投稿元:
レビューを見る
氏の本は、なんとか先生他を何冊か。また近頃、震災を期に売れてますね(仙台在住ってことで?)。本書は週刊誌のお悩み相談コーナーのQ&Aをまとめた一冊。小説の文章とはまた違った作家の素の部分がアカラサマに出ていて愉快。まぁ、愉快だとか洒落が効いてるとか、脱力ほっこりな感じでは、中島らもの「明るい悩み相談室」(朝日新聞)に優るものはないと思うけど。
氏の作品で較べると、「週刊現代」(だったか?)の連載エッセイをまとめた「大人の流儀」(続も出てるの?)より、もっと荒っぽく、町の頑固親父の怒り炸裂なところが、本書のほうがいっそう顕著で痛快。「大人の流儀」の最初のほうの章で(立ち読みしたので手許にない)、若者を叱らない近頃の大人たちを叱咤して、”理不尽がまかりとおるのが世の中だ”ということを教えこまなきゃいかんと言い放っていたのが印象的だったが、本書もその主張をさらに全面に押し出して好き勝手言い放っている。
「末期癌の友人を見舞い、なんと声をかけたらよいか?」との質問に「君ね、人生の大切な時の言葉を人からの借り物で、口にしてはダメだよ」と門前払い、同棲相手が突然いなくなり喪失感を抱えた相手に「知らんよ。(中略)人生は残酷という瓦礫の上を歩くもんだ」と突き放す。そんなケンモホロロな応酬が大半で、これホントに週刊誌(こちらは「週刊文春」)のお悩み相談コーナーとして成り立っているの?と思わず心配になる。それでも今の世の中、こうして親身になってガツンと怒ってくれる大人が少なくなっているから、剛速球のストレートなお叱りを求めるMな人にウケてるのかもしれない。
そういえば、私の20代のころには、こうした横暴な物言いの親父たちが跋扈してたなと懐かしく思い出す。ちゃんと報告したのに聞いてないという上司、「私の記憶に残ってないのは、君の説明が悪いからだ!」と言い放ってたよなぁ。理不尽以外のなにものでもなかったけど、じゃぁ次、どうやって印象に残る説明をしようか?!と頭をひねったものだ。その後、世の中はもっと理不尽な理論で埋め尽くされていると思い知らせ、社内でのそうした実践がいい練習になっていたと後から気づかされたりもした。そういうことを、作者も言ってるんだろうと、無茶振りな回答にも理解を示せる自分も今やすっかりそんな親父サイドの人間になってるんだなと思わされる。
それにしてもだ、「まず、基本として、何かで困った時、他人に相談しているうちは何も解決せんよ」って、あーた、相談コーナーでそれ書くか!? あぁ、身を持って、あなたが理不尽!ご立派!!(笑)
投稿元:
レビューを見る
辛口の人生相談と思いきやもっともで痛快かつ時にはユーモアもあるコメントは爽快だ。なるほどという所も多い。しかし、馬鹿な悩み相談も結構多く笑わせてもらった。
投稿元:
レビューを見る
"面白いってのは仕事じゃないって" "医者の出発は患者の死と向き合ってからはじまる" など、そのほかにもストレートに悩み相談に答えるのが興味深い。文春で人気コーナーだったよう。震災に関してのコメントも他の氏の本とぶれずに記載されている。
投稿元:
レビューを見る
一刀両断、バッサリとやってしまいます。
これは悩み相談なのか、切られたい人が相談しているのでしょうか?
理不尽こそが、世の中を、人生を学ぶ、最高の教科書なんだ。
理不尽と、不平等であふれているのが世間なんだ。
理不尽を前にして、平然とできるのが大人の男というものだ。
含蓄のある言葉です。
投稿元:
レビューを見る
著者は知っていたつもりだったけどこんな口の悪い人とは知りませんでした。
見た目とはずいぶん違ってビックリしました。
相談の答えに全然なっていない。
本人ももちろんそのつもりだと何度も言っておられます。
相談のテーマも確かに大した事ではないです。
あまり意味のない本でした。
投稿元:
レビューを見る
伊集院静らしい人生相談が繰り広げられています。女々しくなく、男としてどうあるべきか、人間としてどうあるべきか、伊集院静の視点で回答が述べられているのがよいです。自信のない人や不安を抱えている人に読んでもらいたい一冊です。
投稿元:
レビューを見る
読者の質問に対して、読んでいて心地よい切り口で答えてる。切り口の角度も素晴らしいが、それよりも切った爽快感がココロを満たす。
投稿元:
レビューを見る
作家、伊集院静先生による人生相談の連載を書籍化したものです。男女のことに始まって、社会問題、東日本大震災の際に仙台の自宅で被災したときのことや、原発事故に関することまで、縦横無尽に語りつくします。
「一目惚れで夜も眠れません」
「年寄りのわがままに困ってます。一発ギャフンと…」
「最愛の人を亡くしました」
「息子が主人に似てバカなんです」―
こういった読者からの質問に答えるのは直木賞作家、伊集院静先生による人生相談の連載が単行本化されたものです。伊集院先生の人生相談で、かなり、相談内容が壊れたものもありますが、かなり適当に答えたり、また、真摯に相談に乗りながらも、時々『おっ』という言葉をおっしゃるのが伊集院先生の伊集院先生たるゆえんであります。
その中でもぐっと来たのは
「人は残酷と言う瓦礫の上を歩くんだ」
と言う言葉だったり、
「銀行家、株屋、投資家なんて大半はまともな顔をしとらん」
というのも、かつて自分がしてきたことを思い浮かべると、自分も含めて確かにそうだったなぁと思わずに入られませんでした。
やっぱり、ムチャクチャな生き方をしているようで、どこかに品がある。だからこそ人の心を鷲摑みにすることがいえるのだろうし、弟さんや奥様をなくされた壮絶な経験から話される言葉にも、突き動かされるものがございました。
投稿元:
レビューを見る
少し、3.11震災に触れている。
そうか、伊集院静、仙台在住。
あまり、読みたい内容とは思っていなかったが、伊集院静なりの考えがやっぱり、前を見据えていて、惹かれる。
投稿元:
レビューを見る
週間文春で連載された悩み相談をまとめた本。
同棲していた彼女に突然出て行かれ、喪失感をどう埋めたらいいのでしょう?
という男性の質問への回答。(抜粋)
「知らんよ。そんなこと自分でやれよ。理由もなく相手が出てイカンだろう。
君に失望したか、君よりいい相手が見つかったんだよ。それって残酷ですって?
人生は残酷という瓦礫の上を歩くもんだ。」
相談者を突き放して放り投げたような言葉ですが、
そんな過酷な場所を何度となく歩いて来られた伊集院さんだからこそ、
ストンと胸に落ちます。
「大事な事は人に聞くな。もがき苦しんでも自分で見つけろ。」
と心の声が聞こえて来ます。
投稿元:
レビューを見る
【内容紹介】
一目惚れで夜も眠れません。年寄りのわがままに困ってます。最愛の人を亡くしました…。伊集院静の経験が滲む人生相談。抱腹絶倒。なのに、本物の大人の生き方が見えてくる。『週刊文春』連載を単行本化。
2015.1.20読了。
痛快!!
回答になってないと感じる人もいるのかもしれないけど、私は偉そうな口調の中にも伊集院さんなりの愛情を感じて微笑ましく読めました。
ある相談への回答の中に「相談への的確な回答は出せんもんだぜ」という一文があり、でもそれでも相談事に付き合うのは本当に悩んでる人に寄り添ってあげたいということなのかなぁ、と。
確かにひどい回答もあるけど、それは質問もひどいとき。伊集院さんの相談に対しての密かなどっしりした構えに対して、それは失礼でしょ!という質問もあり、答える気力を失っちゃうのは仕方ない。
最後の回答が心に沁みました。
投稿元:
レビューを見る
人生相談の形を取っているが,質問者と氏の掛け合いを楽しむ本。相談者のくだらない質問(氏談)を一刀両断する作者さんの回答が肝。
投稿元:
レビューを見る
失敗したら?一からやり直せばいい、若いというのはそれが許される。
自分の弱みをさらけ出せる相手?そんなの友とは呼ばんよ。出逢ったことに感謝できるかどうかだよ。
何の仕事なら懸命にやれるか真剣に考えなくちゃ。
伊集院静さんへの人生相談がまとめられている本。
老練な回答に、何回も膝を叩いた。
生きていく上でのヒントが散りばめられている良書。
投稿元:
レビューを見る
小さな悩みから大きな悩み。
クダラナイものからマジメなもの。
ユーモアと誠実さをもって答えていく。
「奔放な女性と、清純な女性を見わける方法を教えて下さい。僕がこれまで『天使みたい』と思って付き合った女性は、一皮むけばみんな小悪魔で…最後はこっぴどくフラれて終わるのです。」
「一皮むいちゃイケマセンよ。そんな相手の皮をむいてどうすんの。そりゃ怖いもんが隠れてるのは常識でしょう。一皮むくなんてのは無謀だよ。一肌だって脱いだら大変なことになるんだから。世の中、他人のために皮をむいたり、肌を脱いだりしちゃダメなの」。(119ページ)