田は、凄く切れ良く、またよく動き、周りとの連携も良かった。流れの中のプレイでは、あの試合が最高だったと思う。あの時の本田なら香川と共存して、凄いプレイを見せてくれそう。
それをオシムが率いていたらと思うと、あらゆる面でつくづく悔やまれる。
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面白い。オシムは良いなぁ。サッカーの商業化を案じています。けれどもサッカーとお金との関係の大事さももちろん良くわかっている。こういう人にスポーツを教えてもらえたら幸せだろうなぁ、と思う一冊。
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今はザッケローニのチームが上手くできてきて、それはとても嬉しい事なんだけど、あのままオシムのチームだったらどうなってたのか。こうして彼の考えに触れるとやっぱり考えずにはいられない。
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代表監督時代のサッカーに関する考え方・哲学のみならず、世界のサッカーの今後の在り方、日本サッカーの進む道など考えさせられる一冊。惜しくも完遂はしなかったが現在の日本代表のサッカーの一部もここに含まれていると思う。
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オシムがもし日本代表監督になってなかったら今の日本代表はここまで強くなってなかっただろう。そして、もし倒れていなければ、どうなっていたか?そう思わせるだけの
オシムのサッカー観は哲学に満ちていて面白く、サッカーだけでなく人生観にも影響受けました。
また、大震災に寄せてのメッセージには日本に対する愛を感じました
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サッカーアナリスト田村修一さんによる、オシムさんのロング・インタビュー。たぶん、ビジネス書や啓発書としても読めるのではないかな?(その分野はあまり得意じゃないけどw)
東日本大震災や、なでしこジャパンのW杯優勝へのメッセージも収録されている。
一番印象的だった「オシム語録」を以下に記す。
「いろいろな哲学・考え方を知って、その後で自分がこれだと思ったものを選べばいい。最も難しいのは自分自身を変えていくことだ。自らがずっと真っ直ぐなままで自分自身に確信があるならば、いろいろなことを学べる。しかし考え方と自分自身を変えて、いいものはいいと言うことができるならば、それはそれでまたいい。他人を利用する必要はないが、他の考え方も尊重すべきだ。ある部分では他の人々の方が君よりよく知っている。だがしばしば人はとても閉鎖的で個人主義者でもある」
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[BOOKデータベースより]
「私は彼らに、自分の考えですべてをおこなえる完全な自由を与えて、私自身は何も介入しない。そこから進歩が生まれる」。志半ばで日本代表監督の座を離れたオシム。祖国で語る日本サッカーへの貴重な提言と、世界中から師と仰がれる独特な監督論。文庫オリジナルとして、大震災へのメッセージ、なでしこにも触れた新章を追加。
第1章 日本代表
第2章 日本サッカーに告ぐ―問題点
第3章 オシムの仕事
第4章 世界のサッカー
第5章 オシムの哲学―サッカーの今日と明日
第6章 監督論と監督の仕事
第7章 南アフリカ・ワールドカップ以後
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オシムさんはロンドン五輪での男子サッカーについて、多分メキシコ代表をほめるだろうと思う。日本代表チームの戦いぶりをどう評価するだろうか。多くの評論家が批評を書いているが、オシムさんの意見が一番気になる。文庫版では、なでしこジャパンの2011年W杯優勝を非常に高く評価しているのが印象的。女子は男子とは違うから、というのがよく見られる言説で、それに出会うたびにげんなりする自分には、オシムさんの考え方に触れてなんだか心丈夫に感じた。