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自分の容姿に自信がもてないミラ、クラスの人気者カオリ、「わたし」というしがらみに悩む秋穂、そして誰とも交わろうとしないシズ。同じ高校の写真部に所属する4人は、性格も、好きなカメラも違うけれど、それぞれのコンプレックスと戦っていた。カメラを構えると忘れられる悩み。しかし、ファインダーを覗く先に不可解な謎が広がっていて…。高校の写真部を舞台に、女子高生たちが構えるカメラに写るのはともだち、コンプレックス、未来、そしてミステリー(「BOOK」データベースより)
シズが撮った、自分が写った写真を見て怒ったカオリ。その写真に写っていないものとは何か?「コンプレックス・フィルタ」
ミラ子のSDカードに入っていた、壁ばかり写した写真の謎「ピンホール・キャッチ」
告白してきた男子にビンタしたカオリ。彼女がシズに語る映子の正体は?「ツインレンズ・パララックス」
一枚だけ、プリンタで印刷された紙とすり替えられた訳は?「ペンタプリズム・コントラスト」
以上4編の短編集。
『ロートケプシェンこっちにおいで』で細やかに描かれた女子高生の悩み。
今回の作品は、あれに近いものがありますね。
聞き慣れないカメラ用語がたくさん出てくるのですが、ひとつひとつ、物語に絡めた絶妙な解説がされていて、思った以上に楽しめました。
しかし、コンプレックスの塊みたいな女の子たちを見て、「かわいいなー」と思っちゃうワタクシはもうおばさんなのでしょうかね。
あー、ちょっとショックだわ。
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【高校の写真部を舞台に、それぞれの悩みやコンプレックスを抱えた女子高生たちが、カメラや写真にまつわる事件に遭遇する。彼女たちが覗くファインダーには、ココロの揺らめきと不可解な謎が映し出される新たなる青春ミステリー小説。
】
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相沢沙呼第4作目。
今回は、女子高生の視点で、カメラと写真、部活という道具を使って描かれている。
帯にはミステリーとあるけど、謎自体はそんなに大きなトリックとかはないし、どちらかというと「カメラ」というものを通して見る、少女たちの世界観が味わえる青春小説。
学校やクラス、色々な「人種」の描写は、正直使い古されているが、それぞれの話の結末に相沢さん的な優しさが滲んでいると思う。
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今まで読んだ相沢さんの作品で、謎が解かれて、安堵して、解決したーという感じがしたのってこれが初めてな気がする。厳密には、雲行きの怪しいものもあるけれど、少なくともそれぞれの中では、前へ進める解決がなされている感じ。ほっとした。
写真は、こだわって撮らないから、中の用語は色々わかんないものばかりだったけど、楽しく読めた。高校で写真部あったらこんな感じなのかなぁ。それぞれの悩み(?)も高校生くらいまでのもので、うん、これは青春小説という感じがした。甘酸っぱい。恋愛要素はあるけど、主軸じゃないから、進展しているものはない。たぶん。
読み始めたときには、ミラが中心なのかなぁと思ったけれど、四人の視点の各章を読むと中心はシズなのかな。不思議な感じ。
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相沢沙呼氏の4作目。
前の3作は男子視点だったのですが、その男子視点がどうも自分に合わない感じがして(というかその男子のキャラクターがどうも好きになれなくて)、面白いな、と思えなかったんですが、この本は楽しめました。
相沢さんは男性なのに、どうしてこんなに女子のことがわかってるんだろう?不思議だ。
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物語のなかにカメラや写真が自然に溶け込んでいて、読んでいて気持ちよい。写真を撮る人を登場人物にするのはけっこう難しいようで、あまりいい作品に巡り会ったことがない。満足したのはマンガの『ニナライカ』ぐらいかなあ。
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写真部を舞台として描かれる女子高生達。彼女たちは撮影者なのか? 被写体なのか? ファインダーを通して見るように様々な心情が、肉眼では見えない心が見えてくる。
友情。
コンプレックス。
未来。
それとミステリィ。
カメラを通して見えてくるものは美しいものだけではなくて--
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写真部に所属するの女子高校生の青春物語。
デジカメ全盛でもまだ、現像やプリントをやっているんだ。そうだよね、あの一眼のミラーが動く振動やフィルムを巻き取る音ってカッコいいもんね。
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高校生、写真部のミラ、秋穂、カオリ、しず
それぞれの四編からなる作品。
自分らしいってどんなことなのか、自分を知りたくて
自分を確かめたくて、十代は声高に生きる。
かと思えば沈み込む。実に難しい年頃だ。
あの楽しくて面白くて、だけど憂鬱で腹立たしい
あの頃を思い出す。
十代の女の子が、かつて十代だった女性が、
読むと共感と反感の混ざり合った,
どうしようもない塊が現れて涙を誘う。
私は、あの頃と今の塊を鷲掴みにされた。
相沢氏が男性だということに納得がいかないなぁ。
どんなファンダーから覗けば、こんな風に見えるんだろうか。わかりすぎだ。
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写真部員一人ずつを主人公にした連作短編集。女子高校生の気持ちがよく書けていると思う。相沢作品の中で一番好き。
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同じ高校の写真部に所属する4人の少女(ミラ子、カオリ、秋穂、シズ)は、性格も、好きなカメラもまったく違うけれど、それぞれの抱えるコンプレックスや過去の傷をカメラによって救われている。
よくある青春群像劇を、ちょっとしたミステリーをスパイスにして描いているところ、オール女子なところが良かった。表紙も大人っぽくて素敵だし、字組は行間も多くて意外に読みやすいので読後の達成感はあると思う。
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【収録作品】コンプレックス・フィルタ/ピンホール・キャッチ/ツインレンズ・パララックス/ペンタプリズム・コントラスト
青春と呼ぶにはイタイ。彼女たちの生きづらさを生みだす側の「多数派」は、こういう小説を手に取ることはないんだろうな。
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あ~~ウマイなあ!!っていう感じ!
高校生のころの考え方や人間関係ってこんな感じだよね!
と読みながらあの頃に戻ったようでした
主要登場人物のエピソードが一編づつあるという形態大好きです
ミステリ要素も本当に良くて相沢先生は
そのうち大きな賞を取りそうだな~って思います
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相沢氏の描く女性ってなんだかな、と思っていたのですが、今まで読んだのが男主人公目線のものであったからかもしれないなあ、と思いました。
理想している女性像というのでしょうか、明らかに私の好みではないタイプの女の子がヒロインでした。
が、ココロ・ファインダは同じ部活内の女の子を主役とした、連作短編集の形を取っており、ああこういう悩みあるよなあ…としみじみ思うような内容でした。
何だ、魅力的な女の子書けるじゃないか…!なんて思わず思ってしまうほど。
男主人公目線で描くのとは全く違うのでしょうね。
あまり連作短編集というのも得意ではないのですが、これはすっきり読むことがかないました。
壁の写真のお話がどことなく印象的。
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ミステリーというよりも、女子の友情物語に近い。ミステリーは軽いが、繊細な心の描写に男ながら、胸が一杯になった。みんないろいろな、一言では言い表せない悩みを持って学校生活を送っている。