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戦国時代前夜の足利末期の小話が6話。第一話を読み始めたとき太田道灌が主人公の話かと思いきや、2話、3話と読み進めていくうちに、そこに出てきた僧宗瑞(北条早雲)の話であることに気づく。宗瑞は聡明で物事を先まで見通せる能力があり、味方をも欺きつつ時間をかけてでも目標を達成する。いろいろな場面でそれが遺憾なく発揮できたという短編が6つなのだが、いまひとつのめり込めず、感情移入できる前に話が終わってしまった。
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北条早雲を描く短編集。
必ずしも、早雲が主役ではないところがとても面白い。
正直、戦国時代に関する知識が乏しいのだが、伊東氏の本は全く知らない人物や出来事であっても、読めてしまうのがすごい。
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7つの短編はいってます。
それぞれ主人公は違えど、室町後期~戦国時代へと移り変わる関東の戦乱です。
7つ全てで暗躍する北条早雲。一つの話は、別の人間の話だけど、通して読み終わったときに、早雲の話として完了します。
ここにも早雲、あそこにも早雲。
その構成がしびれますね。
個人的には、この時代の人間関係がイマイチ把握しきれていないので、読み進むのに時間かかりました。
短編なので、振り返るのも楽だけど、いかんせん人間関係の把握がね。洋の東西問わず、どの時代でもそれは同じことですが。
なぜか室町後期の人間関係って、抜けてるんですよ。
そんなに、今まで接してこなかったのかなぁ?信長が、張り切りだす時期のほうが、接しやすいからかな?
まだまだ知らないことたくさんです。
楽しみが尽きなくて、ありがたいです。
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北条早雲の呼称で有名な伊勢新九郎入道宗瑞を狂言回しに、戦国前夜の関東の戦乱を描く短編集。
それぞれのエピソードが連続しているので状況を掴みやすいかわりに、この時代に馴染みのない読者向けの説明が吸引力のある物語のテンポを乱していて残念。でもおかげでこの時代への興味が俄然湧いてきた。
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天地雷動ですっかり、伊東潤のリズミカルな展開にどうもはまってしまったらしい。今回の小説は、早雲の誕生に関係する人物を通して描いていくもので、短編の手法ではあるものの、いずれも人物像に深みを感じさせる。他の短編集も同様のようだ。早雲の実像を知ることができる貴重な一冊。
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伊勢宗瑞が周囲の人物を描き出しているのか、周囲の人物たちが伊勢宗瑞を描き出しているのか。
自分は周囲を見、周囲は自分を見ている。双方から見ることによって、より立体的になってくる。
道灌の死を描いた「道灌謀殺」、茶々丸の死を描いた「修善寺の菩薩」、今川氏親を描いた「稀なる人」……「かわらけ」も良かった。構成もよく練られていて、どんでん返しがあったりと、読む手が止まらなかった。
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太田道灌、扇谷上杉定正、足利茶々丸、伊勢宗瑞らの短編集。良きにつけ悪しきにつけ、この時代というのは、互いに戦場で見える無骨な武将の世てすね。これは、これで、人間臭く、面白い。
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この時代の関東は複雑で、その辺りの背景をこの作品だけで理解するのが難しくて苦労した。
ただ、物語としては面白かった。
北条、今川あたりは詳しく勉強してみたい。