投稿元:
レビューを見る
書く小説には必ず「デブ」が出てくるので個人的には密かに「デブ専」作家と呼ぶ須藤靖貴(本人もまたデブ)の出世作である「俺はどしゃぶり」の続編が出た。「どしゃぶり」の続編などは全く持って期待はしてなかったので嬉しい半面、続編に有りがちな失敗作になりはしないか心配だったが、良い意味で期待は裏切られた。
私立、城徳高校のアメフト部「ベアーズ」は如何せん選手の数が足りないので、いつも後半は選手がバテてしまい勝てないチームだ。三年生最後の夏を一勝のために全て投げ打ち練習に打ち込むベアーズに果たして勝利は訪れるのか、という基本的には教師と高校生の青春物語。だが、爽やかさとは無縁な暑苦しさ満開!TVドラマに有りがちな格好良い選手の姿も無い。何せ登場人物は皆デブで、これは世にも稀な大いなるデブ賛歌なのだ。
登場人物を紹介すればデブ賛歌の意味は判って貰えるだろう:
「どしゃぶり」こと吾郎は城徳高校の国語教師で「城徳ベア―ズ」の監督。学生時代はアメフトをやっていたということで185cm、90Kgの御多分に漏れずデブ。仇名の由来は学生時代の英語の教師が「It never rains but it pours=降ればどしゃぶり」を説明するのに「吾郎は飲めばいつも大酒。ほどほどという事が無い。」という例を出したことだ。
吾郎の飲み友達でありアメフト部の部長である同じく国語教師の山縣は体重110Kgの堂々たるデブ。あだ名は「ゴキ山先生」。本人は「いつもゴキゲン山縣先生」の略と思っているが、掃除をしない部屋がゴキブリの巣窟であることから名付けられた。
城徳ベア―ズのメンバーは銀でぶ、でぶ海、ケンケン、あうし、梅、本格派、抜けタツ、ドロ健、力石、オヤブン、レレ、牧ショウ、イケ、オセ、セニョールの15名。
御覧になってもらえば判るようにデブのオンパレードだし、また仇名がまたイケテいるあたりはあの文豪の「坊ちゃん」みたいなものだ。そうか、デブの坊ちゃんと思って読めば良いんだ。
投稿元:
レビューを見る
アメフトを題材にした青春スポーツ小説。
著者がアメフト経験者であるため、ゲームの描写が迫真の筆致で
描かれている。
巻末にアメフト用語の解説もあり、競技に詳しくない方でも読み
進むことができると思います。
アメフトが人気スポーツとして、認知されるためにも
小説からスポ根ドラマ化を願います。
投稿元:
レビューを見る
先日読了した『俺はどしゃぶり』の続編。
本作品『どしゃぶりが好き』は文庫本書下ろしだそうです。
『俺はどしゃぶり』の表題作品の続きで、
素人高校生チーム「ベアーズ」と”どしゃぶり”の成長??が描かれています。
『俺は…』では1~2年生だった彼らが進級し、
新入生を迎える4月の新学期からスタートします。
1年経ったからと言って、劇的に強くなるわけでもなく、
劇的にアメフトの人気が上がることもなく、
自分たちの居る場所から少しでも上に上がっていこうとする作風が
うそっぽくなくて好印象です。
コメディ度が高かった前作とは少々異なり、スポーツ要素が強くなっているかなと思います。
頑張っている分、何とか勝ってほしい!!…と応援したくなる1冊。
前作に引き続き、私の地元が舞台になっていて、
しかも、今回は母校が登場するので(学校名は出ていませんが分かる人は分かるはず。笑)
アメフトとは異なる視点で楽しむことも出来ました。
投稿元:
レビューを見る
愛着のあるキャラが出てくる続編なので、主人公や生徒たちのやり取りを読んでるだけで楽しいんだけど、彼女の父親がキャラ的に未熟な感じ。主人公に対する「試練のための試練」みたいになってて浮いてた。あんな選択を強いる人もいるのかもしれないけど、存在感に説得力がなく残念。。。
投稿元:
レビューを見る
青春アメリカンフットボール小説
「俺はどしゃぶり」の続編。
アメフトの描写がなかなか詳しく描かれていますが、ルールが分からない人にとっては全くイメージできません。
しかし、そんなことは関係ありません。
この本を読む前に、YOUTUBEでアメフトの動画を2、3分観てください。
アメフトをしている人の恰好をイメージできればそれでOK。
この本の面白さは、アメフト以外にもいっぱいありますから。
好感度抜群の主人公「吾郎」に共感できれば、とても良い読後感になります。