紙の本
タクタク読み
2014/09/29 13:10
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投稿者:たくちゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
男と女、ちょっとしたボタンの掛け違いで人生を別れる、または一緒に歩む、そんな日常のふれあいを連作時代小説にしたこの一冊は、現代のこの世にも通じて水鏡、最後はホロリとされる秀作と考えます。作家・宇江佐さんの作品は、心にしみる作品が多く、若者に大いに読んで欲しいと願うばかりです。
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ひょうたんの続編。
ひょうたんが面白かっただけに、今回はちょっと間延びをかんじた。
が、あの真面目な長次郎が成長してからの話は意外性があった。
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内容紹介
本所五間堀にある「鳳来堂」。父親の古道具屋を、息子の長五郎が夜鳴きめし屋として再開。朝方まで営業している店には、父親の友人たちや、近くに住む武士、芸者や夜鷹までさまざまな人々がやってくる。その中に、かつて長五郎と恋仲だった芸者のみさ吉がいた……。『ひょうたん』の世界から十数年後、待望の続編登場!
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「小説宝石」に掲載した6章の単行本化。
市井の普通の人の、豊かではないが人情に富んだ暮らしの喜怒哀楽を描く宇江佐真理の真骨頂。
父親が亡くなって、伯父の質屋の手代をやめて骨董屋を継いだが商才がなく、店を夕方から朝まで営業する「夜鳴き飯屋」に変えて暮らしていた長五郎は、10代の時に惚れあっていたのに隠居の妾にならざるを得なかった が、隠居が死んで子連れで芸者に戻っていること、その子が自分の息子かもしれないことを聞かされ、動揺する、
12になっているその子が、同じ芸者の子と晩飯を食べにくるようになって長五郎は張り切るが、肝心の母親は素っ気ない。
読者もやきもきさせられるが、火事をきっかけにハッピーエンドに向かう。
決して感動的な小説ではないが、ほんわかと暖かい気持ちにさせてくれる。こういう宇江佐真理が好きだ。
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「ひょうたん」の続編。
「鳳来堂」の名前を久しぶりに目にし、懐かしさで胸が温かくなった次の瞬間、古道具屋だったはずのそれが、居酒見世となっていて驚いてしまったなんて、まるでしばらく無沙汰をしていたお客みたいな自分に苦笑いしてしまった。
なるほど、前作からゆうに10年は経過している。
今作の主人公は、前作で親戚筋に奉公に出ていた音松とお鈴の一人息子、長五郎だ。
彼は質屋奉公していた才覚を古道具屋では生かせずに、かと言ってのれんを仕舞うのは忍びなく、結果、居酒見世「鳳来堂」として店を一人で切り盛りしはじめることになる。
男手ながら、長五郎が拵えるお菜は素朴ながらどれも美味しそうだし、気風も良く人情に篤い長五郎が親仁の「夜鳴き蕎麦」ならぬ「夜鳴き飯」は、ただ闇が広がる江戸の町の中にあって暖かい明りの灯る、つい寄りたくなる見世なのだろうなと察しがつく。
その長五郎に、「存在すら知りえなかった自分の子どもがいるかもしれない」という噂が耳に入り………
日常を丁寧に生きている江戸市井の人々の暮らしを切り取った作品。
特別なことなどなくても、毎日の終わりに、暖かいご飯とお菜、お酒をお腹に入れられたら、それだけで幸せだと思える「鳳来堂」のお客たちの上気した顔が目に浮かぶよう。
紆余曲折はあるものの、最後は大団円。
あっさりしすぎていて、え、そんなんでいいの?って思っちゃったのは、ちょっと内緒(笑
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安定した面白さはある。
が、残るものがあるかと言われると…
とりあえず浦田さまが思い止まってよかったよかった。
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「ひょうたん」の続編だったのね。主人公は変わってるけどwwずっと同じ作家を読み続けると作品の中で繋がりが出て来ると楽しい。今度は息子が主役なんだね。でも長五郎の性格はもどかしくて、みさ吉がいらつく気持ちもよくわかる。でも最後は親子の名乗りが出来て家族となって大団円。ほっこりした。
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「ひょうたん」の音松とお鈴の息子の話。
人間はまんまとお菜と味噌汁でお腹いっぱいになれば、
そこそこ幸せってものだ。贅沢なんていらないさ。
蓄えなんざ無くたって、夜露を凌げる屋根があればいいのさ。
そんな小さな幸せのひとつひとつがとても温かい、
安心して読める素晴らしい1冊でした。
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江戸・本所にある居酒見世『鳳来堂』の店主・長五郎。周囲の人とのあれやこれや。素朴な料理がおいしそう。
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読み終わってもレビュー読むまで「ひょうたん」の続編だなんて気づかなかった…。がっくし。
たしかに古道具屋の仲のいい夫婦がいたわぁ。贔屓にしてる侍とか出てきたよねぇ。…しかし息子の記憶はなし。
で、こちら夜鳴きめし屋。
やっぱり宇江佐、ハズレなし。粋だねえ、切ないねぇ。
夜通し居酒屋を開く鳳来堂の主、長五郎。長五郎には18の時、情を交わした芸者がいた。その女みさ吉はその後とある隠居の囲いものとなったが、生まれた男の子は自分の子ではないかと疑う長五郎。
珍しくみんないい人。ほのぼの。
くさくさしたことも多いけどそれが人間だぁ!みたいな(笑)
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本所五間堀にある「鳳来堂」。父親の古道具屋を、息子の長五郎が夜鳴きめし屋として再開。朝方まで営業している店には、父親の友人たちや、近くに住む武士、芸者や夜鷹までさまざまな人々がやってくる。その中に、かつて長五郎と恋仲だった芸者のみさ吉がいた……。(「BOOK」データベースより)本所五間堀の「鳳来堂」。若主の長五郎が調えた美味い酒と肴、そして親譲りの心意気に惹かれてまた一人、今宵も暖簾をくぐる―。時代小説の第一人者が描く江戸の情けと心ばえ。
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『ひょうたん』から十数年後、息子の長五郎が主人公。
前作の主人公夫婦を殺してしまう作者の潔さに驚く。
父の死後、鳳来堂を継いだものの古道具屋の才覚が無く店が立ちゆかなくなったため、長五郎と母は居酒屋を始める。
店が落ち着いてきた頃母親が死に、長五郎はひとりで夜から明け方まで店を開く”夜鳴きめし屋”となった。
そこに訪れる客達のエピソードをおりまぜながら、めし屋の日々が綴られる。
長五郎が一度だけ関係を持った芸姑と再会し、自分の息子らしい少年と真実を明かさぬまま交流するのが全体のストーリーの軸となっている。
めし屋なので料理の場面が多く出てくるが、どれも美味しそうで、ほとんどの場面が店周辺なので、物語として動きは地味なのだが活き活きとした情景を感じる。
時代劇にありそうな、ストレートな人情物語でひねりがないハッピーエンドなのだが、それもわかった上で安心して読めるのがよいと思う。
重厚な物語を期待するとがっかりするかも。
6話収録されているが1冊でひとつの物語になっているから長編の読み応え。
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いつ事件がおきるかと思っていたけど、これは事件はない。
人情あふれる人間臭いお話。
ほっこりも悲しさも幸せも詰め込んだ1冊。
そううまくはいかないかもだけど、このぐらい良い展開があっても良いよね。
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久々の宇江佐先生の作品
淡々と物語が進む中、小さなカタルシスがあったのですが、残念ながらなし崩しに時間が解決というオチです
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少しはまっている宇江佐真理さんの時代小説
人情味あふれているけど、きれいごとじゃなく
ちょっと悲しかったり辛かったりしても
人を見る目のやさしさを感じる
魔が差したのかもしれない、人は弱い生き物だ。
いつ、道を踏み外すかわからない。
長五郎はそれをおしのから教えられたと思っている。
お前は拙者を思うて小言を言った。
それを忘れておらぬ。
人の話を聞く耳を持てば、
そうそう道を踏み外さぬものだと、
拙者は学んだ。
文中の言葉で、逆のことを言っているようだけど
違うんだよ・・・縁のあった人を大切に思っていて
そして、謙虚な気持ちなんだなと思うのです