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「共喰い」は途中挫折してしまったので、エッセイならオッケーかと思い読んでみた。一応最後まで読むことができたが、面白かったかどうかは、微妙。
ただ田中さん、ラーメン好きで普通の人っぽくて安心しました。
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装幀 有山達也
装画 牧野伊三夫
装画の圧倒的なちから。そしてタイトル文字の説得力。仮フランス装の表紙にも美しく4色刷り。すばらしい。
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共喰いが良かったので、
随筆?エッセイ?のこの本を手にとった。
明るくない感じが好きみたい。
とは言え、全部は読めず、所々飛ばし読み。
最後の章を読んで、本を閉じて、タイトルを見て、
「ああ、そうか。」
と納得したような気分になった。
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純文学の文士にふさわしいエッセイ。残念ながら読解力乏しく著者の心情には迫ることも、心添わせることもできなかった。それでも、時折、飛び込んでくるキラーセンテンスには心打たれ揺さぶられた。意味は掴めなくとも、考察の端緒となり、心の滋養の刺激にもなった。新聞掲載のエッセイということもあってか我々凡夫の目線にまでレベルを落としてくれているのもありがたかった。ところどころに見える誤植が玉に瑕。これだけは残念。切腹といったところか。
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あの芥川賞受賞の会見が思い出される田中さんのエッセイ。
イチドも働いたことがない人だそうです。確かに、読んでいてそんな感じもします。それでも生きていけるのだから立派ですね。
門司付近で鳥の入ったかしわうどんが有名らしい。なんとなく、食べたくなります。
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田中慎弥氏の初エッセイ。
明日もがんばろう!!みたいな感じではないですが、
鬱・・・エッセイではないです(笑)
小説から感じられる、独特の湿気感?のようなものが
エッセイにもあって、面白かったです。
描写の仕方など、切り口が新鮮でした。
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最初の部分は読むのはしんどかった。最後の章はすらすらと。これからもそうだ、という表題は、著者の、俺は変わらないぞ、そんな強い決意を表しているのか。
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田中慎弥氏は惹かれる作家だ。 文章のリズムが心地よい。
全編において「~・・ない」「~・・しない」 否定・言い切り型のオンパレード。よく砥がれた刃物のようで切れ味がよく、切られた皮膚から滴る血滴を舐めたいようないとおしさを感じる。
舞台がかつて住んでた界隈だったこともあり、本の中で彼の頭うしろにふわふわ付いて歩いているような感覚になった。
最後の締めで 唐突に振り向かれ、腕をつかんで目の前の椅子に坐らされた衝撃を受けた。
「これからもそうだ」「これからもそうだ」・・ 背筋に電流が走って、この作家のチカラに感電した。
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芥川賞受賞テレビインタビューのイメージで、礼儀知らずの変なヤツという先入観を払拭できた。真剣に変なヤツとして生きており、作家という職業が好きな、結構面白い人物のようである。年も近いし、似た者同士なのかも。
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田中慎弥氏の2007~12年までの文芸誌や新聞に掲載された文章をまとめた一冊。
前半大部分を占めているのは出版元でもある西日本新聞に連載されていた、九州地方をめぐる紀行文である。
氏が長くその著書に織り込んできた山口・下関の風土や自然観を、旅行先である九州北部の風景と対比させて綴っているところに注目したい。
旅行記の後、北九州市生まれの画家、牧野伊三夫氏の挿絵を挟む。
この絵は、表紙と同様のモチーフと思われるが、著者が訪れ描写した風景をやや抽象的に描いたようにも見える。
ぜひとも手に取ってご確認いただきたい。
後半は文芸誌に書かれたものと、朝日新聞山口県版に書かれたものとがだいたい半分ずつある。
最後は芥川賞受賞後の近況を綴った文章で閉じられている。
とくに新聞連載には、氏の現代社会に向けられたアンテナがどのような情報を捕まえているのか、非常に興味深いものがあった。
氏の生き方からも窺える独特の視点からの鋭い物言いが読後にある種の爽快感を与えてくれるはずだ。是非ご一読を。
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著者のルーツが垣間見れる。下関への感慨、若くして亡くなったお父様への思い。おじいさまから戦争の話を聞いた幼少時代。『共喰い』や『夜蜘蛛』に描かれる世界観はこのような体験が糧となっているのだろう。他の作品を読むにあたっても読みの幅が広がりそうだ。切れ味いい著者の語り口も良い。
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初・田中慎弥。
小説は未読なのですが…この方、もっとエッセイを書いてほしい。
時々、ぐっと心惹かれる文章に出会える。
この方にとっては、まんま、小説を書く=生きる営みなんだな。媚びなくて、ブレなくて、潔い。それでもって真面目で不器用なんだろうと思う。
自分の生き方が一般常識とは大きく離れていることを十分すぎるほど理解したうえで発している言葉の数々。そして「これからもそうだ。」その覚悟と繊細さに触れると、泣きたくなります。
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私は言いたいことを言う。「これからもそうだ。」この気持ちがそのままタイトルに。
人は誰も生まれ育つ環境を自分では選ぶことはできない。
下関に生まれたから小説家「田中慎弥」が生まれたんだなということが(少し)わかった気になる1冊。
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小説の表現の中に、ぐるぐると論理がずれながらが回るような形が多い田中さんだけれど、エッセイの中にもそれが多く登場する。普段からこういうものの考え方をしている人だとは思わなかった。小旅行のエッセイでは、色々な風景を自分の行動に沿って細かく書いているのに、泊まった宿についての描写がないのが不思議。ここに人となりが表れているのかもしれない。サラリーマンの飲み会や学生を見て、自分もああなれただろうか、でももう遅い。と思う描写に、場面と対象は違っても、その感情は僕が2人連れ、家族連れをみる時と変わらず、共感できた。