紙の本
複雑でした。
2020/12/07 10:49
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
娘の花歩を殺した犯人が逮捕された。花歩の母の理恵は犯人の供述内容を知り、犯人ではないと知る。独自で捜査するうちに身近な人物が浮かび上がる・・・。
手紙・日記の文字の書き換えについてはちょっと分かり辛く不満が残りますが、内容としては面白かった。
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犯罪被害者支援に携わる理恵。少年時代、殺人を犯し理恵の支援で更正したはずの若宮。しかし、若宮の心の内は荒んでおり、理恵の娘を殺害してまう、、、オーソドックスな物語かと油断していたら、最後の最後に衝撃の事実が明らかとなり、オーソドックスどころか、極上のミステリー小説と化しました。今後の活躍が期待される作家さんでしょう。
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面白かったー!
どんでん返しがあるんだけど、なんとなく途中でそうなるんだろうなーって思ってた。
でも読み進めていくうちに、その伏線のことすっかり忘れちゃうくらい入り込んじゃってた。
吉田修一の「悪人」が好きな人は好きだと思う。
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「VOM」という言葉は時々雑誌等で見かけた事がある。偽善的な行為ではないか、と思わなくもない。読み始めた当初は特にそう感じた。被害者のためといいつつ、結局は加害者側と仲介者の自己満足の行為でしかないのではないか。
<ネタバレ>
「罪火」を読み進めていくうち、いつしか加害者が自分の罪への反省を深めていく姿に、徐々にではあるが、この罪人が「ひと」らしい姿に映っていく。そしてラストは...。読んでいる側すら救われる様な思いだった。加害者が自分の罪を真に自覚し、後悔するのは、自分に未来があると心の底から思った時であった。加害者に罪を償わせるという行為がなければ、加害者自身も救われないし、自暴自棄な状態では罪を自覚する事すらないのだな、と。また、赦すという行為で断ち切らなければ、いつまでも復讐・恨みの連鎖は終わらない。
しかし、現実社会では、こういう風には進まないし、被害者側からすれば、何をしても赦せないと思う。
せめてフィクションの世界では、こういう救いのあるラストで良かった。
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被害者が加害者と向き合う修復的司法というテーマにした叙述ミステリー。
途中、だらだらとした展開がないのでさくさく読めるのはいい。
しかし、それぞれのキャラクターも心理描写も結末に至る伏線もどうも厚みがなく、活きていないような気がした。
それでも社会に存在する課題に切り込んだ作品としてはいいのではないでしょうか。
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加害者の若宮忍と、被害者の母親で小学校の校長を勤める町村理絵。この二人の視点が交互に切り替わりながら物語が展開されていきます。殺害に至った経緯と、事件の当事者たちの心情がリアルに描かれています。
最後に大きな仕掛けもあるので、ミステリーとしても楽しめる内容ですが、展開が多少強引かなと思います。
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花火大会の夜、ひとりの少女が殺害される。
殺人犯である若宮と、被害者の母・理絵。
何故若宮は少女を殺害したのか。
若宮の心情を丁寧に描いていくことで、物語はより深いものになっているように思う。
事件の真相はいったいどこにあるのか。
すべてを知る若宮は、けっしてそのことを明かそうとはしない。
けれど、徐々に真実へと近づいていく理絵。
そして、若宮を取り巻く人間関係。
修復的司法という言葉を初めて知った。
加害者と被害者が対話をすることで、本当に被害者の痛みが和らぐのかはわからない。
どの程度有効だと思われているのかも、実際にはわからない。
けれど、この物語ではこの修復的司法というものが大きな鍵となっている。
最後に待ち受けていた真相には驚かされた。
事件当時、たぶん若宮はとても不安定な状態にあったのだろう。
母親の死、突然の告白、そして裏切られたという思い。
若宮のしたことはけっして許されることではないけれど、真相を隠し通そうとしたことを思うと切なくなる。
もう誰にも傷ついてほしくなかったのではないだろうか。
いつもながら、大門さんの物語は読みごたえがある。
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読むなら絶対に真夏!それも花火の夜に読むのが一番!
完全に筆者にやられました。
これはドラマ化されているけど、
観てなくてよかった。
原作をじっくり読んで、本当に面白かった。
犯罪者とその被害者。心理描写と伏線の数々。
最後の最後で。。。
「やられた-!」と叫びました。
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罪火というタイトルが良いですね。
花火大会という大きなキーワードがあるので
そっちに引っ張られて
もう一方の「火」の方は語られてるはずなのに
上手く蓋がされているというか。
校長が意味ありげに「手紙に書かれた二文字」と
言った時に「ああっ!」ってなるという。
でも、それも含めて最後はたくさんある伏線が
サクサク回収されてて気持ちよかったですね。
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犯罪加害者の贖罪とは。更正とは。被害者遺族はなにを望むのか。許しはあるのか。というなかなか、考えさせられるお話でした。一度犯罪を犯したものは、一生許されざるべきなのか。日々、生きていかなければならない中で、犯した罪とどう向き合っていかなくてはならないのか。刑務所で罪を償ってきたからと、犯した事実が消えるわけではない。このお話では、加害者と被害者遺族を会わせる、「修復的司法」が どちらにとっても救いになると信じている校長先生とその娘と息子、過去過失で人を殺めてしまった若宮。若宮にとっては先生は大恩人。そんななか 先生の娘が殺される。読み進めるのが心が痛くなるお話でした。反省すること、謝罪をすることは日常的にあることです。そのごめんなさいという気持ちが、ほんとに心からのものなのか、それは誰にもわからないこと。相手に届かなければ、それは自己満足でしかないのかなと。 この話、最期の最期にびっくりでした。驚きの事実が!やられた感満載でしたよ。
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最後の最後での展開で、胸を締め付けられました。
誰も報われないのは悲しいなあ。
花火を見るとふと思い出しそう。
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デビュー作『雪冤』に続く第2作にあたる本書。
慟哭の社会派ミステリーです。
前作は、冤罪と死刑制度への是非と言ったテーマでしたが、本作は、加害者側の『更正』と、被害者側の『許し』がテーマであり、その2つを繋ぐのが『修復的司法』というキーワード。
冒頭から、犯人が分かっている本作は、倒叙ミステリの1つと言えるかも知れません。
なぜ彼は、恩師の娘を殺してしまったのか?
いくつもの伏線が散らばるなか、最後に本当の真実が明らかになる。一番大きな『動機』の謎が...
しかし、大門氏の作品は、社会的に重いテーマが多いですね。しかし、ミステリーとしての完成度も高く、最後の最後に、それらが融合するのは見事な手腕と思います。
残された者に、許しと希望があることを...
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最初から最後まで、なんだかしっくりこない話だった。主人公(加害者)の目線と、娘を殺された校長である母親(被害者)の目線で語られているのだが、『驚愕のラスト』がわたしにとっては晴天の霹靂、いつそんな風に変わったの?という感じだった。
主人公の若宮は、昔、喧嘩で誤って人を殴り殺し、少年院に入っていた過去がある。母親を火事で亡くし、心療内科に通っている。過去のせいでちゃんとした職に就くことが出来ず、派遣でやりたくもない仕事をしている。
だからクサクサして、生意気な年下のライン長に暴力をふるっていいわけじゃない。そんな人がああいうラストでいいのだろうかと疑問に思う。自分の母親を見殺しにしたからといって、それを悔いている女の子を殺してしまうことに同情の余地もないし、思うことの端々に自分勝手さが滲み出ている。
でも、それが人間ということなのか。
上辺を取り繕う。人によく思われる。
その裏で、心の中にある良心の声と闘う。
うーん。
よく分からない。新年早々、一冊目にこのような本を読むとは。。。
殺された女の子の部屋を警察が徹底的に調べないっていうのはないと思うから、あの日記と手紙のくだりはどうなのかな。それに消して書き直したといっても、さすがに字が違うのはあからさまに分かるんじゃないかな。
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読んでいる最中は「星3つかなー」と考えていたが、ラストの読者に対する作者のどんでん返しが印象に残り、星4つに格上げ。
心が痛いというか、やや凄惨な内容もあるため、読んでいて楽しくない部分もあるが、救いなくエンディングを迎えそうな中で、少しの救いをもたらしたラストは読み応えがあった。
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レトルト食品工場に勤める若宮は鬱屈を感じていた。花火大会の夜、少女・花歩を殺めてしまう。花歩は母・理絵とともに、被害者が加害者と向き合う修復的司法に携わり、犯罪被害者支援にかかわっていた。13歳の娘を殺された理絵のもとに、犯人逮捕の知らせがもたらされる。しかし容疑者の供述内容を知った理絵は真犯人は別にいると確信。かつて理絵の教え子であった若宮は、殺人を告白しようとするが…。驚愕のラスト、社会派ミステリー。